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ヘミバリスム

ヘミバリスム – 完全攻略ガイド

目次

はじめに

ヘミバリスムは視床下核の病変により生じる激しい不随意運動です。片側の四肢が激しく投げ出されるような運動が特徴で、多くは脳卒中による血管障害が原因です。視床下核の機能と基底核回路の理解は国家試験で超頻出です。

詳しい解説

病態

項目 詳細
障害部位 視床下核(STN)
主な原因 脳卒中(血管障害)が最多
発症様式 急性発症が多い
側性 片側性(Hemi = 半側)

視床下核の正常機能

項目 詳細
役割 間接路を介してGPi/SNrを活性化し、視床にブレーキをかける
神経伝達物質 グルタミン酸(興奮性)
出力先 淡蒼球内節(GPi)、黒質網様部(SNr)

神経回路の変化

ステップ 変化
1 視床下核の機能低下(病変による)
2 GPi/SNrへの興奮性入力が減少
3 GPi/SNrの抑制性出力が弱まる
4 視床への抑制が低下
5 視床の興奮性が増大
結果 激しい投げ出し運動(バリスム)

主な症状と特徴

症状 詳細
激しい四肢の投げ出し運動 上肢で顕著、腕を投げ飛ばすような大きな運動(ballistic movement)
片側性 一側の上下肢に発症(反対側の脳障害で発症)
不随意運動 患者の意思では制御できない
安静時にも出現 安静時に突然起こり、動作で増悪することもある

他の運動亢進性疾患との比較

疾患 障害部位 運動の特徴
ヘミバリスム 視床下核 激しい投げ出し運動
ハンチントン病 線条体(間接路) 舞踏運動(くねるような動き)
ジストニア 基底核回路全体 持続的な筋収縮、異常姿勢

バリスムとコレアの関係

項目 詳細
バリスム 大きく激しい投げ出し運動
コレア(舞踏運動) 小さく速いくねるような運動
連続性 同じスペクトラム上にあり、バリスムはコレアの重症型とも考えられる

絶対に覚えるべきポイント

  • 視床下核の障害で発症
  • 片側性の激しい投げ出し運動
  • 運動亢進性の基底核疾患
  • 多くは脳卒中(血管障害)が原因
  • 視床下核障害→GPi抑制低下→視床脱抑制→運動亢進

一問一答

Q1. ヘミバリスムの原因となる障害部位は?

【答え】 A. 視床下核(STN)

視床下核の病変により、視床への抑制が低下して激しい不随意運動が起こります。

Q2. ヘミバリスムの最も多い原因は?

【答え】 A. 脳卒中(血管障害)

急性発症の場合が多く、脳出血や脳梗塞による視床下核の障害が原因となります。

Q3. ヘミバリスムの「ヘミ」とはどういう意味か?

【答え】 A. 半側(片側)

片側の上下肢に症状が出現します。反対側の脳障害で発症します。

Q4. ヘミバリスムの運動の特徴は?

【答え】 A. 激しい投げ出し運動(ballistic movement)

特に上肢で顕著で、腕を投げ飛ばすような大きな運動が特徴です。

Q5. 視床下核の神経伝達物質は何か?

【答え】 A. グルタミン酸(興奮性)

視床下核は基底核回路で唯一の興奮性核で、GPi/SNrを興奮させます。

Q6. ヘミバリスムは運動亢進性か運動減少性か?

【答え】 A. 運動亢進性

視床下核障害により視床への抑制が低下し、運動が亢進します。

国家試験対策問題

問題1

ヘミバリスムの原因となる障害部位はどこか。

a. 黒質緻密部

b. 淡蒼球内節

c. 視床下核

d. 線条体

e. 赤核

【解答と解説】 正解:c

ヘミバリスムは視床下核の病変により生じます。視床下核は間接路でGPiを興奮させる役割があり、その障害で視床への抑制が低下します。

問題2

ヘミバリスムについて正しいのはどれか。

a. 運動減少性の症状が特徴

b. 両側性に発症することが多い

c. 小脳障害が原因である

d. 激しい投げ出し運動が特徴

e. 黒質緻密部の変性が原因

【解答と解説】 正解:d

ヘミバリスムは視床下核の障害による運動亢進性疾患で、片側性の激しい投げ出し運動が特徴です。

問題3

視床下核について正しいのはどれか。

a. GABA作動性である

b. 淡蒼球外節を興奮させる

c. 直接路の構成要素である

d. グルタミン酸作動性である

e. 線条体に投射する

【解答と解説】 正解:d

視床下核はグルタミン酸作動性(興奮性)で、間接路およびハイパー直接路でGPi/SNrを興奮させます。

問題4

運動亢進性疾患と障害部位の組み合わせで正しいのはどれか。

a. ヘミバリスム – 黒質緻密部

b. ハンチントン病 – 視床下核

c. パーキンソン病 – 線条体

d. ヘミバリスム – 視床下核

e. ジストニア – 黒質緻密部

【解答と解説】 正解:d

ヘミバリスムは視床下核、ハンチントン病は線条体(間接路)、パーキンソン病は黒質緻密部の障害で生じます。

まとめ

ヘミバリスムは視床下核の病変(多くは脳卒中)により生じる運動亢進性疾患です。視床下核はグルタミン酸作動性でGPi/SNrを興奮させ、視床にブレーキをかける役割があります。視床下核が障害されるとこのブレーキ機能が低下し、片側の四肢に激しい投げ出し運動が出現します。ハンチントン病(線条体障害)との障害部位の違いを理解することが重要です。

#神経学 #神経系 #ヘミバリスム

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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