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視床下部による内部環境の調節(ホメオスタシス)

視床下部による内部環境の調節(ホメオスタシス) – 完全攻略ガイド

目次

はじめに

視床下部は体内環境の恒常性(ホメオスタシス)を維持する中枢です。体温、血糖、水分バランスなど、生命維持に不可欠な内部環境を一定に保つために、視床下部は様々なセンサーと調節機構を持っています。本記事では、体温調節、血糖調節、水分調節の詳細な機構を解説します。

詳しい解説

体温調節

低温時(体温低下時)

項目 詳細
受容器 皮膚(冷受容器)
中枢 後視床下野(産熱中枢)
遠心路・効果器 交感神経→皮膚血管:血管収縮(熱放散抑制)
交感神経→副腎髄質:アドレナリン分泌↑(代謝亢進、熱産生)
体性神経→骨格筋:ふるえ(熱産生)

高温時(体温上昇時)

項目 詳細
受容器 皮膚(温受容器)、視床下部(温受容ニューロン)
中枢 前視床下野(放熱中枢)
遠心路・効果器 交感神経(-)→皮膚血管:血管拡張(熱放散促進)
交感神経(コリン作動性)→汗腺:発汗(熱拡散)

血糖調節

低血糖時

項目 詳細
受容器 小腸(グルコース受容器)、視床下部(グルコース感受性ニューロン)
中枢 外側野(摂食中枢)
遠心路・効果器 交感神経→肝臓:グリコーゲン分解促進
交感神経→膵α細胞:グルカゴン分泌↑
交感神経→副腎髄質:アドレナリン分泌↑

高血糖時

項目 詳細
受容器 視床下部(グルコース感受性ニューロン)
中枢 腹内側核(満腹中枢)
遠心路・効果器 迷走神経→肝細胞:グリコーゲン合成促進
迷走神経→膵β細胞:インスリン分泌↑

水分調節

体液量減少時

項目 詳細
受容器 心房(低圧受容器)
中枢 室傍核
遠心路・効果器 下垂体後葉(バソプレッシン)→腎集合管:水再吸収↑(尿量↓)

浸透圧上昇時

項目 詳細
受容器 視床下部(浸透圧受容ニューロン)
中枢 視索上核
遠心路・効果器 下垂体後葉(バソプレッシン)→腎集合管:水再吸収↑(尿量↓)

ホメオスタシスの調節まとめ

調節対象 上昇時の中枢 低下時の中枢
体温 前視床下野(放熱) 後視床下野(産熱)
血糖 腹内側核(満腹) 外側野(摂食)
水分 室傍核・視索上核(ADH分泌)

絶対に覚えるべきポイント

  • 体温調節:前視床下野=放熱、後視床下野=産熱
  • 血糖調節:外側野=摂食(血糖↑)、腹内側核=満腹(血糖↓)
  • 水分調節:室傍核・視索上核→バソプレッシン分泌
  • 低温時はふるえ血管収縮で対応
  • 高温時は発汗血管拡張で対応

一問一答

Q1. 高温を感知して放熱を促す中枢はどこか?

【答え】 A. 前視床下野

前視床下野は皮膚血管を拡張させ、発汗を促進して体温を下げます。

Q2. 低温時に産熱を促す中枢はどこか?

【答え】 A. 後視床下野

後視床下野はふるえやアドレナリン分泌を促進して体温を上げます。

Q3. 血糖が低下したときに活性化する中枢はどこか?

【答え】 A. 外側野(摂食中枢)

外側野は摂食行動を促し、交感神経を介して血糖上昇反応を起こします。

Q4. 高血糖時に活性化してインスリン分泌を促進する経路は?

【答え】 A. 腹内側核(満腹中枢)→迷走神経→膵β細胞

迷走神経を介してインスリン分泌が促進され、血糖が低下します。

Q5. 浸透圧上昇時にADH分泌を促す中枢はどこか?

【答え】 A. 視索上核

浸透圧受容ニューロンが浸透圧上昇を感知し、ADH分泌を促進します。

Q6. 低温時の産熱反応を3つ挙げよ。

【答え】 A. ふるえ、皮膚血管収縮、アドレナリン分泌

これらにより熱産生が促進され、熱放散が抑制されます。

国家試験対策問題

問題1

体温調節について正しいのはどれか。

a. 前視床下野は産熱中枢である

b. 後視床下野は放熱中枢である

c. 高温時には皮膚血管が収縮する

d. 低温時にはふるえが起こる

e. 発汗は交感神経アドレナリン作動性である

【解答と解説】 正解:d

低温時には後視床下野(産熱中枢)が活性化し、ふるえにより熱産生が促進されます。前視床下野は放熱中枢、発汗は交感神経コリン作動性です。

問題2

血糖調節について正しいのはどれか。

a. 外側野は満腹中枢である

b. 腹内側核は摂食中枢である

c. 低血糖時に迷走神経が活性化する

d. 高血糖時に交感神経が活性化する

e. 低血糖時に交感神経が活性化する

【解答と解説】 正解:e

低血糖時には外側野(摂食中枢)が活性化し、交感神経を介してグルカゴンやアドレナリンの分泌が促進されます。高血糖時には迷走神経を介してインスリン分泌が促進されます。

問題3

水分調節について正しいのはどれか。

a. ADHは利尿を促進する

b. 浸透圧低下時にADH分泌が増加する

c. ADHは腎集合管での水再吸収を促進する

d. 体液量増加時にADH分泌が増加する

e. ADHは室傍核から直接血中に放出される

【解答と解説】 正解:c

ADH(バソプレッシン)は腎集合管での水再吸収を促進し、尿量を減少させます(抗利尿作用)。浸透圧上昇時や体液量減少時にADH分泌が増加します。

問題4

低温時の体温調節反応として誤っているのはどれか。

a. ふるえ

b. 皮膚血管収縮

c. 発汗

d. アドレナリン分泌増加

e. 立毛筋収縮

【解答と解説】 正解:c

発汗は高温時の放熱反応です。低温時には、ふるえ、皮膚血管収縮、アドレナリン分泌増加、立毛筋収縮(鳥肌)などの産熱・熱放散抑制反応が起こります。

まとめ

視床下部によるホメオスタシスの調節では、体温は前視床下野(放熱)と後視床下野(産熱)、血糖は外側野(摂食)と腹内側核(満腹)、水分は室傍核・視索上核(ADH分泌)が担当します。各調節において、受容器→中枢→遠心路→効果器の経路を理解することが重要です。

#解剖学 #神経系 #視床下部

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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