運動性失語症と感覚性失語症 – 完全攻略ガイド
はじめに
失語症は言語機能の障害で、障害部位により運動性失語症(ブローカ失語)と感覚性失語症(ウェルニッケ失語)に分類されます。両者とも優位半球(多くは左半球)の障害で起こります。症状の違いを理解することは国家試験で超頻出です。
詳しい解説
運動性失語症(ブローカ失語)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 障害部位 | ブローカ野(運動性言語中枢)=優位半球の下前頭回(44野、45野) |
| 機能 | 言葉を話すこと、文字を書くことに関与 |
| 発話 | 非流暢性失語(話すことができない、遅い、構音不良) |
| 理解 | 良好(他人の話や文字は理解できる) |
| 復唱 | 障害 |
感覚性失語症(ウェルニッケ失語)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 障害部位 | ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)=優位半球の上側頭回後部(22野) |
| 機能 | 言葉を聞いて理解すること、文字を読んで理解することに関与 |
| 発話 | 流暢(自発的発話は可能だが内容は支離滅裂=ジャーゴン) |
| 理解 | 障害(音としては聞こえるが意味が理解できない) |
| 復唱 | 障害 |
運動性失語症と感覚性失語症の比較
| 項目 | 運動性失語症 | 感覚性失語症 |
|---|---|---|
| 障害部位 | ブローカ野(44野、45野) | ウェルニッケ野(22野) |
| 位置 | 下前頭回 | 上側頭回後部 |
| 発話 | 非流暢 | 流暢(だが支離滅裂) |
| 理解 | 良好 | 障害 |
| 復唱 | 障害 | 障害 |
| 特徴 | 話せないが理解できる | 話せるが理解できない |
言語処理モジュール
ブローカ中枢の機能分化
| 部位 | 機能 |
|---|---|
| 左下前頭回 弁蓋部/三角部 | 文法処理 |
| 左運動前野外側部 | 読解 |
| 左下前頭回 眼窩部 | 読解の理解 |
ウェルニッケ中枢の機能分化
| 部位 | 機能 |
|---|---|
| 左角回/縁上回 | 単語の理解 |
| 左上/中側頭回 | 音韻の理解 |
絶対に覚えるべきポイント
- 運動性失語(ブローカ失語)=ブローカ野障害=発話困難、理解は良好
- 感覚性失語(ウェルニッケ失語)=ウェルニッケ野障害=発話流暢だが理解困難
- 両方とも優位半球(多くは左半球)の障害
- ブローカ野=下前頭回=44野、45野
- ウェルニッケ野=上側頭回後部=22野
一問一答
Q1. ブローカ野はどこに位置するか?
【答え】 A. 下前頭回(優位半球)
ブロードマン44野、45野に相当し、運動性言語中枢として機能します。
Q2. ウェルニッケ野はどこに位置するか?
【答え】 A. 上側頭回後部(優位半球)
ブロードマン22野に相当し、感覚性言語中枢として機能します。
Q3. 運動性失語症の発話の特徴は?
【答え】 A. 非流暢
話すことが困難で、発話は遅く、構音も悪くなります。
Q4. 感覚性失語症の発話の特徴は?
【答え】 A. 流暢だが支離滅裂(ジャーゴン)
自発的発話は可能ですが、言語理解が伴わないため内容が支離滅裂になります。
Q5. 失語症が起こるのは通常どちらの半球の障害か?
【答え】 A. 優位半球(多くは左半球)
言語機能は優位半球に局在しているため、その障害で失語症が生じます。
Q6. 運動性失語症で良好に保たれる機能は何か?
【答え】 A. 言語理解
運動性失語症では発話は障害されますが、他人の話や文字の理解は良好です。
国家試験対策問題
問題1
運動性失語症(ブローカ失語)について正しいのはどれか。
a. ウェルニッケ野の障害で起こる
b. 発話は流暢である
c. 言語理解は良好である
d. 上側頭回の障害で起こる
e. 右半球の障害で起こることが多い
【解答と解説】 正解:c
運動性失語症はブローカ野(下前頭回)の障害で起こり、発話は非流暢ですが、言語理解は良好に保たれます。
問題2
感覚性失語症(ウェルニッケ失語)について正しいのはどれか。
a. ブローカ野の障害で起こる
b. 発話は非流暢である
c. 言語理解は良好である
d. 発話は流暢だが内容が支離滅裂になる
e. 下前頭回の障害で起こる
【解答と解説】 正解:d
感覚性失語症はウェルニッケ野(上側頭回後部)の障害で起こり、発話は流暢ですが言語理解が障害されるため、内容が支離滅裂(ジャーゴン)になります。
問題3
ブローカ野のブロードマン番号として正しいのはどれか。
a. 17野、18野
b. 22野
c. 41野、42野
d. 44野、45野
e. 3野、1野、2野
【解答と解説】 正解:d
ブローカ野はブロードマン44野、45野に相当します。22野はウェルニッケ野です。
問題4
失語症について誤っているのはどれか。
a. 運動性失語症は非流暢性失語である
b. 感覚性失語症は流暢性失語である
c. 両者とも優位半球の障害で起こる
d. 運動性失語症では言語理解が障害される
e. 感覚性失語症ではジャーゴンがみられる
【解答と解説】 正解:d
運動性失語症では発話が障害されますが、言語理解は良好に保たれます。言語理解が障害されるのは感覚性失語症です。
まとめ
失語症は障害部位により運動性失語症と感覚性失語症に分類されます。運動性失語症(ブローカ失語)はブローカ野(下前頭回、44野・45野)の障害で、発話が非流暢になりますが理解は良好です。感覚性失語症(ウェルニッケ失語)はウェルニッケ野(上側頭回後部、22野)の障害で、発話は流暢ですが理解が障害されジャーゴンがみられます。両者とも優位半球の障害で起こります。
#解剖学 #神経系 #失語症







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