脊髄について正しい記述はどれか (2012年 あマ指 問題29)

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ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

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脊髄について正しい記述はどれか (2012年 あマ指 問題29)

1 × 灰白質には神経線維束が多い。
灰白質には神経細胞体が多い。
中枢神経で神経細胞の細胞体の多い場所は灰色がかって見えるので灰白質、神経線維の集まっている場所は白く見えるので白質と呼ばれる。また広い白質の中に神経細胞がかたまりをなして集まっている場所は神経核 (または単に 核) と呼ばれる。(p.116 灰白質と白質)

2 × 後角には運動神経細胞が集まっている。
後角には感覚神経細胞が集まっている。
脊髄の横断面で、H字形をした灰白質の前方への突出部は前角、後方への突出は後角、胸髄では両者の中間で側方へ小さな側核が突出する。前角には骨格筋を支配する大型の運動神経細胞が集まり、その軸索は束となって前根を通り脊髄神経に加わる。後角には、後根として脊髄に入ってくる感覚性の神経線維を受ける感覚神経細胞が集まる。(p.120 脊髄の内部構造)

3 × 脊髄円錐は仙骨の高さにある。
脊髄は長さが約40cm、太さが約1cmの円柱形の器官で、椎骨が積み重なってできた脊柱管の中におさまる。下端は円錐状に細くなり (脊髄円錐) 、第1~2腰椎の高さに終わる。脊髄の長さが脊柱管に比べて短いのは、脊髄の成長が脊柱の成長よりも早く終わってしまうからである。
脊髄円錐より下部は脊髄神経の根糸が束になって下方に走り、馬尾と呼ばれる末梢神経である。(p.118 脊髄, 注)馬尾)

4 ○ 自律神経線維は前根を通る。
側角は内臓運動や腺の分泌を調節する自律神経細胞 (胸髄は交感神経性、仙髄は副交感神経性) の集まりからなり、軸索は前根を通り脊髄神経に加わる。(p.120 脊髄の内部構造)

※ 解剖学で自律神経といった場合は、一般臓性遠心性 (GVE)に属する交感神経と副交感神経のみを指す。(よって、解剖学の教科書には内臓求心性神経の記述はない)
一方、生理学は働きで考えるので、自律神経も求心性と遠心性に区別して考える。一般臓性求心性 (GVA) は内臓求心性神経といい、後根から脊髄に入力する。
(生p.203 内臓求心性神経)


脊髄は長さが約40cm、太さが1cm前後の円柱形の器官で、椎骨が積み重なってできた脊柱管の中におさまる。下端は円錐状に細くなり(脊髄円錐)、第1~2腰推の高さに終わる。脊髄の長さが脊柱管に比べて短いのは、脊髄の成長が脊柱の成長よりも早くに終わってしまうからである。(p.118 脊髄)

脊髄の区分

脊髄神経の根は左右31対ある。根の出る椎間孔に従って、頸神経(8対)、胸神経(12対)、腰神経(5対)、仙骨神経(5対)、尾骨神経(1対)が区別される。第1頸神経は頸椎と頭蓋骨との間から出るので、椎骨の数より頸神経の数が1つ多くなる。神経根に従って脊髄も頸髄胸髄腰髄仙髄が区別されるが、人為的な区分で、各節に特別な境があるわけではない。頸髄の下半部と腰髄の上半部は太くなっていて、頸膨大および腰膨大と呼ばれ、この部分から上肢と下肢へ行く神経が出る。(p.118 脊髄の区分)

(注) 馬尾:脊髄の左右両側からは脊髄神経をつくる神経線維の束(根)が出る。上位の脊髄神経が横に向かうのに対して、下位の脊髄神経ほど、下方に位置する椎間孔に向かって下降する。特に脊髄下部から出る脊髄神経の恨糸は束になって下方に走り、馬の尾を思わせるところから馬尾と呼ばれる。

脊髄の内部構造

脊髄の横断面を見ると、H字形をした灰白質のまわりを白質が取り囲む。灰白質の中央には縦に伸びる中心管の細い穴が見える。中心管は発生初期の神経管の名残である。脊髄の正中部の前面からは前正中裂が深く落ち込み、後方正中部には後正中溝の浅い溝が走る。前面と後面の外側からは脊髄神経の前根後根が出入りする。(p.118 脊髄の内部構造)

灰白質

H字形をした灰白質の前方への突出部は前角、後方への突出は後角、胸髄では両者の中間で側方に小さな側角が突出する。前角には骨格筋を支配する大型の運動神経細胞が集まり、その軸索(突起)は束となって前根を通り脊髄神経に加わる。後角には、後根として脊髄に入ってくる感覚性の神経線維を受ける感覚神経細胞が集まる。側角は内臓運動や腺の分泌を調節する自律神経細胞(交感神経性、仙髄は副交感神経性)の集まりからなり、軸索は前根を通り脊髄神経に加わる。

白質

白質では、前索側索後索が区別される。同じような機能を持つ神経線維が集まり束となって伝導路が形成される。

(注) 脊髄病変:ウイルスによって前角の運動細胞が選択的に侵される急性灰白髄炎(小児麻痺)は主として小児を侵し、支配する上肢や下肢の筋に麻痺や萎縮を引き起こす。ワクチン接種は急激にその被害を減少させた。筋萎縮性側索硬化症 amyotrophic lateral sclerosis(A1S)は、側索を通る錐体路とその運動細胞が侵される疾患で、中年過ぎの男性に好発し、神経性筋萎絡が手、腕、肩へと広がり、呼吸筋麻癖で5年以内に死亡する。

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