腰神経叢の枝はどれか (2017年 あマ指 問題25)

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ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

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腰神経叢の枝はどれか (2017年 あマ指 問題25)

1 × 陰部神経:仙骨神経叢(S2-S4)
S2~4に由来する。梨状筋下孔から出た後、小坐骨孔を通って骨盤底に達して、会陰部の筋および皮膚を支配する。(p.292 仙骨神経叢)

2 ○ 閉鎖神経:腰神経叢(L2-L4)
L2~4が合流して構成される。大腰筋の筋束間を下行し、大腰筋内側下縁から骨盤腔に達する。骨盤の側壁を閉鎖動静脈とともに走り、閉鎖孔の内側上方(恥骨上枝の下縁)にある閉鎖管を貫通して大腿内側に至り、外閉鎖筋および内転筋群の各筋に支配枝を出す。また、筋枝を出した後は皮枝として大腿内側の皮膚に分布する。(p.290 腰神経叢)

3 × 上殿神経:仙骨神経叢(L4-S1)
L4~S1が合流して神経叢の背側から出る。梨状筋上孔を通って寛骨後面に達し、小殿筋と中殿筋の間を両筋に枝を与えながら走って大腿筋膜張筋に至る筋枝を出す。(p.292 仙骨神経叢)

4 × 後大腿皮神経:仙骨神経叢(S1~S3)
S1~3に由来する神経で、梨状筋下孔を通って大殿筋の深層に出る。坐骨神経とともに下行して、坐骨結節と大転子の中間付近で大殿筋の下縁から皮下に出て大腿後面を下行する。大腿後面の皮枝のほか、殿部に分布する下殿皮神経と会陰枝を分ける。(p.292 仙骨神経叢)


下肢の神経(p.290 下肢の神経)

下肢の神経には、腰神経叢と仙骨神経叢がある。この両者は腰仙骨神経幹によって連絡するので、まとめて腰仙骨神経叢と呼ぶこともある。根では連続する神経叢であるが、前者には骨盤前面の鼠径靱帯の下および閉鎖孔から下肢に向かう神経が、後者には骨盤後面の大坐骨孔を通って下肢に至る神経がそれぞれ所属するので、下肢へ至る方向性で見ると両神経叢は明確に区別される。

腰神経叢(T12およびL1~4)(p.290 腰神経叢)

腰神経叢は、大腰筋の深層に位置し、第12胸神経(T12) 、第1~4腰神経(L1~4) の前枝によって構成される。この神経叢から出る枝は、下腹部・鼠径部・陰嚢(大陰唇)・大腿前面の筋と皮膚感覚のほか、下腿内側面の皮膚感覚を司る。
腰神経叢の枝の走行は以下の2つに大別される。
(1) 腰神経叢の上位の枝は、肋間神経のように椎間孔から出た後に、体壁にある3層の側腹筋の間を回って下腹部から鼠径部に分布する。
(2) 腰神経叢の下位の枝は、大殿筋とともに下行して鼠径靱帯の下あるいは閉鎖孔をくぐって大腿部に至る。

  • 腸骨下腹神経(T12・L1)
    T12とL1が合流して構成される。肋間神経と同様に腹壁をまわりながら腹筋を支配するほか、腸骨稜の直上に外側皮枝、下腹部に前皮枝を出す。
  • 腸骨鼠径神経(L1)
    L1の腸骨下腹神経のすぐ下から分岐する。腹壁を回りながら側腹筋に筋枝を与えるほか、腸骨稜から鼠径靱帯に沿って鼠径部に至る。鼠径部では鼠径管を通り、前皮枝に相当する前陰嚢神経(女性では前陰唇神経)となって陰嚢(大陰唇)前面の感覚を担う。
  • 陰部大腿神経(L1・2)
    L1・2が合流して構成され、大腰筋の前を下行しつつ、陰部枝と大腿枝に分かれる。

    • 陰部枝:男性では、鼠径管を通って陰嚢内の精巣挙筋に分布する筋枝と陰嚢の皮枝を含む。女性では大陰唇とその付近の皮膚感覚を担う。
    • 大腿枝:鼠径靱帯の下をくぐって血管裂孔から大腿前面にいたる。大腿前内側面に分布する皮枝となる。
  • 外側大腿皮神経(L2・3)
    L2・3が合流して構成される。大腿神経とともに大腰筋と腸骨筋の間を通って腸骨筋の表面を外側下方に向かって走り、上前腸骨棘付近で鼠径靱帯の下の筋裂孔をくぐって大腿外側部に出る皮神経である。
  • 大腿神経(L2~4)
    L2~4が合流してできる腰神経叢最大の枝である。大腰筋とともに下行し、筋裂孔を通って大腿三角に至る。大腿三角より下で縫工筋および大腿四頭筋に筋枝を出すほか、皮枝として大腿前面に分布する前皮枝および伏在神経を分枝する。
    伏在神経は、大腿動静脈とともに内転筋管を通る途中で大内転筋と内側広筋の間に張る筋膜を貫通し皮下に出る。鵞足付近で膝蓋下枝および内側下腿皮枝となって下腿内面や足背内側の感覚を担う。
  • 閉鎖神経(L2~4)
    L2~4が合流して構成される。大腰筋の筋束間を下行し、大腰筋内側下縁から骨盤腔に達する。骨盤の側壁を閉鎖動静脈とともに走り、閉鎖孔の内側上方(恥骨上枝の下縁)にある閉鎖管を貫通して大腿内側に至り、外閉鎖筋および内転筋群の各筋に支配枝を出す。また、筋枝を出した後は皮枝として大腿内側の皮膚に分布する。
仙骨神経叢(L4・5およびS1~4)(p.292 仙骨神経叢)

第4腰神経前枝は腰神経叢に参加する以外にも、第5腰神経前枝と合流して腰仙骨神経幹となって骨盤腔に至り、第1~4仙骨神経(S1~4) 前根とともに仙骨神経叢をつくる。仙骨神経叢から出る枝は大坐骨孔を通って殿部・大腿後面・下腿・足・会陰部に分布する。

  • 上殿神経(L4~S1)
    L4~S1が合流して神経叢の背側から出る。梨状筋上孔を通って寛骨後面に達し、小殿筋と中殿筋の間を両筋に枝を与えながら走って大腿筋膜張筋に至る筋枝を出す。
  • 下殿神経(L5~S2)
    L5~S2が合流して神経叢の背側から出る。梨状筋下孔から寛骨後面に出て、大殿筋に枝を出す。
  • 後大腿皮神経(S1~3)
    S1~3に由来する神経で、梨状筋下孔を通って大殿筋の深層に出る。坐骨神経とともに下行して、坐骨結節と大転子の中間付近で大殿筋の下縁から皮下に出て大腿後面を下行する。大腿後面の皮枝のほか、殿部に分布する下殿皮神経と会陰枝を分ける。
  • 坐骨神経(L4~S3)
    L4~S3に由来する人体で最大の神経である。しかし、その実体は神経叢で別々に始まる2本の神経、総腓骨神経(L4~S2) と脛骨神経(L4~S3) が同一の結合組織に包まれて、外見上、太い神経になったものである。梨状筋下孔を出たのち坐骨結節と大転子の中間付近を通って大腿後面に達するまでは両神経が付着し合った太い神経のままである。膝窩の上方で総腓骨神経と脛骨神経が分かれて、さらに下腿と足に分布する。

    • 総腓骨神経:大腿後面では脛骨神経の外側に位置し、大腿二頭筋長頭の深層を下行しながら大腿二頭筋短頭に枝を与える。その後、膝窩の上方で脛骨神経と分離して大腿二頭筋の停止腱に沿って腓骨頭の下方(腓骨頸)に達する。
      この神経は外側から腓骨頸を回り込んで下腿に入る際に、次の2枝に分かれる。すなわち、下腿外側の腓骨筋群に分布する浅腓骨神経と、下腿前面の伸筋群に向かう深腓骨神経である。浅腓骨神経は長・短腓骨筋に枝を出した後、下腿の遠位部で皮神経となって皮下に出て、内側および中間足背皮神経として足背に分布する。深腓骨神経は長腓骨筋の起始の深層を素通りして伸筋群に達し、長指屈筋と前脛骨筋の間を下行しながら長指伸筋・長母指伸筋・前脛骨筋に枝を出す。さらに、長母指伸筋腱および前脛骨動脈などとともに伸筋支帯の深層をくぐって足背に達し、短母指伸筋および、短指伸筋への枝を出す。その後、細い皮神経となって母指と第2指の間(下駄の鼻緒が食い込む位置)の皮膚に分布して感覚を担う。
    • 脛骨神経:大腿後面では総腓骨神経の内側に位置し、大腿二頭筋長頭の深層を下行しながら、半腱・半膜様筋および大腿二頭筋長頭に枝を送って支配する。その後、総腓骨神経と分離して膝窩動静脈とともに膝窩中央を垂直に下行し、下腿後面に至る。
      膝窩では下腿三頭筋・膝窩筋・足底筋に枝を送るほか、内側腓腹皮神経を出す。内側腓腹皮神経は、総腓骨神経の枝と合流したあと腓腹神経となり、下腿の遠位部・踵部・足背の外側部の皮膚感覚を担う。脛骨神経の本幹はヒラメ筋腱弓の深層をくぐって、ヒラメ筋と下腿深層の屈筋群(長指・長母指屈筋および後脛骨筋)の間を通り、これら下腿深層の屈筋に枝を出す。さらに、脛骨神経は足首まで下行して、長指屈筋・長母指屈筋・後脛骨筋・後脛骨動静脈とともに内果の後方を回って足底に向かう。
      足底に入る直前、脛骨神経は内側・外側足底神経に分かれる。内側足底神経は、短指屈筋枝を出すほか、母指球に向かい、母指外転筋・短母指屈筋および第1虫様筋に枝を与える。そのほか残りは足底内側部の皮神経となる。外側足底神経は、足底を小指球筋に向かって進み、小指球筋および内側足底神経が支配しない中足筋・母指内転筋に次々に枝を出して支配する。そのほか足底外側部の皮枝として浅枝を分枝する。
  • 陰部神経(S2~4)
    S2~4に由来する。梨状筋下孔から出た後、小坐骨孔を通って骨盤底に達して、会陰部の筋および皮膚を支配する。

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