寛骨の構造

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ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

かずひろ先生の解剖学マガジンのポイント
1 とにかく図が豊富
2 解説、一問一答、国試過去問で効率良く学べる
3 ポイントは表形式でまとめられ、覚えるポイントが明確
4 オンライン講座と連動。アーカイブ動画で何度でも学習できる

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寛骨

寛骨は腸骨、恥骨、坐骨の3つの骨が癒合してできる。思春期まではこの3つの骨はY字軟骨により結合しているが、成人ではY字軟骨は癒合し骨化して1つの寛骨となる。 このY字軟骨の会合部は寛骨臼の中心部にある。寛骨臼には三日月型の関節面(月状面)があり、大腿骨頭と関節をつくる。月状面に囲まれた部位を寛骨臼窩があり、大腿骨頭靭帯が付着する。

腸骨:寛骨の上部をつくる。上部の腸骨翼と下部の腸骨体に分けられる。

  • 腸骨翼
  • 腸骨稜:腸骨翼の上縁。左右の腸骨稜の上端を結ぶラインをヤコビー線(Jacoby line)といい、第4腰椎の高さに相当する。
  • 上前腸骨棘:腸骨稜前端の突出部分で、鼠径靱帯がつく。
  • 上後腸骨棘:腸骨稜後端の突出部分。
  • 下前腸骨棘:上前腸骨棘下方の突出部分。
  • 下後腸骨棘:上後腸骨棘下方の突出部分。
  • 腸骨窩:腸骨翼内面の凹み。腸骨筋が起始する。
  • 仙骨盤面:下方の耳状面と上方の腸骨粗面からなる。
  • 耳状面:仙骨の耳状面と関節し、仙腸関節をつくる。
  • 腸骨粗面:耳状面後面のデコボコした部分で、後仙腸靭帯が付着する。
  • 弓状線:耳状面の前縁から前下方の恥骨櫛へ向かう稜線。仙骨の岬角、腸骨の弓状線、恥骨櫛および恥骨結合上縁を通過する線を骨盤分界線といい、骨盤を上方の大骨盤と下方の小骨盤に分ける。
  • 殿筋面:腸骨の外面で、大殿筋、中殿筋、小殿筋が付着する面である。各殿筋の付着部位には前・後・下殿筋線が走る。
  • 前殿筋線:殿筋面の前上方から大坐骨切痕へ向かって走る。
  • 後殿筋線:前殿筋線の後方で、腸骨稜から下方へ走る。
  • 下殿筋線:上前腸骨棘下方から後下方へ向かって走る。
  • 腸骨体:腸骨下部の肥厚している部分を腸骨体という。寛骨臼の上の2/5をつくる。

坐骨:寛骨の後下部をつくる。坐骨体と坐骨枝に分けられる。

  • 坐骨体:坐骨上部の大きな部分で、腸骨、恥骨とともに寛骨臼を形成する。
  • 坐骨棘:後内方に向かう突起。仙棘靭帯が付着する。坐骨棘の上下には2つの切れ込み(切痕)ができる。
  • 大坐骨切痕:下後腸骨棘より坐骨棘に至る切れ込み。腸骨と坐骨にまたがってできる。仙結節靱帯と仙棘靱帯によって閉ざされて大坐骨孔となる。この孔は梨状筋が通ることによって、さらに梨状筋上孔と梨状筋下孔とに分かれる。
  • 小坐骨切痕:、坐骨棘より下方の坐骨結節に至る切れ込み。仙結節靱帯と仙棘靱帯によって閉ざされて小坐骨孔となる。
  • 坐骨結節:大腿後面の筋が起始する他、仙結節靭帯の付着部となる。座位の時に体重がかかる部分
  • 坐骨枝
  • 坐骨上枝:寛骨臼の後下方から始まり、閉鎖孔の後壁をなす。
  • 坐骨下枝:坐骨結節から前内方に進み恥骨下枝と癒合する。閉鎖孔の下壁をなす部分を恥骨下枝と合わせて、坐骨恥骨枝と呼ぶことがある。

恥骨:寛骨の前下部をつくる。恥骨体、恥骨上枝、恥骨下枝からなる。

  • 恥骨体:寛骨臼の前下部をつくる
  • 恥骨櫛:恥骨上枝の上縁を形成した恥骨櫛は延長して恥骨体の上縁となる。
  • 恥骨結節:恥骨体の上縁で恥骨櫛の前端にある小さい隆起部。
  • 恥骨稜:恥骨結節から恥骨結合面の上縁にいたる稜線。
  • 恥骨結合面:左右の恥骨の恥骨結合面が線維軟骨で結合して、恥骨結合を形成する。
  • 恥骨上枝
  • 腸恥隆起:恥骨上枝の上端で寛骨臼の前縁の隆起。
  • 恥骨櫛:恥骨上枝の上縁の部分。
  • 前閉鎖結節:閉鎖孔前縁の上部に見られる小さな結節。
  • 後閉鎖結節:閉鎖孔上縁で寛骨臼切痕との移行部に見られる小さな結節。
  • 閉鎖稜:恥骨上面で外側前方の丸みをおびた隆線。
  • 閉鎖溝:生体では閉鎖孔は閉鎖膜で覆われているが、閉鎖孔の前上部、前閉鎖結節と後閉鎖結節を結ぶ線より上では膜が欠けており、閉鎖管と呼ぶ。閉鎖管は閉鎖動静脈、閉鎖神経が通過する。閉鎖管は閉鎖溝に一致する。
  • 恥骨下枝:恥骨結合の下、閉鎖孔の下縁の前半をつくる部分。

寛骨01 前面.png

寛骨03 後面.png

寛骨02 内側面.png

寛骨04 外側面.png

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