2016年 第24回 はり師・きゅう師 (鍼灸師) 国家試験 解剖学 問題16〜26 解答

国家試験問題

2016年 第24回 はり師・きゅう師 (鍼灸師) 国家試験 解剖学 問題16〜26 解答

勉強のコツ
やっぱり基本は教科書です。国試4択を教科書の重要箇所を知るフィルターとして用い、関連する教科書のページをチェックすることをお勧めします。関連ページを記載しています。活用して理解をしてください。理解したものは応用力が増し、さらに忘れにくくなります。

問題16 気管内面にみられるのはどれか。

1 多列線毛上皮
2 単層立方上皮
3 単層扁平上皮
4 移行上皮

解答 1

1 ○ 多列線毛上皮は呼吸器系の気道 (鼻腔〜喉頭〜気管・気管支) にみられる。 (p.11 上皮組織, p.63 鼻粘膜)
2 単層立方上皮は甲状腺 濾胞細胞 や網膜の色素上皮層、脳室内面の上衣細胞、腎臓の尿細管の一部などにみられる。 (p.112 甲状腺, p.150 網膜, p.128 脳室系, p.2 細胞)
3 単層扁平上皮は内皮 (血管内皮, 心内膜, リンパ管内皮), 中皮 (胸膜, 腹膜, 漿膜性心膜) , 肺胞などに見られる。(p.10 上皮組織, p.37 血管の構造, p.39 毛細血管, p.40 心臓の壁, p.53 リンパ系の全体像, p.86 腹膜, p.67 肺胞)
4 移行上皮は泌尿器系の尿路 (腎杯・腎盂〜尿管〜膀胱)にみられる。(p.11 上皮組織, p.93 尿路)


問題17 頸椎について正しいのはどれか。

1 生理的後弯がある。
2 椎骨動脈は第7頸椎の横突孔を通る。
3 環椎後頭関節は頭部の屈伸に関与する。
4 環椎横靭帯は歯突起前面を覆う。

解答 3

1 頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯、仙椎は後弯 (p.176 脊柱の弯曲)
2 椎骨動脈は第6頸椎より上位の横突孔を走行する。(p.307 椎骨動脈)
3 ○ 環椎後頭関節は後頭骨の後頭課と環椎上関節面との関節である。左右の環椎後頭関節をあわせて楕円関節をなす。頭部を前後に屈伸や側屈を可能にさせる。(p.174 頭蓋を支える特殊な関節)
4 環椎横靭帯と縦束は環椎十字靱帯として歯突起後面を覆う。(p.173 図10-12 環椎・軸椎の靭帯, p.174 頭蓋を支える特殊な関節)


問題18 関節について正しいのはどれか。

1 胸鎖関節には関節円板が存在する。
2 肩関節で関節唇は上腕骨頭に付着する。
3 腕尺関節は車軸関節である。
4 手関節で尺骨は舟状骨に接する。

解答 1

1 ○ 胸鎖関節には関節円板が存在する。(p.183 胸鎖関節)
2 関節唇は関節窩を縁どる線維軟骨性の組織である。関節窩の周囲なので肩甲骨側に付着している。(p.184 肩関節)
3 腕尺関節は蝶番関節。上橈尺関節は車軸関節。(p.162 関節の種類, p.184 肘関節)
4 手根骨の近位列は橈側から舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨が並ぶ。舟状骨は最も橈側に位置し、尺骨とは接しない。(p.183 手根骨)

肘関節

肘関節は、上腕骨・尺骨・橈骨の3つの骨がそれぞれ連結しあう複関節であり、腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節が1つの関節腔内にある。関節包の両側には内側・外側側副靭帯がついて補強する。

  • 腕尺関節:蝶番関節
    上腕骨 滑車 ⇔ 尺骨 滑車切痕;肘関節の屈曲-伸展
  • 腕橈関節:球関節
    上腕骨 小頭 ⇔ 橈骨 橈骨頭窩;腕尺関節 (屈伸) や、上橈尺関節 (回内-回外) に連動して動く
  • 上橈尺関節:車軸関節
    橈骨頭側面 関節環状面 ⇔ 尺骨 橈骨切痕;前腕の回内-回外

問題19 下肢の骨について正しいのはどれか。

1 距骨には載距突起がある。
2 腓骨にはヒラメ筋線がある。
3 脛骨には粗線がある。
4 大腿骨には恥骨筋線がある。

解答 4

1 載距突起は距骨が載る突起。踵骨にある。(p.192 足の骨-踵骨)
2 ヒラメ筋線は脛骨後面にある隆線でヒラメ筋が起始する。(p.191 図10-34 下腿骨, p.278 表10-31 下腿後面の筋(屈筋群))
3 粗線は大腿骨後面を上下に走る線で、内側唇と外側唇の2本ある。粗線内側唇には大腿四頭筋の内側縁や内転筋群がつき、粗線外側唇には大腿四頭筋の外側縁や大腿二頭筋の短頭が付着する。(p.190 大腿骨)
4 ○ 恥骨筋線は大腿骨の後面にある線で、 恥骨筋が停止する。(p.191 図10-33 大腿骨, p.272 表10-27 大腿内面の筋(内転筋群))


問題20 腰三角を構成するのはどれか。

1 外腹斜筋
2 腸肋筋
3 大腰筋
4 腰方形筋

解答 1

  • 広背筋・腸骨稜・外腹斜筋=腰三角 (p.222 広背筋, p.228 体幹の局所解剖 腰背部)
  • 広背筋・僧帽筋・菱形筋=聴診三角

広背筋は腰部で腸骨稜の後部から下位の胸椎棘突起まで広がる広大な起始腱膜をつくり、この腱膜と固有背筋を包む胸腰筋膜とが癒合したものが腰背腱膜と呼ばれる。胸腰筋膜は前方に伸び、固有背筋の外側部とその前方にある腰方形筋を分けており、この部分を胸腰筋膜の前葉と呼ぶ。胸腰筋膜と広背筋腱膜が合してできた腰背腱膜の部分を胸腰筋膜の後葉と呼ぶことも多い。また、懸垂など肩を下げる方向に力を入れると、腋窩後壁から側腹部にかけて広背筋の外側縁を触れるが、腸骨稜からの起始の前縁と外腹斜筋の後縁と腸骨稜に固まれた腰三角は腹壁の中で抵抗の低い部位の1つである。(p.228 体幹の局所解剖 腰背部)


問題21 上腕骨の内側上顆に起始するのはどれか。

1 腕橈骨筋
2 総指伸筋
3 長掌筋
4 肘筋

解答 3

1 腕橈骨筋 上腕骨下部外側縁 → 橈骨茎状突起;橈骨神経;肘関節屈曲 (p.245 腕橈骨筋)
2 総指伸筋 外側上顆 → 第2〜5指の中節骨と末節骨;橈骨神経;手関節の伸展(背屈)と第2〜5指の伸展(p.247 総指伸筋)
3 長掌筋 内側上顆 → 手掌腱膜;正中神経;手関節の屈曲(p.244 長掌筋)
4 肘筋 外側上顆 → 尺骨上部後面;橈骨神経;肘関節の伸展(p.242 肘筋)

前腕の屈筋群 – 浅層の屈筋群

前腕屈筋群の浅層の筋は外側から、円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋・尺側手根屈筋があり、いずれも上腕骨の内側上顆から起始する。

筋名起始停止支配神経作用
円回内筋上腕頭:内側上顆、
尺骨頭:鈎状突起
橈骨中部の外側面(円回内筋粗面)正中神経前腕の回内と肘関節の屈曲
橈側手根屈筋内側上顆第2・3中手骨底手関節の屈曲・外転(橈屈)
長掌筋内側上顆手掌腱膜手関節の屈曲
浅指屈筋上腕尺骨頭:内側上顆・尺骨粗面、
橈骨頭:橈骨上部の前面
第2〜5中節骨底第2〜5指のMP関節およびPIP関節を屈曲
尺側手根屈筋上腕頭:内側上顆、
尺骨頭:尺骨上半部の後縁
豆状骨(豆鈎靱帯を介して有鈎骨まで腱が伸びる)・第5中手骨底尺骨神経関節の屈曲と内転(尺屈)
(p.243 前腕浅層の屈筋群)


問題22 心臓について正しいのはどれか。

1 心内膜と心外膜の間が心膜腔である。
2 プルキンエ線維は線維三角を貫く。
3 乳頭筋の収縮で房室弁が開く。
4 冠状静脈洞は右心房に開口する。

解答 4

1 心膜腔は漿膜性心膜の臓側板と壁側板の間で、漿液で満たされている。 (p.40 心膜)

2 房室束 (ヒス束) は線維三角を貫く。プルキンエ線維は心室の心内膜下を細かく枝分かれしながら網の目のように走る。 (p.42-43 刺激伝導系)

3 乳頭筋は心室筋の一部である。心室が収縮するときに乳頭筋も収縮し、房室弁が心房側に翻るのを防ぐ。 (p.42 心臓の弁膜)

4 ○ 右心房には上大静脈・下大静脈・冠状静脈洞が開口する。 (p.41 心房と心室)


問題23 鼻腔について正しいのはどれか。

1 キーゼルバッハ部位は鼻腔の外側壁にある。
2 鼻前庭は単層円柱上皮で覆われる。
3 蝶形骨洞は中鼻道に開口する。
4 嗅上皮は総鼻道の上部にある。

解答 4

1 キーゼルバッハ部位は鼻中隔の前端部で、外鼻孔に近い鼻粘膜の部分。毛細血管が多く集まり、鼻出血を起こしやすい部分。 (p.63 鼻粘膜)

2 鼻前庭はは外鼻孔から奥へ2cmほどの鼻毛が生えた部分。皮膚の続きなので重層扁平上皮である。(p.63 鼻道)

3 蝶形骨洞は鼻腔の後上方に開く。(p.63 副鼻腔)

4 ○ 嗅上皮は鼻腔の後上部。(嗅上皮は鼻中隔と上鼻甲介の間、総鼻道の上部に広がっている)(p.63 鼻粘膜)


問題24 小腸について正しいのはどれか。

1 粘膜上皮は多列円柱上皮である。
2 粘膜固有層にパイエル板がある。
3 全長にわたって腸間膜がある。
4 表面に腹膜垂がある。

解答 2

1 小腸の粘膜上皮は単層円柱上皮。(口腔〜肛門は一続きの管となっている。入口と出口は刺激や摩擦に強い重層扁平上皮。中間は消化と吸収に向く単層円柱上皮である。つまり、口腔〜食道と肛門が重層扁平上皮。胃・小腸・大腸は単層円柱上皮である。 (p.80-81 小腸の組織構造と機能)

2 ○ 粘膜固有層には孤立リンパ小節や集合リンパ小節(パイエル板)が存在する。 (p.81 粘膜固有層)

3 小腸は十二指腸・空腸・回腸。十二指腸は腹膜後臓器で腸間膜を持たない。空腸・回腸は腹膜内臓器で腸間膜を持つ。 (p.79 小腸)

4 腹膜垂は結腸の特徴である。輪状ヒダ・腸絨毛・微絨毛は小腸の特徴。腹膜垂・結腸ヒモ・結腸膨起・半月ヒダは大腸の特徴。 (p.80〜81 小腸の組織構造と機能, p.82 結腸の外形的特徴)


問題25 下垂体について正しいのはどれか。

1 第4脳室底部に突出する。
2 腺性下垂体は前方に位置する。
3 神経性下垂体は咽頭に由来する。
4 下垂体ホルモンは下垂体門脈系により標的器官に達する。

解答 2

1 下垂体は脳の下面から細い柄(漏斗)でぶら下がる。位置としては視床下部の下(神経性下垂体は第3脳室底の突出によって生じる)。第4脳室は延髄上部・橋と小脳の間に位置する。 (p.108-110 下垂体)

2 ○ 下垂体前葉=腺性下垂体、下垂体後葉=神経性下垂体。 (p.108-110 下垂体)

3 腺性下垂体は胎生期に原始口腔の天井の一部が上方に伸びてきててきる(ラトケ嚢)。神経性下垂体は第3脳室底の突出によって生じた神経組織でできる。 (p.109 腺性下垂体, p.110 神経性下垂体)

4 下垂体門脈は視床下部ホルモンを下垂体前葉に運ぶ。 (p.110 下垂体門脈系)


問題26 錐体路が通過するのはどれか。

1 脳梁
2 内包
3 橋被蓋
4 後索

解答 2

錐体路(皮質脊髄路) (p.132 錐体路)
中心前回 → 内包 → 中脳 大脳脚 → 橋底部 → 延髄 錐体 → (約8割の線維) 錐体交叉し反対側へ → 脊髄 側索 → 脊髄前角 前角細胞にシナプス接続

1 脳梁は交連線維。左大脳半球と右大脳半球を連絡する。
2 ○ 内包は投射線維。大脳に出入りする大部分の線維は内包を通過する。(上向性:嗅覚を除く全ての感覚線維、下行性:錐体路)(p.127 大脳の白質)
3 錐体路は橋では橋底部を下行する。 (p.121 橋)
4 後索は識別性触圧覚と深部感覚が通過する(後索-内側毛帯路・長後索路) (p.133 長後索路)

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