末梢神経線維の分類 – 完全攻略ガイド
はじめに
末梢神経線維の分類は、国家試験で最も頻出するテーマの一つです。神経線維は「太さ」と「伝導速度」によって分類され、それぞれが担う機能が異なります。この分類を正確に理解することは、神経生理学の基礎となるだけでなく、臨床での麻酔や痛みの理解にも直結します。本記事では、神経線維の分類を体系的に解説し、確実に得点できる力を身につけましょう。
詳しい解説
神経線維の分類の基本原則
神経線維は直径と伝導速度によって分類されます。基本原則として、太い線維ほど伝導速度が速いことを覚えておきましょう。これは、太い線維ほど髄鞘が厚く、跳躍伝導が効率的に行われるためです。
有髄神経線維(A線維・B線維)
有髄神経線維は髄鞘を持ち、跳躍伝導によって高速で興奮を伝えます。
Aa線維(直径12〜20μm、速度60〜120m/s)
最も太く、最も速い線維です。
- 求心性:筋紡錘(Ia群)、ゴルジ腱器官(Ib群)からの固有感覚
- 遠心性:α運動神経として骨格筋(錘外筋)を支配
Ab線維(直径8〜10μm、速度30〜80m/s)
- 求心性:触圧覚(II群)、筋紡錘(II群)からの情報を伝達
Ag線維(直径2〜8μm、速度15〜30m/s)
- 遠心性:γ運動神経として錘内筋(筋紡錘内の筋線維)を支配
Ad線維(直径1.5〜3μm、速度6〜30m/s)
- 求心性:速い痛み(III群)、温度覚(特に冷覚)を伝達
- 「速い痛み」は鋭い痛みとも呼ばれ、刺された瞬間の痛みに相当
B線維(直径1〜3μm、速度3〜15m/s)
- 遠心性:自律神経節前線維(交感・副交感神経の節前ニューロン)
無髄神経線維(C線維)
C線維(直径0.2〜1μm、速度0.3〜2m/s)
最も細く、最も遅い線維です。髄鞘を持たないため、興奮は連続伝導で伝わります。
- 求心性:遅い痛み(IV群)、温覚(IV群)
- 遠心性:自律神経節後線維
「遅い痛み」は鈍い痛み、うずく痛みとも呼ばれます。
伝導速度の順序
太い → 細い / 速い → 遅いの順序:
Aa > Ab > Ag > Ad > B > C
絶対に覚えるべきポイント
- 神経線維は太いほど伝導速度が速い
- 速い痛み = Ad線維、遅い痛み = C線維
- 自律神経:節前線維 = B線維、節後線維 = C線維
- α運動神経(錘外筋)= Aa、γ運動神経(錘内筋)= Ag
- 筋紡錘からの情報:Ia群 = Aa、II群 = Ab
- 有髄線維 = A・B、無髄線維 = C
一問一答
Q1. 神経線維の伝導速度を決める主な要因は何か?
【答え】 A. 直径(太さ)と髄鞘の有無
神経線維は太いほど、また髄鞘があるほど伝導速度が速くなります。
Q2. 「速い痛み」を伝える神経線維はどれか?
【答え】 A. Ad線維(III群)
Ad線維は有髄線維で、鋭い痛みを素早く伝達します。一方、「遅い痛み」はC線維が伝えます。
Q3. 自律神経の節前線維はどの神経線維に分類されるか?
【答え】 A. B線維
節前線維はB線維、節後線維はC線維です。これは頻出ポイントです。
Q4. γ運動神経が支配する筋はどれか?
【答え】 A. 錘内筋(筋紡錘内の筋線維)
Ag線維であるγ運動神経は錘内筋を支配し、筋紡錘の感度を調節します。
Q5. ゴルジ腱器官からの情報を伝える神経線維はどれか?
【答え】 A. Aa線維(Ib群)
ゴルジ腱器官からの固有感覚はAa線維のIb群によって伝えられます。
Q6. C線維の特徴として正しいものはどれか?
【答え】 A. 無髄線維であり、伝導速度は0.3〜2m/sと最も遅い
C線維は髄鞘を持たない無髄線維で、連続伝導によって興奮を伝えます。
Q7. 触圧覚を伝える神経線維はどれか?
【答え】 A. Ab線維(II群)
触圧覚はAb線維によって伝達されます。
国家試験対策問題
問題1
神経線維の分類で正しいのはどれか。
a. Aa線維は無髄線維である
b. B線維は自律神経節後線維である
c. C線維は遅い痛みを伝える
d. Ad線維は触圧覚を伝える
e. Ab線維はγ運動神経である
【解答と解説】 正解:c
a. 誤り。Aa線維は有髄線維です。
b. 誤り。B線維は自律神経節前線維、節後線維はC線維です。
c. 正しい。C線維(IV群)は遅い痛み(鈍痛)と温覚を伝えます。
d. 誤り。Ad線維は速い痛みと冷覚を伝えます。触圧覚はAb線維です。
e. 誤り。Ab線維は触圧覚、γ運動神経はAg線維です。
問題2
伝導速度が最も速い神経線維はどれか。
a. Ad線維
b. Aa線維
c. B線維
d. C線維
e. Ag線維
【解答と解説】 正解:b
神経線維の伝導速度は太さに比例します。Aa線維は直径12〜20μmで最も太く、伝導速度は60〜120m/sで最も速いです。
問題3
筋紡錘からの求心性情報を伝える神経線維の組み合わせで正しいのはどれか。
a. Ia群 – Aa線維、II群 – Ab線維
b. Ia群 – Ab線維、II群 – Ad線維
c. Ia群 – Ag線維、II群 – Aa線維
d. Ia群 – B線維、II群 – C線維
e. Ia群 – Ad線維、II群 – Ag線維
【解答と解説】 正解:a
筋紡錘からの求心性情報は、Ia群線維(Aa線維)とII群線維(Ab線維)によって伝えられます。Ia群は筋紡錘の一次終末から、II群は二次終末からの情報を伝達します。
問題4
無髄神経線維について正しいのはどれか。
a. 跳躍伝導を行う
b. 自律神経節前線維が含まれる
c. 伝導速度は10m/s以上である
d. 遅い痛みの伝導に関与する
e. 直径は5μm以上である
【解答と解説】 正解:d
a. 誤り。無髄神経線維は連続伝導を行います。跳躍伝導は有髄線維の特徴です。
b. 誤り。自律神経節前線維はB線維(有髄)です。節後線維がC線維(無髄)です。
c. 誤り。C線維の伝導速度は0.3〜2m/sです。
d. 正しい。C線維は遅い痛み(IV群)を伝導します。
e. 誤り。C線維の直径は0.2〜1μmです。
まとめ
末梢神経線維の分類は、神経系の基礎として国家試験で必ず出題されます。覚えるべき核心は「太い線維ほど速い」という原則と、各線維が担う機能の対応関係です。特に速い痛み(Ad)と遅い痛み(C)、自律神経の節前(B)と節後(C)の違いは頻出です。α運動神経とγ運動神経の支配筋の違いも確実に押さえましょう。繰り返し復習して、確実に得点源としてください。
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