2016年 第24回 あん摩マッサージ指圧師 国家試験 生理学 問題27〜35 解答

国家試験問題

2016年 第24回 あん摩マッサージ指圧師 国家試験 生理学 問題27〜35 解答

問題27 解糖系で正しいのはどれか

1 ミトコンドリアが関与する。
2 酸素を消費する。
3 内呼吸に含まれる。
4 二酸化炭素が発生する。

解答 3

細胞がグルコース(ブドウ糖)を分解してエネルギーを取り出す過程を内呼吸という。内呼吸は解糖クエン酸回路(TCA回路)電子伝達系の3段階よりなる。 (p.97-98 糖質の代謝)

1 内呼吸のうち、解糖は細胞質内でおこり、クエン酸回路と電子伝達系はミトコンドリア内でおこる。
2 内呼吸のうち、解糖は無酸素で行われるが、ミトコンドリア内で反応が進むクエン酸回路と電子伝達系は酸素を消費する。
3 ◯ 内呼吸に含まれる。
4 解糖系ではグルコースよりピルビン酸が産生されるが、この段階で二酸化炭素は発生しない

細胞がグルコース (ブドウ糖) を分解してエネルギーを取り出す過程は、細胞がO2を取り入れてCO2を出すので内呼吸という。まず、グルコースは細胞質内で酵素の働きによって、ピルビン酸となる。このO2を必要としない過程を解糖という。ピルビン酸はミトコンドリアの中に取り込まれ、酵素の働きによってO2と反応する。細胞質内で起こる解糖とミトコンドリア内でのO2供給下で起こる反応系 (クエン酸回路と電子伝達系) を合わせて内呼吸という。内呼吸の過程で生じたエネルギ ーの一部は ATP の形で保存され、残りは熱に変わる。内呼吸では 1 モルのグルコースから解糖系で 2 モルの ATP、クエン酸回路でさらに 2 モル、電子伝達系で 34 モルの ATP が生じ,合計 38 モルの ATP が得られる。ATP に保存されたエネルギーは必要に応じて放出され、生体内のさまざまな活動に利用される。クエン酸回路は TCA サイクルまたはクレブス回路ともいう。(p.7-8 解糖と内呼吸)


問題28 肺胞内気と血液とのガス交換の仕組みはどれか。

1 浸透
2 拡散
3 ろ過
4 能動輸送

解答 2

肺におけるガス交換は、肺胞気と肺の毛細血管の静脈血との間の ガス分圧の差 (拡散) によって行われる。肺胞気のガス分圧はO2が100mmHg、CO2が40mmHgである。また肺の毛細血管内の静脈血のガス分圧は、O2が40mmHg、CO2が46mmHgである。したがって、O2は100-40=60mmHgの分圧差で肺胞気から静脈血中に拡散する。一方CO2は46-40mmHgの分圧差により、血中から肺胞気中に拡散する。その結果、動脈血液はO2分圧95mmHg、CO2分圧40mmHgの動脈血となって肺から出て行く。(p.59 肺でのガス交換)

生体内での物質移動 (p.12 物質移動)

1 浸透(濃度が低い液体と濃度が高い液体が半透膜で仕切られている場合に、水が濃度の低い側から高い側に移動すること)
・膠質浸透圧による組織液の毛細血管への再吸収(p.40 膠質浸透圧と水分の移動)
・Na+の能動輸送に伴う浸透圧差によって生じる水の受動的な移動(p.122 水とNa+, Clの尿細管における再吸収)
・低張液中での赤血球の溶血(p.20 溶血) など

2 拡散(濃度が高い方から低い方へ移動する)
・肺におけるガス交換(p.59 肺でのガス交換)
・末梢組織におけるガス交換 (p.40 毛細血管における物質の移動)
・脂質の吸収(p.86 脂肪の吸収) など

3 ろ過(圧力をかけて水を濾し出す)
・腎臓での原尿生成(p.121 糸球体濾過)

4 能動輸送(ATPの分解によって生じるエネルギーを用いて物質を輸送する。濃度が低い方から高い方へ物質を移動させる)
・ナトリウムポンプ (p.13 能動輸送, p.168 静止電位)


問題29 胃液に含まれるのはどれか。

1 アンジオテンシノゲン
2 キモトリプシノゲン
3 トリプシノゲン
4 ペプシノゲン

解答 4

1 アンジオテンシノゲンは肝臓で産生され、血漿タンパク質として 血液中に存在 する。(α2グロブリン分画中)。レニンの作用を受けてアンジオテンシンに変換される。アンジオテンシンIIは強力な血圧上昇作用を持つとともに、副腎皮質からのアルドステロンの分泌を促進させる。アルドステロンは腎集合管でのNa+再吸収を促し、それに伴い水分も再吸収されるので、体液量を増やし血圧上昇に寄与する。(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)(標準生理学 p.631 レニン・アンジオテンシン系と血圧調節)
2 トリプシノゲンとキモトリプシノゲンは 膵液に含まれる 蛋白分解酵素の前駆体で、小腸内で活性化され、それぞれトリプシンキモトリプシンとなり、タンパク質を分解する。(p.80 膵液の成分・作用)
3 同上
4 ペプシノゲンは胃底線の主細胞で産生され、胃液中に分泌される蛋白分解酵素の前駆体で、壁細胞の産生する塩酸と反応し、活性のあるペプシンとなり、タンパク質を分解する。(p.79 胃液の成分・作用)


問題30 エネルギー代謝について正しいのはどれか。

1 脂肪組織は筋組織より代謝が高い。
2 基礎代謝量の測定は安静座位で行う。
3 体表面積当たりの基礎代謝量は成人より小児の方が高い。
4 エネルギー代謝率は活動時代謝量と基礎代謝量の比である。

解答 3

1 筋組織の方が脂肪組織より代謝が高い。(よって、筋肉量の多い男性の方が女性より基礎代謝が高い)(p.94 基礎代謝)
2 基礎代謝量の測定覚醒直後の早朝空腹時、室温23〜24℃、安静臥床のまま測定する。(p.94 基礎代謝)
3 ◯ 体表面積当たりの基礎代謝量は成人より小児の方が高い(p.94 基礎代謝)
4 **エネルギー代謝率 (PMR) **は、運動によって消費したO2量が基礎代謝時のO2消費量の何倍に相当するかの値。(p.95 エネルギー代謝率)


問題31 腎臓の集合管においてナトリウムイオンの再吸収を促進するのはどれか。

1 アルドステロン
2 インスリン
3 グルカゴン
4 コレシストキニン

解答 1

1 アルドステロンは副腎皮質より分泌されるホルモンで、腎臓の集合管に作用し、ナトリウムイオンと水の再吸収を促進させる。(p.122 水とNa+, Clの尿細管における再吸収, p.133 ホルモンとその主な作用)
2 インスリン膵ランゲルハンス島β細胞より分泌されるホルモンで、血糖値を低下させる。(p.133 ホルモンとその主な作用, p.293 血糖調節)
3 グルカゴン膵ランゲルハンス島α細胞より分泌されるホルモンで、血糖値を上昇させる。(p.133 ホルモンとその主な作用, p.293 血糖調節)
4 コレシストキニンは十二指腸壁 (I細胞) へのアミノ酸、脂肪酸の刺激により分泌される消化管ホルモンで、消化酵素の豊富な膵液を分泌を促し、胆嚢を収縮させ胆汁を放出させる働きがある。(p.84 コレシストキニン)


問題32 上位ホルモンによる階層支配を受けるのはどれか。

1 アドレナリン
2 サイロキシン
3 カルシトニン
4 オキシトシン

解答 2

1 交感神経節前線維 → 副腎髄質 → アドレナリン(p.143 副腎髄質ホルモン-分泌調節)
2 視床下部 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン (TRH) → 下垂体前葉 甲状腺刺激ホルモン (TSH) → 甲状腺 サイロキシン (T4)(p.138 図8-7 甲状腺ホルモンの作用と分泌調節, p.139 甲状腺ホルモン-分泌調節)
3 血中Ca2+濃度上昇 → 甲状腺傍濾胞細胞 → カルシトニン(p.292 血漿Ca2+濃度が上昇したとき)
4 乳頭吸引刺激 → 下垂体後葉 → オキシトシン(p.138 オキシトシン)


問題33 性周期の黄体期に起こるのはどれか。

1 卵胞の成熟
2 子宮内膜の脱落
3 黄体形成ホルモンの増加
4 基礎体温の上昇

解答 4

性周期 (p.155 性周期)

卵胞周期:卵胞期    →   排卵 → 黄体期
月経周期:月経期 →  増殖期  → 分泌期
1 卵胞期 → 卵胞の成熟
2 月経期 → 子宮内膜の脱落
3 排卵直前(増殖期後期) → 黄体形成ホルモンの増加
4 黄体期(分泌期) → 基礎体温の上昇


問題34 拮抗抑制の求心路を形成するのはどれか。

1 Ia群線維
2 Ib群線維
3 II群線維
4 III群線維

解答 1

伸張反射(p.233-234 伸張反射)
(大体四頭筋など)伸展刺激が筋紡錘を刺激する → Ia群求心性神経が興奮 → 後根より脊髄に入り、前角にある同筋のα運動ニューロンに興奮性に伝わる (単シナプス反射) → 同筋の筋収縮 (伸張反射)

拮抗抑制(p.235 拮抗抑制)
(大体四頭筋など)伸展刺激が筋紡錘を刺激する → Ia群求心性神経が興奮 → 後根より脊髄に入り、** 抑制性介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑制 (多シナプス反射) → 拮抗筋を支配するα運動ニューロンの活動は抑制される (拮抗抑制**)


問題35 生体警告系の仕組みとして適切なのはどれか。

1 慢性痛
2 関連痛
3 屈曲反射
4 腹壁反射

解答 3

急性痛は生体警告系としての役割がある。上記のうち、急性痛に関わるものは屈曲反射のみである。(p.260 急性痛と慢性痛)

侵害刺激を自由神経終末が感知 → 速い痛み( Aδ) → 後根より脊髄に入り、脊髄内で上下に広がり、 数髄節にわたって介在ニューロンを活動させる。 (髄節間反射弓) → 侵害刺激から遠ざかるのに必要な複数の筋群のα運動ニューロンが興奮 → 屈筋群が収縮し、足をひっこめる。(屈曲反射)

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