肺について正しいのはどれか (2014年 あマ指 問題26)

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ポイントだけを暗記するのではなく、教科書を理解するための副教材の決定版。理解をすることで記憶は強固になり、忘れなくなります。 そして解剖学の理解は臨床力への豊かな土壌となります。解剖を得意科目にして将来に役立てたい。そんな方におすすめです。

かずひろ先生の解剖学マガジンのポイント
1 とにかく図が豊富
2 解説、一問一答、国試過去問で効率良く学べる
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肺について正しいのはどれか (2014年 あマ指 問題26)

1 × 右肺は23葉に分かれる。
肺葉の数は左二右三(サニウゾウ)。ちなみに心臓の房室弁の弁尖の数も左二右三だ。肺も心臓もサニウゾウって覚えると良い。(p.66 肺葉)

2 ○ 区域気管支には軟骨がある。
軟骨がなくなるのは細気管支からなので、その手前の区域気管支には軟骨がある。(p.66 肺区域)

3 × 肺尖は鎖骨と同じ高さであるの上方2~3cmまで達する。
肺尖部は鎖骨の上方2~3cmまで達する。鎖骨の上は頚部と扱うので、肺尖部は頚部まで突出する。(p.66 肺)

4 × 左右の肺の壁側胸膜に挟まれた領域を胸膜腔縦隔という。
左右の肺の壁側胸膜に挟まれた領域は縦隔である。胸膜腔は臓側胸膜と壁側胸膜に挟まれた領域で、漿液で満たされる。(p.68 縦隔)


(p.66 肺)

は胸腔のおよそ80%を占め、心臓を入れる縦隔を間に左右に分かれる。肺は円錐を縦に半分に割ったような半円錐形をしていて、下面を肺底、頂点、にあたる上端を肺尖という。肺底は横隔膜に接し、肺尖は鎖骨の上方2~3cmにまで達する。円錐の断面にあたる内側面は心臓に接しているので少しくぼみ、その中央部に肺門がある。肺門からは気管支・肺動脈・肺静脈、そして気管支動静脈、リンパ管・神経なども出入りする。

肺葉(p.66 肺葉)

右肺の容積は約1,200mlで重さは約600gである。左肺は心臓がやや左側に片寄って存在するので少し小さく、その容積は約1,000mlで重さは約500gである。肺は深い切れ込み(裂)により肺葉に分かれる。右肺は上・中・下葉の3葉に、左肺は上葉と下棄の2葉に分かれる。肺の表面を詳細によく見ると直径1cmほどの多角形の小区画に分かれているのが見える。これを肺小葉という。肺小葉は小葉間結合組織により境されるが、成人の肺では呼吸によって吸い込まれた塵埃粒子の沈着により黒く見え、肺全体としては淡灰黒色を呈する。

肺区域(p.66 肺区域)

気管支は肺門から肺に入ると、まず各肺葉にいく葉気管支に分かれる。右肺では上葉気管支・中葉気管支・下葉気管支の3本に、左肺では上葉気管支・下葉気管支の2本に分かれる。このあと各葉気管支は2~4本の区域気管支に分かれる。区域気管支が支配する領域を肺区域というが、肺区域は右肺では10個、左肺では9個ある。肺区域はそれぞれ重なり合うことがなく、分布する血管もそれぞれ独立している。そのため肺がんなどで肺組織を切除する場合は、肺区域を単位とした区域切除術などが行われる。
区域気管支は区域内で分岐して気管支枝となり、最後に軟骨を失って細気管支となる。細気管支は各肺小葉に入り、分岐して終末細気管支となる。細気管支は肺小葉への空気の流入を調節する。端息発作は平滑筋の病的なけいれんに伴う細気管支の過度の収縮によるという。終末細気管支は呼吸細気管支に続く。その壁の一部には肺胞が付いて、さらにその数が増えて肺胞管・肺胞嚢となる。

肺胞(p.67 肺胞)

肺胞は直径が100~200μmの袋で、左右の両肺を合わせるとその数は3~5億個になり、広げて伸ばすとその表面積は全部で約120m2(テニスコートの広さ)にもなる。肺胞の壁は極めて薄く、また隣り合ったものどうし共有しているので肺胞中隔と呼ばれる。肺胞中隔の中には豊富な毛細血管と弾性線維が含まれる。肺胞の壁をつくる呼吸上皮と基底膜、そして毛細血管の内皮細胞を通してガス交換が行われる。これを血液空気関門といい、その厚さは合わせて約0.5μmである。

胸膜(p.67 胸膜)

肺の表面は光沢のある薄い胸膜(臓側胸膜)でおおわれる。肺門では気管や肺動静脈を包んだあと、胸腔内面をおおっている胸膜(壁側胸膜)に移行する。肺門で折れ返った胸膜は、その間に胸膜腔という腔所をつくることになる。胸膜腔は少量の無色の漿液に満たされ、呼吸運動に伴う肺の自由な動きを可能にしている。胸膜腔の下端は下位肋骨内面では横隔膜との間に挟まれた狭い空間となり、胸膜洞と呼ばれる。胸膜炎では治癒したあとに胸膜の癒着が残り、肺の動きが制限される。胸膜腔は陰圧になっているが、肺や胸壁の損傷で胸膜腔に空気が入り大気圧と等しくなると、肺はその弾性のために小さく縮んでしまう。この状態を気胸という。

(注) 肺から漏れ出た空気が胸膜腔に溜まることがあり、自然気胸という。20歳前後の痩せ形の男性に多く見られ、突然に胸痛と呼吸困難におそわれる。

縦隔(p.68 縦隔)

左右の肺に挟まれ、前方は胸骨に、後方は脊柱に固まれた、胸郭の中央部を縦隔という。縦隔は心臓より上方の上部と、下方の下部に分けられる。下部はさらに心臓を中心として前・中・後部に区分される。ここには、心膜に包まれた心臓・心臓に出入りする血管(大動脈・肺動脈・肺静脈・上大静脈・奇静脈など)・気管・気管支・食道・胸管・神経(迷走神経・横隔神経)・胸腺などの重要な臓器が存在する。また頸部から腹部への通路ともなっている。

※ この問題には詳細解説もあります。さらに理解を深めたい場合にどうぞ。

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