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【詳細解説】橈骨神経に支配されるのはどれか (2014年 あマ指 問題20)

橈骨神経に支配されるのはどれか (2014年 あマ指 問題20)
1 回外筋
2 円回内筋
3 方形回内筋
4 母指対立筋
目次

回答と選択肢の考察

解答1

1 回外筋 ○橈骨神経支配

【 上腕骨外側上顆・尺骨上部外側面(回外筋稜) → 橈骨上部外側/橈骨神経/前腕の回外】
上腕骨外側上顆や尺骨上部外側面(回外筋稜)より起始して、橈骨上部を巻き込むように斜め下に走行して橈骨上部外側面に停止する。橈骨神経支配で前腕を回外する。橈骨神経深枝は回外筋の浅層に形成されたFrohseのアーケードの下を通り、回外筋浅層と深層の間に入り、回外筋を貫く。回外筋を貫いた橈骨神経深枝は後骨間神経となって前腕の全伸筋、骨膜および骨間膜に分枝する。
橈骨神経深枝が回外筋浅層にあいたFrohseのアーケードを通過する部分は圧迫をうけやすく、しばしば麻痺を生じる。上腕部で橈骨神経が圧迫をうけ麻痺となった場合は、下垂手となるが、Frohseのアーケード以降の部位で後骨間神経が圧迫をうけたことによる麻痺では、腕橈骨筋と長橈側手根伸筋を支配する筋枝がFrohseのアーケードの前で分枝するため、これらの筋が麻痺を免れ、指の伸展はできないが、手首の背屈が可能となる。

2 円回内筋 正中神経支配

【(上腕頭)内側上顆、(尺骨頭)鈎状突起 → 円回内筋粗面(橈骨)/正中神経/前腕の回内】
円回内筋は2つの起始部をもつ。上腕頭は内側上顆(上腕骨)、尺骨頭は鈎状突起(尺骨)に起始し、肘窩の内側縁を下行し、橈骨中央の外側面(円回内筋粗面)に停止する。この両頭の間を正中神経が通過する。正中神経支配で前腕を回内する。

3 方形回内筋 正中神経支配

【尺骨下部前面 → 橈骨下部前面/正中神経/前腕の回内】
前腕の下1/4を横に走る帯状の筋。正中神経支配で、前腕の回内は主に方形回内筋による。強く回内する場合に円回内筋が協力的に働く。

4 母指対立筋 正中神経支配

【大菱形骨、屈筋支帯 → 第1中手骨体の橈側縁/正中神経/母指の対立運動】
大菱形骨と屈筋支帯から起始し、第1中手骨体の橈側縁に停止する。正中神経支配で、母指が他の4指と向かい合うような対立運動を行う。

考え方

橈骨神経は上肢の伸筋群を支配する。なので腕の筋で「ナントカ伸筋」といった場合は橈骨神経支配だ。だがこの問題のいやらしいところは、「ナントカ伸筋」や「ナントカ屈筋」などがない。さてどうやって考えていこうか。

橈骨神経支配の筋一覧

  • 上腕の伸筋群
  • 上腕三頭筋
  • 肘筋
  • 前腕の伸筋群・浅層
  • 腕橈骨筋
  • 長橈側手根伸筋
  • 短橈側手根伸筋
  • 総指伸筋
  • 小指伸筋
  • 尺側手根伸筋
  • 前腕の伸筋群・深層
  • 回外筋
  • 長母指外転筋
  • 短母指伸筋
  • 長母指伸筋
  • 示指伸筋

以上を見てみると「ナントカ伸筋」という名称でないのは5つ。

  • 上腕三頭筋
  • 肘筋
  • 腕橈骨筋
  • 回外筋
  • 長母指外転筋

この5つが橈骨神経支配だとわかれば、あとは腕の筋で「・・・伸筋」ときたら橈骨神経。以上終わり。たった5つ覚えるだけで、沢山ある橈骨神経支配の筋が全部わかる。解剖学は分類して整理していくことが大切だ。さて、続けよう。

上腕二等筋が上腕の屈筋で、上腕三頭筋が上腕の伸筋であることは大丈夫でしょう。肘筋も上腕の伸筋なのを忘れないように。
腕橈骨筋は「橈骨」という名称が入っているので、橈骨神経支配なのは想像しやすい。
腕橈骨筋は橈骨神経支配で伸筋群に分類されるが、働きは屈筋だ。
残るは回外筋と長母指外転筋だ。この二つの筋が橈骨神経支配であることを覚えるにはどうしたらいいか。ゴロでとりあえず覚えておこう。「海外(回外筋)の帳簿(長母指外転筋)も信金(伸筋)に入れる」

起始で分類してみる。回外筋の起始停止は外側上顆・尺骨回外筋稜 → 橈骨上部外側面となっている。前腕伸筋群の深層の筋では外側上顆から起始するのは回外筋のみであるが、前腕伸筋群の浅層では、腕橈骨筋を除く筋、つまり長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋が外側上顆に起始する。つまり前腕伸筋群の多くが外側上顆に起始する。

「外」という字がつく上肢の筋を抜き出してみよう。

  • 回外筋(橈骨神経支配)
  • 長母指外転筋(橈骨神経支配)
  • 短母指外転筋(正中神経支配)
  • 小指外転筋(尺骨神経支配)

手の筋(手内筋)には橈骨神経支配のものはないことも知っておくといい。「短」もしくは「小指」とつくもので、「伸筋」とつかないものは、全て手内筋だ。

サタデーナイト麻痺

さて、ここまで来たので、せっかくだから橈骨神経の大まかな走行を抑えておきたい。橈骨神経は腋窩のあたりから上腕の後面にでる。上腕骨の真ん中よりやや上のあたり、内上方から外下方にかけて橈骨神経溝という溝がある。この橈骨神経溝をとおり、上腕骨を巻くように外側上顆の前に至る。外側上顆の前で橈骨神経は浅枝と深枝に分かれる。浅枝は前腕橈側の感覚を司る皮神経となり、深枝は回外筋を貫いて前腕伸筋群の走行に沿うように走行し、これらの筋を支配する。(外側上顆の前方から回外筋の浅層と深層に挟まれるように下行して前腕の後面側に回りこみ、他の前腕伸筋群に沿いつつやや尺側にむかって下行する)
これが橈骨神経のだいたいの走行イメージであるが、最初上腕の後面を走行していた橈骨神経が、橈骨神経溝を通り、上腕骨を巻くようにやや前に出てくるあたりで圧迫を受けやすい。腕まくらをしてあげたときに、お相手の頭が乗っかるような位置に橈骨神経が走行している。腕まくらして朝起きたら腕が上がらなかった。だからサタデーナイト麻痺。ハネムーン麻痺とも言う

知識の確認

  • 上肢の筋で「伸筋」という名称がつくものは全て(   神経)支配である。解答
  • 橈骨神経支配の筋で、「伸筋」という名称がつくもの以外の筋として、(  筋)、(  筋)、(  筋)、(  筋)、(  筋)の5つがある。解答
  • 腕橈骨筋は前腕浅層の伸筋群に分類されるが、作用としては(肘関節の  )である。解答
  • 回外筋は上腕骨(  )や尺骨上部外側面(  )より起始して、斜め下に走行して(  )上部外側面に停止する。(  神経)支配で前腕を(  )する。解答
  • 回外筋は(   神経)に貫かれる。解答
  • 円回内筋は2つの起始部をもち、上腕頭は(  )、尺骨頭は(  )に起始し、橈骨中央の外側面(  )に停止する。解答
  • 円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を(   神経)が通過する。解答
  • 方形回内筋は前腕の下1/4を横に走る帯状の筋。(  )下部前面に起始し、(  )下部前面に停止する。(  神経)支配で、前腕を(  )する。前腕の回内は主に方形回内筋による。強く回内する場合に円回内筋が協力的に働く。解答

解答一覧

クイズ形式

この問題には勉強しやすいクイズ形式もあります。
知識の確認にご利用ください。
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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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