4種類の舌乳頭(糸状乳頭・茸状乳頭・有郭乳頭・葉状乳頭) 【国試問題付き】

note 解剖学マガジン

ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

かずひろ先生の解剖学マガジンのポイント
1 とにかく図が豊富
2 解説、一問一答、国試過去問で効率良く学べる
3 ポイントは表形式でまとめられ、覚えるポイントが明確
4 オンライン講座と連動。アーカイブ動画で何度でも学習できる

解剖学マガジン|note

 

舌の外観と舌乳頭の種類

舌は分界溝を境にして前2/3の舌体、後ろ1/3の舌根に分けられる。

舌乳頭

舌背粘膜には4種類の舌乳頭が存在する。

structure-of-the-tongue-and-lingual-papillae.jpg

  • 糸状乳頭
    舌苔の背面全域に存在。表層の上皮は角化し白く見える。舌をザラザラにして、食物をなめとりやすくし、また舌の感覚を鋭敏にする働きがある。糸状乳頭には味蕾が存在しない。
  • 茸状乳頭
    糸状乳頭の間に散在。生体では赤い粒として見える。味蕾が存在。
  • 有郭乳頭
    分界溝の前に8~12個ほど並ぶ大きな乳頭。側面に味蕾が存在。
  • 葉状乳頭
    舌体の側面に4~5本みられる粘膜ヒダ。 側面に味蕾が存在。

糸状乳頭

filiform-papillae-and-fungiform-papillae.jpg

舌背部の全域に分布している。
舌表面にビロード状の外観を与える。先端にある上皮の角化により舌全体が白っぽく見える。舌をざらざらにして食物を舐めとりやすくし、また舌の感覚を鋭敏にする働きがある。

茸状乳頭

舌背部で糸状乳頭の間に散在している。大きく、丸味を帯びる。上皮が角化しないので桃赤色を呈する。表面に味蕾が存在。

有郭乳頭

vallate-papillae-are-situated-in-front-of-the-sulcus-terminalis.jpg

舌根部に近く分界溝の前に1列に並ぶ8〜12個の大きな乳頭。個々の乳頭は深い溝で固まれる。この溝の側壁に多数の味蕾がある。

舌根部は全体として舌扁桃となる

分界溝より後方を舌根部といい、舌小胞という多数の膨らみからなる。内部にはリンパ小節を多数含み、舌根部全体が舌扁桃として働く。

葉状乳頭

foliate-papillae.jpg

舌体の後部側面にある、垂直に走る数条の粘膜ヒダを葉状乳頭といいます。葉状乳頭もヒダの側面に味蕾をもちます。

【関連問題】

あなたの結果を表示するためにクイズを共有 !


あなたの結果を表示するためにあなたについて教えて下さい!

舌乳頭 関連問題 I got %%score%% of %%total%% right

あなたの結果を共有する


Google+



舌について誤っている記述はどれか (2003 第11回 鍼灸 問題22)

1 糸状乳頭の上皮は角化する
2 舌根は咽頭の前壁の一部である
3 内舌筋の支配神経は舌咽神経である
4 舌扁桃は分界溝より後方にある

解答 3
○ 1 糸状乳頭の上皮は角化する
糸状乳頭のみ角化し、かつ味蕾をもちません。
○ 2 舌根は咽頭の前壁の一部である
舌根は舌の後方より咽頭のほうに落ち込んでいますので、咽頭の前壁の一部とみなすことができます。
× 3 内舌筋の支配神経は舌下神経である
舌筋の支配神経は舌下神経と覚えていたとしても、わざわざ「内舌筋の支配神経は」と限定されて問われると、「もしかして舌咽神経なのかも??」と不安になってしまうかもしれません。ですが、ここは惑わされずに「舌筋の支配神経は舌下神経」です。
○ 4 舌扁桃は分界溝より後方にある
分界溝より後方を舌根部といい、舌根部全体が舌扁桃となっています。

味蕾が存在しないのはどれか (2006 第14回 柔整 問題57)

1 糸状乳頭
2 茸状乳頭
3 葉状乳頭
4 有郭乳頭

解答 1
糸状乳頭のみが味蕾をもたず、角化しています。

舌の分界溝の前に一列に並ぶのはどれか (2006 第14回 鍼灸 問題21)

1 糸状乳頭
2 茸状乳頭
3 有郭乳頭
4 葉状乳頭

解答 3
1 糸状乳頭
舌背全面に広がり、上皮の角化により舌全体が白っぽく見えます。
2 茸状乳頭
糸状乳頭の間に散在し、大きく、丸味を帯びる。上皮が角化しないので桃赤色を呈します。
○ 3 有郭乳頭
舌根部に近く分界溝の前に1列に並ぶ812個の大きな乳頭で、個々の乳頭は深い溝で固まれます。
4 葉状乳頭
舌体の後部側面にあって、垂直に走る数条の粘膜のヒダです。

消化管で誤っているのはどれか (2011 第19回 柔整 問題43)

1 有郭乳頭は舌分界溝の前にある
2 胆汁は大十二指腸乳頭から出る
3 オッディ括約筋は胃の幽門部にある
4 パイエル板は回腸にある

解答 3
○ 1 有郭乳頭は舌分界溝の前にある
有郭乳頭は分界溝の前に並んでいます。特徴のある部位に存在するのでよく問題に出されます。しっかり覚えておいてください。
○ 2 胆汁は大十二指腸乳頭から出る
× 3 オッディ括約筋は十二指腸下行部 大十二指腸乳頭にある
総胆管と主膵管が合わさり十二指腸下行部の大十二指腸乳頭 (ファーター乳頭) に開口します。大十二指腸乳頭の開口部にはオッディ括約筋があり、胆汁と膵液の分泌調節を行っています。
○ 4 パイエル板は回腸にある
パイエル板 (集合リンパ小節) があるのは回腸のみで、孤立リンパ小節は小腸全域にあります。これも非常によく出題されますので、確実に覚えておいてください。


[kanren postid=””]


note 解剖学マガジン

ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

かずひろ先生の解剖学マガジンのポイント
1 とにかく図が豊富
2 解説、一問一答、国試過去問で効率良く学べる
3 ポイントは表形式でまとめられ、覚えるポイントが明確
4 オンライン講座と連動。アーカイブ動画で何度でも学習できる

解剖学マガジン|note

 

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

スポンサードリンク
PAGE TOP