下腿の筋で外果後方を通るのはどれか (2012年 あマ指 問題21)
1 × 前脛骨筋:伸筋支帯の下、足関節前面を通過する
下腿前面の筋 (伸筋群)は、上伸筋支帯・下伸筋支帯の下を通過する。(p.276 図10–127 足の筋と支帯)
2 × 後脛骨筋:屈筋支帯の下、内果の後ろの足根管を通過する
3 × 長指屈筋:屈筋支帯の下、内果の後ろの足根管を通過する
下腿後面の筋のうち、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋は内果と踵骨の間に張る屈筋支帯の下を通過する。(p.279 後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋)
4 ○ 長腓骨筋:腓骨筋支帯の下、外果の後ろを通過する
下腿外側面の筋 (腓骨筋群)は、外果の後ろで上腓骨筋支帯と下腓骨筋支帯の下を通過する。(p.277 図10–128 下腿外側面の筋)
下腿の筋が足部に向かう際に下腿三頭筋以外の筋は3つの支帯の下を通過する。この3つの支帯と筋との関連を理解すれば、下腿~足部にかけての筋のイメージができてくる
上伸筋支帯と下伸筋支帯の下を通過する筋
上伸筋支帯と下伸筋支帯は足首の前面をおおい、下腿前面の伸筋腱を押さえている。(p.275 下腿前面の筋(伸筋群))
- 前脛骨筋
脛骨外側面、下腿骨間膜より下方に向いた腱となり、上下の伸筋支帯の下を通り、足背に出て内側楔状骨と第1中足骨の下面につく。足の背屈かつ内反をする。深腓骨神経の枝をうける。- 長母指伸筋
腓骨内側面、下腿骨間膜より起こり腱は上下の伸筋支帯の下を通り、足背に出て母指末節骨につく。母指をのばし足の背屈を行う。深腓骨神経の枝をうける。- 長指伸筋
腓骨内側面、下腿骨間膜、脛骨の外側顆から起こり、下方に向かい途中で腱となり、伸筋支帯の下で4分して足背に出て、第2~第5指の中節骨と末節骨につく。第2~第5指をのばし、また足の背屈を行う。深腓骨神経の枝をうける。- 第三腓骨筋
長指伸筋の分かれたもので、前下腿筋間中隔より起こり、伸筋支帯の下を通り、足背に出て第5中足骨底背側につく。足を外反し、また背屈を行う。深腓骨神経の枝をうける。腓骨筋支帯の下を通過する筋
長腓骨筋と短腓骨筋は腓骨の外側にあり、伸筋群や屈筋群とは前・後下腿筋間中隔により境される。腓骨筋群は足関節の底屈を行うほか、外反をする主要な筋である。長・短腓骨筋の腱は外果の後ろで上腓骨筋支帯と下腓骨筋支帯により保持される。長腓骨筋の腱は外果後方をまわったあと足底深層を外側から内側へ横断して、前脛骨筋と同じ内側楔状骨、第1中足骨底に停止する。
長腓骨筋は底屈と外反、前脛骨筋は背屈と内反という互いに拮抗する作用を行う。平坦でない道を歩くとき、足底を地面にうまく接触させるために外反と内反の微妙な調節が必要である。 (p.277 下腿外側面の筋(腓骨筋群))屈筋支帯の下を通過する筋
後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋の3屈筋は下腿後面の深層にあり、それらの腱は脛骨の内果の後側を回って足底に達する。内果と踵骨の間を橋渡しする屈筋支帯により、屈筋腱は保持される。
後脛骨筋は、足を強く内反する。また、縦足弓(足の縦アーチ)の内側部を高く保つ働きがある。
長母指屈筋は母指を屈曲させ、長指屈筋は第2~5指を屈曲させる。両筋とも足関節の底屈、内反に加わり、また縦足弓の維持を助ける。 (p.277 下腿後面の筋(屈筋群))内果と踵骨の間で、屈筋支帯により囲まれた部位を足根管といい、後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋の他に、脛骨神経と後脛骨動脈・静脈が通過する。
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