大脳鎌、小脳テント、硬膜静脈洞【暗記用】 – 完全攻略ガイド
はじめに
大脳鎌と小脳テントは脳硬膜が形成する重要なひだであり、脳を区画化して保護する役割を果たします。また、これらの構造には硬膜静脈洞が付着しており、脳からの静脈血の還流経路として極めて重要です。国家試験では、硬膜のひだの位置・機能と各静脈洞の名称・位置が頻出します。本記事は暗記に特化した構成となっています。
詳しい解説
硬膜のひだ
脳硬膜は2層構造(骨膜層と髄膜層)をとり、髄膜層が内側に折り込まれてひだを形成します。
| 構造 | 位置 | 機能 |
|---|---|---|
| 大脳鎌 | 左右の大脳半球の間(正中) | 大脳を左右に分ける(垂直) |
| 小脳テント | 大脳と小脳の間 | テント上(大脳)とテント下(小脳・脳幹)を分ける(水平) |
大脳鎌の特徴
- 形状:鎌(三日月)状
- 走行:垂直方向
- 付着:頭蓋骨の正中線(鶏冠〜内後頭隆起)
- 機能:左右の大脳半球を隔てる
- 付着する静脈洞:上矢状静脈洞(上縁)、下矢状静脈洞(下縁)
小脳テントの特徴
- 形状:テント(天幕)状
- 走行:水平方向
- 機能:テント上(大脳)とテント下(小脳・脳幹)を分ける
- テント切痕:中脳が通る開口部
- 付着する静脈洞:横静脈洞
硬膜静脈洞
硬膜静脈洞は硬膜の2層間に形成される静脈血の通路です。
| 静脈洞 | 位置 |
|---|---|
| 上矢状静脈洞 | 大脳鎌の上縁 |
| 下矢状静脈洞 | 大脳鎌の下縁 |
| 直静脈洞 | 下矢状静脈洞+大大脳静脈の合流部 |
| 横静脈洞 | 小脳テント付着部 |
| S状静脈洞 | 横静脈洞の続き、S字状に走行 |
| 海綿静脈洞 | トルコ鞍(下垂体窩)の両側 |
| 静脈洞交会 | 上矢状・直・横静脈洞が合流する部位 |
静脈血の流れ
脳からの静脈血は以下の経路で心臓に還流します:
- 大脳表面の静脈 → 上矢状静脈洞
- 脳深部の静脈 → 大大脳静脈 → 直静脈洞
- 静脈洞交会で合流
- 横静脈洞 → S状静脈洞 → 内頸静脈
絶対に覚えるべきポイント
- 大脳鎌 = 垂直、左右を分ける
- 小脳テント = 水平、上下(テント上・下)を分ける
- 上矢状静脈洞 = 大脳鎌の上縁
- 下矢状静脈洞 = 大脳鎌の下縁
- 横静脈洞 = 小脳テント付着部
- 静脈血は最終的に内頸静脈へ流れる
一問一答
Q1. 左右の大脳半球を分ける硬膜のひだは何か?
【答え】 A. 大脳鎌
大脳鎌は垂直方向に位置し、鎌状の形態をしています。
Q2. 大脳と小脳を分ける硬膜のひだは何か?
【答え】 A. 小脳テント
小脳テントは水平方向に位置し、テント上(大脳)とテント下(小脳・脳幹)を分けます。
Q3. 大脳鎌の上縁に付着する静脈洞は何か?
【答え】 A. 上矢状静脈洞
上矢状静脈洞は大脳表面からの静脈血を集めます。
Q4. 下矢状静脈洞と大大脳静脈が合流してできる静脈洞は?
【答え】 A. 直静脈洞
直静脈洞は静脈洞交会に向かって走行します。
Q5. 横静脈洞の続きとなる静脈洞は何か?
【答え】 A. S状静脈洞
S状静脈洞はS字状に走行し、内頸静脈に移行します。
Q6. トルコ鞍の両側に位置する静脈洞は何か?
【答え】 A. 海綿静脈洞
海綿静脈洞には内頸動脈や脳神経(III, IV, V1, V2, VI)が通過します。
Q7. 静脈洞が合流する部位を何というか?
【答え】 A. 静脈洞交会
上矢状静脈洞、直静脈洞、横静脈洞が合流します。
国家試験対策問題
問題1
大脳鎌について正しいのはどれか。
a. 水平方向に位置する
b. 大脳と小脳を分ける
c. 上縁に下矢状静脈洞が付着する
d. 左右の大脳半球を分ける
e. 小脳テントと同義である
【解答と解説】 正解:d
a. 誤り。大脳鎌は垂直方向に位置します。
b. 誤り。大脳と小脳を分けるのは小脳テントです。
c. 誤り。上縁には上矢状静脈洞、下縁に下矢状静脈洞が付着します。
d. 正しい。大脳鎌は左右の大脳半球を正中で分けます。
e. 誤り。大脳鎌と小脳テントは異なる構造です。
問題2
硬膜静脈洞について正しいのはどれか。
a. 上矢状静脈洞は小脳テントに付着する
b. 横静脈洞は大脳鎌の下縁に位置する
c. S状静脈洞は外頸静脈に移行する
d. 直静脈洞は下矢状静脈洞と大大脳静脈の合流部である
e. 海綿静脈洞は後頭部に位置する
【解答と解説】 正解:d
a. 誤り。上矢状静脈洞は大脳鎌の上縁に付着します。
b. 誤り。横静脈洞は小脳テントの付着部に位置します。
c. 誤り。S状静脈洞は内頸静脈に移行します。
d. 正しい。直静脈洞は下矢状静脈洞と大大脳静脈が合流して形成されます。
e. 誤り。海綿静脈洞はトルコ鞍(下垂体窩)の両側に位置します。
問題3
小脳テントについて正しいのはどれか。
a. 垂直方向に位置する
b. テント切痕を延髄が通過する
c. 大脳鎌の一部である
d. テント上とテント下を分ける
e. 上矢状静脈洞が付着する
【解答と解説】 正解:d
a. 誤り。小脳テントは水平方向に位置します。
b. 誤り。テント切痕を通過するのは中脳です。
c. 誤り。小脳テントは大脳鎌とは別の構造です。
d. 正しい。小脳テントはテント上(大脳)とテント下(小脳・脳幹)を分けます。
e. 誤り。上矢状静脈洞は大脳鎌に付着します。小脳テントには横静脈洞が付着します。
問題4
脳の静脈血の流れについて正しいのはどれか。
a. 上矢状静脈洞から直接内頸静脈に流入する
b. S状静脈洞は横静脈洞に続く
c. 静脈洞交会は海綿静脈洞にある
d. 大大脳静脈は上矢状静脈洞に流入する
e. 最終的に外頸静脈に還流する
【解答と解説】 正解:b
a. 誤り。上矢状静脈洞は静脈洞交会を経て横静脈洞、S状静脈洞を通り内頸静脈に流入します。
b. 正しい。横静脈洞がS状静脈洞に続きます(横→S状の順)。
c. 誤り。静脈洞交会は後頭部にあり、上矢状・直・横静脈洞が合流します。
d. 誤り。大大脳静脈は下矢状静脈洞と合流して直静脈洞を形成します。
e. 誤り。脳の静脈血は最終的に内頸静脈に還流します。
まとめ
大脳鎌と小脳テントは脳を保護する硬膜のひだであり、それぞれ垂直(左右を分ける)と水平(上下を分ける)という方向性の違いを確実に覚えましょう。硬膜静脈洞については、大脳鎌に付着する上矢状・下矢状静脈洞、小脳テントに付着する横静脈洞、直静脈洞の形成過程、S状静脈洞から内頸静脈への流れが重要ポイントです。空欄補充形式で繰り返し学習し、確実に暗記しましょう。
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