精嚢・前立腺・尿道球腺まとめ – 完全攻略ガイド
はじめに
精嚢、前立腺、尿道球腺は男性の付属生殖腺であり、それぞれが特徴的な分泌物を産生して精液の組成に貢献しています。この記事では、各腺の分泌物の特徴と機能について詳しく解説します。
詳しい解説
付属生殖腺の分泌物まとめ
| 付属腺 | 開口部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 精嚢 | 前立腺内で射精管に合流 | 弱アルカリ性で黄色みを帯びる、果糖とプロスタグランジンを含む(有対) |
| 前立腺 | 尿道前立腺部 | 弱アルカリ性で乳白色、重炭酸塩・亜鉛・酸性フォスファターゼを含む(無対) |
| 尿道球腺(カウパー腺) | 尿道海綿体部 | 弱アルカリ性で透明の粘液、性的興奮の際に亀頭を潤す(有対) |
精嚢の分泌物
特徴
- 弱アルカリ性で黄色みを帯びる
- 有対(左右一対)
含まれる成分
- 果糖 – 精子のエネルギー源
- プロスタグランジン – 子宮収縮を促進し、精子の移動を助ける
精液中の割合
精液の約60〜70%を占める
前立腺の分泌物
特徴
- 弱アルカリ性で乳白色
- 無対(単一の器官)
含まれる成分
- 重炭酸塩 – アルカリ性を維持
- 亜鉛 – 抗菌作用
- 酸性フォスファターゼ – 酵素
- クエン酸
- PSA(前立腺特異抗原) – 精液の液化
精液中の割合
精液の約20〜30%を占める
尿道球腺(カウパー腺)の分泌物
特徴
- 弱アルカリ性で透明の粘液
- 有対(左右一対)
機能
- 性的興奮の際に亀頭を潤す(先走り液)
- 尿道の酸性環境を中和
- 性交時の潤滑
膣の酸性環境と精液のアルカリ性
健康な成人女性の膣内にはデーデルライン桿菌という乳酸菌の一種が存在し、膣内を酸性に保つことにより病原細菌の侵入定着を防いでいます(膣の自浄作用)。
一方、精子は酸性の環境では働きが鈍ってしまうので、精漿分泌物、前立腺液、尿道球腺液はともにアルカリ性で、膣内の酸性を中和し、受精に適した環境をつくります。
絶対に覚えるべきポイント
- 精嚢: 果糖とプロスタグランジンを含む、精液の60〜70%
- 前立腺: 乳白色、亜鉛・酸性フォスファターゼを含む
- 尿道球腺: 透明粘液、亀頭を潤す
- 全て弱アルカリ性: 膣の酸性環境を中和
- デーデルライン桿菌: 膣内を酸性に保つ乳酸菌
一問一答
Q1. 精嚢の分泌物に含まれ、精子のエネルギー源となる成分は何か?
【答え】 A. 果糖
精嚢の分泌物には果糖が含まれ、精子の運動エネルギー源となります。
Q2. 前立腺液の性状は何色か?
【答え】 A. 乳白色
前立腺液は弱アルカリ性で乳白色です。
Q3. 尿道球腺の分泌物の機能は何か?
【答え】 A. 性的興奮の際に亀頭を潤す
尿道球腺(カウパー腺)の透明粘液は、性的興奮時に亀頭を潤し、尿道の酸性を中和します。
Q4. 精液の大部分を占める付属腺の分泌物は何か?
【答え】 A. 精嚢の分泌物(約60〜70%)
精嚢の分泌物が精液の最大部分を占めます。
Q5. 膣内を酸性に保つ乳酸菌を何というか?
【答え】 A. デーデルライン桿菌
デーデルライン桿菌は膣の自浄作用に関与し、病原菌の侵入を防ぎます。
Q6. 付属生殖腺の分泌物が全てアルカリ性である理由は何か?
【答え】 A. 膣の酸性環境を中和し、精子の活動に適した環境をつくるため
精子は酸性環境では活動が低下するため、アルカリ性の分泌物で中和します。
Q7. 前立腺液に含まれる抗菌作用を持つ成分は何か?
【答え】 A. 亜鉛
前立腺液には亜鉛が含まれ、抗菌作用を持ちます。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
精嚢の分泌物に含まれるものはどれか。2つ選べ。
a) 亜鉛
b) 果糖
c) 酸性フォスファターゼ
d) プロスタグランジン
【解答と解説】 正解:b、d
精嚢の分泌物には果糖(精子のエネルギー源)とプロスタグランジン(子宮収縮促進)が含まれます。亜鉛と酸性フォスファターゼは前立腺液に含まれます。
問題2(○×問題)
前立腺液は酸性である。
【解答と解説】 正解:×
前立腺液は弱アルカリ性です。精嚢分泌物、尿道球腺分泌物も全て弱アルカリ性で、膣の酸性環境を中和します。
問題3(穴埋め問題)
精嚢の分泌物は精液の約( )%を占め、( )を含み精子のエネルギー源となる。
【解答と解説】 正解:60〜70、果糖
精嚢の分泌物は精液の最大部分を占め、果糖が精子の運動エネルギー源となります。
問題4(選択問題)
尿道球腺について正しいものはどれか。
a) 無対である
b) 酸性の分泌物を出す
c) 性的興奮時に粘液を分泌する
d) 精液の大部分を占める
【解答と解説】 正解:c
尿道球腺(カウパー腺)は有対で、弱アルカリ性の透明粘液を分泌し、性的興奮時に亀頭を潤します。
問題5(選択問題)
膣の自浄作用に関与する乳酸菌はどれか。
a) 大腸菌
b) 乳酸桿菌
c) デーデルライン桿菌
d) ビフィズス菌
【解答と解説】 正解:c
デーデルライン桿菌は膣内に存在する乳酸菌で、膣内を酸性に保ち病原菌の侵入を防ぎます。
まとめ
付属生殖腺の比較表
| 項目 | 精嚢 | 前立腺 | 尿道球腺 |
|---|---|---|---|
| 対/無対 | 有対 | 無対 | 有対 |
| 性状 | 黄色み | 乳白色 | 透明粘液 |
| pH | 弱アルカリ性 | 弱アルカリ性 | 弱アルカリ性 |
| 主な成分 | 果糖、プロスタグランジン | 亜鉛、酸性フォスファターゼ、クエン酸 | 粘液 |
| 開口部位 | 射精管 | 前立腺部 | 隔膜部 |
精液の組成
| 由来 | 割合 |
|---|---|
| 精嚢分泌物 | 約60〜70% |
| 前立腺液 | 約20〜30% |
| 精子 | 約5% |
| その他 | 数% |
確認チェックリスト
- [ ] 各付属腺の分泌物の特徴を述べられる
- [ ] 精嚢と前立腺の含有成分の違いを説明できる
- [ ] 分泌物がアルカリ性である理由を説明できる
- [ ] デーデルライン桿菌の役割を説明できる
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