筋層間神経叢 (アウエルバッハ) と粘膜下神経叢 (マイスネル) 【関連問題付き】

note 解剖学マガジン

ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

かずひろ先生の解剖学マガジンのポイント
1 とにかく図が豊富
2 解説、一問一答、国試過去問で効率良く学べる
3 ポイントは表形式でまとめられ、覚えるポイントが明確
4 オンライン講座と連動。アーカイブ動画で何度でも学習できる

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消化管の壁は各部位によって差はあるが、基本的には、内側から粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜の順に配列する。消化管の壁内には、2つの神経叢がある。

Auerbach-and-Meissner.jpg

筋層間神経叢 (アウエルバッハ神経叢)

消化管壁の筋層のうち、内側の輪走筋と外側の縦走筋の2つの筋層の間に分布する神経叢。平滑筋の運動を支配し、消化管の蠕動運動に関与する

粘膜下神経叢 (マイスネル神経叢)

消化管壁の粘膜下組織に分布する神経叢。消化腺の分泌に関与する

二つの神経をあわせて壁内神経叢という

・筋層間神経叢と粘膜下神経叢を合わせて壁内神経叢と呼ぶ。
・消化管壁内にある壁内神経叢を構成する神経系は腸神経系ともよばれ、外来性の交感神経や副交感神経による調節をうけるが、腸神経系自体が消化管を支配する完全な反射回路をもっているので、脳や脊髄から指令がなくとも、独立して基本的な諸機能を果たす。(自律神経を切断しても、消化管の基本的な運動は保たれる。)
・副交感神経(迷走神経)は節前線維が分布し、交感神経は主に節後線維が分布する。

壁内神経叢の異常

ヒルシュスプルング病

アウエルバッハ神経叢とマイスナー神経叢の先天的な欠如のため腸管拡張と腸閉塞を呈する。

食道アカラシア

食道の平滑筋に分布しているアウエルバッハ神経叢の変性ないし消失。食道下端1〜4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大をきたす食道運動障害疾患である。

※ ヒルシュスプルング病は、先天的に腸管の神経叢が欠如した疾患であるのに対し、食道アカラシアは後天的に神経叢に異常が生じたもの。

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小腸で誤っているのはどれか (1999 第34回 理作 問題17)

1 大十二指腸乳頭は総胆管と膵管の開口部である
2 空腸と回腸は腸間膜で固定されている
3 小腸の壁の粘膜は半月ヒダである
4 筋層の間や粘膜下組織に神経叢がある
5 腸腺は絨毛の間に開口する

解答 3
○ 1 大十二指腸乳頭は総胆管と膵管の開口部である:(ファーター乳頭。開口部にオッディ括約筋がある)
○ 2 空腸と回腸は腸間膜で固定されている (胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・脾臓・卵巣・卵管が腹膜内臓器。そのうち、胃は胃間膜、空腸・回腸・横行結腸・S状結腸は腸間膜をもつ)
× 3 小腸の壁の粘膜は輪状ヒダがある。半月ヒダは結腸の粘膜ヒダ。
○ 4 筋層の間や粘膜下組織に神経叢がある。筋層間神経叢(アウエルバッハ神経叢)、粘膜下神経叢(マイスネル神経叢)
○ 5 腸腺は絨毛の間に開口する。十二指腸に見られる十二指腸腺 (ブルンネル腺) はアルカリ性粘液を分泌し、小腸全体に分布する腸腺 (リーベルキューン腺) は腸液を分泌する。腸腺の基底部にはパネート細胞が見られ、中に顆粒をもつ。

回腸にみられないのはどれか (2006 第14回 柔整 問題18)

1 オッディの括約筋
2 リーベルキューン腺
3 パイエル板
4 アウエルバッハの神経叢

解答 1
× 1 オッディの括約筋:十二指腸下行部の大十二指腸乳頭 (ファーター乳頭) の開口部に存在。胆汁と膵液の分泌調節を行
○ 2 リーベルキューン腺:小腸全体に分布する。小腸の絨毛の間の腸陰窩に開口し、腸液を分泌する。
○ 3 パイエル板:回腸下部にみられる集合リンパ小節。
○ 4 アウエルバッハの神経叢:消化管の基本構造。筋層内側の輪走筋と外側の縦走筋の2つの筋層の間に存在する。筋層間神経叢。

消化管においてアウエルバッハ神経叢があるのはどれか (2015年 第23回 あマ指 問題18)

1 粘膜筋板と輪走筋層の間
2 縦走筋層と漿膜の間
3 粘膜上皮と粘膜筋板の間
4 輪走筋層と縦走筋層の間

解答 4
× 1 粘膜筋板と輪走筋層の間:粘膜下神経叢 (マイスネル神経叢) が存在。腺の分泌を調節する。
× 2 縦走筋層と漿膜の間
× 3 粘膜上皮と粘膜筋板の間
○ 4 輪走筋層と縦走筋層の間:筋層間神経叢 (アウエルバッハ神経叢) が存在。消化管の蠕動運動を調節する。


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