『棘上筋の起始・停止』
棘上筋の起始は( )、停止は( )
支配神経は( )
起始:棘上窩
停止:大結節
支配神経:肩甲上神経
作用:肩関節外転
※ 棘上筋が麻痺すると、肩関節外転を始動することができなくなります。
上腕骨が下垂した状態から水平位まで外転させる運動では、棘上筋と三角筋の2つの上肢帯筋の働きによります。下垂している上腕骨は、棘上筋によって外転が始動されます。ある程度外転すれば、強力な外転筋である三角筋によって外転運動が引き継がれます。また、三角筋による外転は水平位までで、それ以上は僧帽筋・前鋸筋の働きが必要となります。
肩峰下包 (肩峰下滑液包) と 三角筋下包
※ 棘上筋は肩甲骨後面の棘上窩から起こり、肩関節の上方を腱となって走行し、上腕骨の大結節に停止します。腱は肩関節包に癒合して関節包を補強します。棘上筋の表側は三角筋で被われますが、三角筋との間には三角筋下包という滑液包があります。また棘上筋腱は烏口肩峰靭帯と交叉し、その間には肩峰下包 (肩峰下滑液包) という滑液包があります。一般に、肩峰下包と三角筋下包は連続して存在します。これらの滑液包によって、腱の運動の摩擦を軽減し円滑に行われます。
※ 棘上筋の腱や滑液包には、加齢とともに変性が起こり、石灰化や断裂などが生ずることがあります。これにより肩関節の外転によって肩に疼痛が生ずることを一般に五十肩 (肩関節周囲炎) といいます。
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