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2014年 第22回 はり師・きゅう師 (鍼灸師) 国家試験 解剖学 問題15〜30 解答

目次

2014年 第22回 はり師・きゅう師 (鍼灸師) 国家試験 解剖学 問題15〜30 解答

勉強のコツ
一つひとつの用語を大切にしてください。その問題にでてくる用語を見て、イメージができ、どんなものであるのかわかれば、その用語に関しては理解できています。しかし、用語の意味が曖昧であるならば、その問題の理解はできているとは言えません。ひとつひとつの用語の意味がわかるかどうか。わからなければ必ず教科書を開いて、その章と周りを読んでみる。その繰り返しで理解が進みます。教科書の該当ページを書いてあるので効率良く利用してください。

問題15 腹膜を形成する上皮で正しいのはどれか。

1 移行上皮
2 円柱上皮
3 線毛上皮
4 扁平上皮

解答 4

腹膜は、胸膜・心膜とともに漿膜という滑らかな表面を持つ単層扁平上皮よりなる。その表面は光沢があり、常に少量の漿液で湿って摩擦が軽減されているので、互いに擦れ合っても傷つくことはない。(p.87 腹膜)

外皮・中皮・内皮について

外皮:体表をおおう皮膚重層扁平上皮
内皮血管リンパ管心内膜など液体が循環する腔の内面をおおう(単層扁平上皮
中皮胸膜腹膜漿膜性心膜など、体腔(胸膜腔、腹膜腔、心膜腔)の内面をおおう(単層扁平上皮

※ 中皮と内皮は単層扁平上皮

1 移行上皮腎杯・腎盂・尿管・膀胱尿路)にみられる。
2 (単層)円柱上皮は消化器系(胃・小腸・大腸)、卵管・子宮などに見られる。
3 線毛上皮
単層円柱線毛上皮は卵管に見られる。
多列線毛上皮は鼻腔・喉頭・気管・気管支気道)にみられる。
4 扁平上皮中皮(胸膜・腹膜・心外膜(漿膜性心膜))内皮(血管内皮・リンパ管内皮・心内膜)肺胞などにみられる。


問題16 発生について正しいのはどれか。

1 受精は子宮内で起こる。
2 着床は胚盤胞の段階で起こる。
3 受精後4週目以降を胎児と呼ぶ。
4 胎児の臍動脈と母体の子宮動脈はつながっている。

解答 2

1 受精は卵管膨大部で起こる。 (p.104 受精)
2 ◯ 着床は胚盤胞の段階で起こる。 (p.104 着床)
3 受精後8週までを「胚子」とよび、9週以降を「胎児」 と呼ぶ。(妊娠第8週目以降を胎児と呼ぶ) 《人体の正常機能と構造 p.444 受精卵は約280日間で急成長する》
4 胎児の臍動脈は胎盤の絨毛内の毛細血管に分岐する。一方、絨毛間腔は子宮動脈からの母体の血液で満たされている。ここでガス交換や栄養摂取が行われるが、 母体と胎児の血液が混じり合うことはない(p.106 絨毛と脱落膜, 注)物質交換)

発生学と臨床での胎齢表記の違いについて

ヒトの発生過程は、受精卵が子宮内膜に着床し細胞分裂を繰り返す胚子前期(受精後2週目まで)、胚葉が分化し器官形成がほぼ完了する胚子期(受精後3〜8週)、各器官が発育・成長する胎児期(受精後9週〜出生まで)に分けられる。発生学では受精後の日数または週数で胎齢を表し、「胎生第◯週」などと表現する。
これに対し臨床では、最終月経の第1日目から起算した満週数と満日数で妊娠期間を表す。妊娠月数で妊娠期間を表すこともあり、この場合はかぞえで表現する。最終月経初日から28日間が「妊娠1ヵ月」で、以後28日ごとに月を重ねる。妊娠4ヵ月までを妊娠初期、妊娠5〜7ヵ月を妊娠中期、妊娠8ヵ月以降を妊娠末期に区分する。
分娩予定日は最終月経初日より満280日(満40週0日)である。 (人体の正常機能と構造 p.444 受精卵は約280日間で急成長する)


問題17 頭蓋の骨で茎状突起があるのはどれか。

1 頬骨
2 上顎骨
3 側頭骨
4 蝶形骨

解答 3

茎状突起は側頭骨・橈骨・尺骨にある。(p.181 図10–21 前腕骨)
(p.200 図10–41 頭蓋の右側面, 図10–43 側頭骨)


問題18 腹部の筋について正しいのはどれか。

1 浅鼠径輪は鼠径靭帯の下に開く。
2 白線は腹直筋鞘が正中で合してつくられる。
3 精巣挙筋は外腹斜筋の最下端部の筋束よりなる。
4 鼠径靭帯は内腹斜筋の停止腱膜の肥厚したものである。

解答 2

1 浅鼠径輪は鼠径靭帯の上に開く。(P.227 鼠径管)
2 ◯ 白線は腹直筋鞘が正中で合してつくられる。
腹直筋の前面と後面は、腹直筋鞘 (前葉と後葉) におおわれる。この筋鞘は側腹筋である外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の停止腱膜が正中線近くで癒合してつくられる。左右両側の腹直筋鞘の線維は正中線上で互いに交差癒合し、剣状突起から恥骨結節まで続く強い紐状の白線を作る(p.215 腹直筋)

3 精巣挙筋は内腹斜筋の最下端部の筋束よりなる。(p.215 内腹斜筋)
4 鼠径靭帯は外腹斜筋の停止腱膜が肥厚して靭帯となって上前腸骨棘と恥骨結節との間に張ったもの。(p.217 鼠径靭帯と鼠径管, P.218 図10–68 鼠径管をつくる3つのアーチ)


問題19 上肢の伸筋支帯下の6つの管と通過する腱との組合せで正しいのはどれか。

1 第1管 ―――― 長母指伸筋の腱
2 第2管 ―――― 長母指外転筋の腱
3 第4管 ―――― 短母指伸筋の腱
4 第5管 ―――― 小指伸筋の腱

解答 4

伸筋支帯下の6つの管

橈骨と尺骨の背側下部 (腕時計をする位置) には、伸筋支帯という靭帯性のバンドが張っており、手背に至る前腕伸筋腱を押さえている。これによって、指を伸展させたときに、腱が手首に浮かび上がらないようになっている。伸筋支帯と橈骨・尺骨との聞には、伸筋の腱を通す6つのトンネルがある。各トンネルの問では伸筋支帯の一部が骨に密着して、となり合う腱トンネルを仕切る区画(腱区画)をなす。伸筋腱はそれぞれの腱区画ごとに個別の腱鞘に包まれており、運動時の摩擦を軽減させる。腱区画に仕切られたトンネルを橈側から順に列挙する。(p.257 伸筋支帯)

第1菅:長母指外転筋と短母指伸筋
第2菅:長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋
第3菅:長母指伸筋
第4菅:総指伸筋と示指伸筋
第5菅:小指伸筋
第6菅:尺側手根伸筋


問題20 腸脛靭帯について正しいのはどれか。

1 下前腸骨棘に付着する。
2 大殿筋が停止する。
3 大腿の内側面にある。
4 下腿筋膜が肥厚したものである。

解答 2

大腿をおおう大腿筋膜は、大腿の外側面で特に肥厚して腸脛靭帯をつくる。この靱帯は腸骨稜から下に向かって垂直に走り脛骨の外側顆に至る、帯状の強力な靱帯である。
大殿筋は腸脛靭帯を緊張させる。腸脛靭帯の緊張により関節が伸展位で固定され、体幹の直立位が維持される。(p.266 大殿筋)
大腿筋膜張筋も腸脛靭帯に停止し、これを牽引することで膝関節の伸展を助ける。(p.268 中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋)

1 腸骨稜〜脛骨外側顆に付着する。
2 ○ 大殿筋大腿筋膜張筋が停止する。
3 大腿の外側面にある。
4 大腿筋膜が肥厚したものである。


問題21 喉頭の軟骨のうち対をなすのはどれか。

1 喉頭蓋軟骨
2 甲状軟骨
3 披裂軟骨
4 輪状軟骨

解答 3

1 喉頭蓋軟骨弾性軟骨。食べ物が喉頭内に入るのを防ぐ。 (p.65 喉頭軟骨)
2 甲状軟骨喉頭隆起 (のど仏) を形成。甲状軟骨上縁の高さ総頚動脈が内頚動脈と外頚動脈に分岐する高さ。 (p.65 喉頭軟骨, p.46 上行大動脈および大動脈弓とその枝)
3 披裂軟骨対をなす。披裂軟骨に付着する筋の作用により、声帯の開き具合が調節され、発声が行われる。 (p.65 喉頭軟骨, 声帯)
4 輪状軟骨喉頭の土台をなす指輪型の軟骨。第6頚椎の高さ。 (p.65 喉頭軟骨)


問題22 腎臓について誤っているのはどれか。

1 脂肪被膜で包まれる。
2 右腎は左腎より低い。
3 腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。
4 傍糸球体細胞からアルドステロンが分泌される。

解答 4

1 脂肪被膜で包まれる。
腎臓を直接おおうのは、線維性の腎被膜 (線維被膜)。その外側を脂肪被膜がおおい、さらにそのまわりを腎筋膜がおおう。(p.90 腎臓)

2 右腎は左腎より低い。
上方に肝臓があるため、右腎のほうが左腎より1/2腰椎分低い(p.90 腎臓)

3 腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。
腎小体=糸球体+ボーマン嚢皮質に存在(p.90 腎臓の構造-組織構造)
ネフロン=腎小体+尿細管集合管はネフロンには含まれない(p.92 腎臓の構造-組織構造)

4 傍糸球体細胞からアルドステロンレニンが分泌される
(p.93 傍糸球体装置)


問題23 顎動脈の枝はどれか。

1 中硬膜動脈
2 顔面動脈
3 後頭動脈
4 舌動脈

解答 1

  • 外頚動脈
    上甲状腺動脈、舌動脈、顔面動脈を前方に分岐し、後方へは後頭動脈などを分岐しながら上行し、顎関節の下方で最終枝の顎動脈と浅側頭動脈に分かれる。
  • 顎動脈
    側頭下窩で各咀嚼筋への枝、下顎骨への枝、中硬膜動脈そして頬動脈などを分岐したのち、翼口蓋窩に入る。ここで鼻腔や眼窩、口蓋や上顎骨の各部への枝に分かれる。上顎の歯や歯槽、歯肉への枝も出す。蝶形骨の棘孔を通る中硬膜動脈は広い範囲の脳硬膜と脳頭蓋の骨を栄養する。
  • 外頚動脈の枝(解剖学講義 p.602)
  • 上甲状腺動脈
  • 上行咽頭動脈
  • 舌動脈
  • 顔面動脈
  • 上行口蓋動脈
  • オトガイ下動脈
  • 下唇動脈・上唇動脈
  • 眼角動脈
  • 後頭動脈
  • 後耳介動脈
  • 浅側頭動脈
  • 顎動脈
  • 顎関節の内側で起こる枝
  • 中硬膜動脈
  • 下歯槽動脈
  • 側頭下窩で起こる枝
  • 咀嚼筋枝
  • 深側頭動脈
  • 翼口蓋窩で起こる枝
  • 後上歯槽動脈
  • 眼窩下動脈
  • 下行口蓋動脈
  • 翼突管動脈
  • 蝶口蓋動脈

※ 外頚動脈は頚部で枝をたくさん出すし、顎動脈の枝もたくさんある。全部覚えるのが大変であれば、是非抑えて欲しいのは、「内頚動脈は頚部ではいっさい枝をださない」「中硬膜動脈は顎動脈の枝である」という点であろう。そして鎖骨下動脈の直接の枝「ツナコロッケ(椎骨動脈・内胸動脈・甲状頚動脈・肋頚動脈)以外の、頚部にある動脈はほぼ外頚動脈の枝であろうと推測しても良い。


問題24 上肢の動脈の経路について正しいのはどれか。

1 橈骨動脈は手根管を通る。
2 腋窩動脈は外側腋窩隙を通る。
3 上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。
4 尺骨動脈は上腕骨内側上顆の後ろを通る。

解答 3

1 橈骨動脈は手根管を通らない。(p.256 図10–104 手根管)

  • 手根管を通るもの
  • 長母指屈筋・浅指屈筋・深指屈筋正中神経
    橈側手根屈筋は屈筋支帯を貫いて途中から屈筋支帯の深層に潜る。鍼灸の第2回国家試験で手根管を通るものとして橈側手根屈筋が選択肢に出されたことがある。(第2回 鍼灸師 問題32)
  • 手根管を通らないもの
  • 尺骨神経・尺骨動脈・・・屈筋支帯の浅層の尺骨神経管 (ギヨン管) を通る
  • 長掌筋・・・屈筋支帯の浅層(上)を通る

問題の橈骨動脈だが、解剖学的嗅ぎたばこ入れを通り手背側(大菱形骨と第1中手骨の背側)へと回り深掌動脈弓へと移行する。(手根管と長掌筋腱・ギヨン管は手掌側、橈骨動脈は手背側)(この図がわかりやすい:プロメテウス運動器系 p.354 掌動脈弓の手根および指の腱鞘に対する関係)

2 腋窩動脈 腋窩神経は外側腋窩隙を通る。(p.254 上枝の局所解剖 – 腋窩)

腋窩神経は三角筋や小円筋を支配するので、外側腋窩隙より表面に出て同筋へと分布する。(p.263 図10–110 腋窩神経と橈骨神経)

通路 通過する構造
内側腋窩隙 肩甲回旋動脈
外側腋窩隙 後上腕回旋動脈と腋窩神経
三角筋裂孔 上腕深動脈と橈骨神経

鎖骨下動脈が第1肋骨外側縁を通り過ぎ、腋窩動脈に移行する。腋窩動脈は腋窩を通過し、腋窩の下縁(大胸筋の下縁)を過ぎて、上腕動脈へと移行する。(p.257〜258 上枝の動脈)

3 ○上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。(p.254 上腕筋間中隔)

筋と筋の聞には、線維性結合組織の筋膜が存在して筋を区分しているが、屈筋群と伸筋群の間のように対立する筋群の聞には、特に肥厚した筋膜の層が区画する。これを筋間中隔という。上腕部では、上腕骨体の内側縁および、外側縁に沿って内・外側上頼までの間で、発達して認められる(内側・外側上腕筋問中隔)。これらの筋問中隔は上肢の血管・正中神経・尺骨神経・橈骨神経を導く通路になる。

内側上腕筋問中隔の内側端は上腕二頭筋の内側縁に続き、内側二頭筋溝という。この溝に沿って正中神経と上腕動静脈が走る。また内側上腕筋間中隔の後方には尺骨神経が走る。外側上腕筋間中隔には橈骨神経が貫通する。

4 尺骨動脈 尺骨神経は上腕骨内側上顆の後ろを通る。

上腕動脈は正中神経とともに内側二頭筋溝の下端で上腕二頭筋の停止腱膜の下をくぐって肘窩に入り、橈骨動脈と尺骨動脈に分かれる(p.258 上肢の動脈)

尺骨神経は上腕部では屈筋と伸筋の間にある内側上腕筋間中隔の後方を走り、そのまま上腕骨の内側上顆の後方を通る。内側上顆の後面には、尺骨神経が骨に接する部分に尺骨神経溝が生じる。体表から肘頭と内側上顆の間のくぼみを探ると、触れたときに不快感を覚えるコリッとした尺骨神経がわかる。(p.262 尺骨神経)


問題25 下大静脈に直接注がないのはどれか。

1 肝静脈
2 腎静脈
3 脾静脈
4 腰静脈

解答 3

脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈は合して門脈となる。

胃腸や膵臓、脾臓から集められた静脈は、門脈として肝臓の中に導かれて肝組織で毛細血管に流れたのち、再び肝静脈を経て下大静脈に注ぐ。(p.50 門脈系)

下大静脈に直接注ぐ枝はさほどない。脾臓や消化管からの静脈は上記の通り門脈に集まり肝臓に向かうからだ。下大静脈に直接注ぐものもしっかり覚えよう。

  • 下大静脈に直接注ぐ枝(p.49)
    第5腰椎の高さで左右の総腸骨静脈が合わさり下大静脈となる。
  • 腰静脈
  • 腎静脈
    下大静脈が右側を走っているので、右の腎静脈は短く、左の腎静脈は長い
  • 右性腺静脈(右精巣静脈, 右卵巣静脈)
    左性腺静脈は左腎静脈に注ぐ
  • 肝静脈

問題26 内包が通るのはどれか。

1 尾状核とレンズ核の間
2 淡蒼球と被殻の間
3 被殻と前障の間
4 前障と島の間

解答 1

内包は運動野から下行する線維と視床から各種の感覚野へ上行する線維とが合わさりつくられる投射線維である。

  • 内包は視床と大脳基底核の間に挟まれる(p.128 大脳の白質)
  • 尾状核と被殻を合わせて線条体と呼ばれる。両者は同一の核であったが、内包の神経線維の発達により隔てられ2つに分かれたもの。(p.127 大脳基底核)

ここで大脳基底核について
解剖学で大脳基底核とは、「大脳白質の中に埋もれた灰白質の塊」のことで、被殻・尾状核・淡蒼球・扁桃体・前障の5種類ある。このうち、扁桃体は大脳辺縁系に属するもので、前障は島皮質が分離したものと考えられている。上記のうち、運動の調節に関与するものは被殻・尾状核・淡蒼球の3つである。

被殻・尾状核・淡蒼球は組み合わせにより別名が存在する。これが重要

  • 被殻+尾状核=線条体
    もともと同一のものであったが、内包の発達により隔てられた
  • 被殻+淡蒼球=レンズ核
    発生は別。脳の断面図にてレンズのような形に見える(wifiのマークのような形)
    レンズ核と視床の間を内包が通過する。

よって、内包は尾状核・レンズ核・視床の間を通過する。(p.124 図8–7 脳の断面, p.132 図8–11 伝導路)


問題27 舌咽神経と関連するのはどれか。

1 毛様体神経節
2 翼口蓋神経節
3 顎下神経節
4 耳神経節

解答 4

1 毛様体神経節:動眼神経 III(p.310 動眼神経)
動眼神経副核 → 動眼神経 III → (上眼窩裂) → 毛様体神経節 → 瞳孔括約筋・毛様体筋
2 翼口蓋神経節:顔面神経 VII(p.312 顔面神経)
上唾液核 → 中間神経 VII → (内耳孔) → 大錐体神経 → 翼口蓋神経節 → 涙腺・鼻腺
3 顎下神経節:顔面神経 VII(p.312 顔面神経)
上唾液核 → 中間神経 VII → (内耳孔) → 鼓索神経 → 顎下神経節 → 顎下腺・舌下腺
4 耳神経節:舌咽神経 IX(p.313 顔面神経)
下唾液核 → 舌咽神経 IX → (頚静脈孔) → 耳神経節 → 耳下腺


問題28 腕神経叢の後神経束から分かれるのはどれか。

1 横隔神経
2 長胸神経
3 胸筋神経
4 胸背神経

  • 腕神経叢(p. 259 腕神経叢の構成)
    腕神経叢はC5〜T1の前枝で構成される。これらの神経根は合流し3つの神経幹をつくる。
  • 上神経幹 (C5, C6)
  • 中神経幹 (C7)
  • 下神経幹 (C8, T1)

それぞれの神経幹は前後に大きく2分岐する。

  • 外側神経束
    上神経幹と中神経幹からの前方枝
  • 内側神経束
    下神経幹からの前方枝
  • 後神経束
    各神経幹からの後方枝

外側神経束と内側神経束はともに腕神経叢の前方部分をなす神経束としてさらに合流し、Mの字を横にしたようなワナ(ループ) を構成する。このワナからは、主に3本の枝が分かれる。M字ワナの中心では、外側神経束の枝と内側神経束の枝が交通しあって正中神経が出る。正中神経の外側で外側神経束から分かれるのは筋皮神経である。一方、正中神経の内側で内側神経束から分かれるのは尺骨神経および内側前腕皮神経と内側上腕皮神経である。このM字ワナは正中神経を中心としているので正中神経ワナとも呼ばれ、筋皮神経・正中神経・尺骨神経は上肢の前面(上腕・前腕・手それぞれの屈筋と皮膚)を支配する神経にあたる。

後神経束は上・中・下の各神経幹からの後方枝が合わさってできる太い神経束で、腋窩の後壁である上肢帯の筋に向かって、腋窩神経・肩甲上神経・肩甲下神経・胸背神経を次々と分岐する。そして上肢帯への枝を出し終えると橈骨神経に移行して上肢の後面 (上腕・前腕の伸筋と皮膚) を支配する。


問題29 腰神経叢の枝で筋裂孔を通るのはどれか。

1 陰部大腿神経
2 外側大腿皮神経
3 腸骨下腹神経
4 閉鎖神経

解答 2

1 陰部大腿神経の陰部枝は鼠径管を通る。大腿枝は血管裂孔を通る。
2 ○ 外側大腿皮神経は筋裂孔を通る。
3 腸骨下腹神経は腸骨稜の直上に外側皮枝、下腹部に前皮枝を出す。
4 閉鎖神経は閉鎖孔を通る。

腰神経叢の枝(p.290 腰神経叢)

問題30 眼について正しいのはどれか。

1 黄斑の中央部を視神経円板という。
2 水晶体と虹彩の間の空間を前眼房という。
3 角膜と強膜の境界部にシュレム管がある。
4 網膜の色素上皮層は単層円柱上皮よりなる。

解答 3

1 黄斑の中央部を中心窩という。
視神経円板は視神経が出て行く部位で、視細胞が存在しないため光を感じない。視神経円板の4mm外側には黄斑があり、その中央部はくぼんで中心窩といわれる。物を注視するときに焦点の合う場所で、視力の最も良いところである。(p.150 眼球壁の内側(網膜), 図9–2 検眼鏡で見た網膜の血管像)

2 水晶体と虹彩の間の空間を後眼房という。
角膜と虹彩の間を前眼房虹彩と水晶体の間を後眼房といい、眼房水で満たされている。(p.151 眼房と眼房水)

3 ○ 角膜と強膜の境界部にシュレム管がある。
眼房水毛様体上皮から分泌され、後眼房から瞳孔を経て前眼房へと流れ、角膜と強膜の境界部にある強膜静脈洞 (シュレム管) から眼静脈へ吸収される。(p.151 眼房と眼房水)

4 網膜の色素上皮層は単層立方上皮よりなる。
<網膜の最内層> 神経節細胞層 – 双極細胞層 – 視細胞層 – 色素上皮層 <網膜の最外層> – 脈絡膜 – 強膜
網膜の最外層には単層立方上皮よりなる色素上皮層があり、細胞は暗褐色の色素顆粒を含み、光の乱反射を防ぐとともに視細胞の機能維持に役立っている。(p.150 眼球壁の内層 (網膜), p.149 図9–1 眼球の構造)


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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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