細気管支から肺胞まで – 完全攻略ガイド
はじめに
気道は気管から始まり、何度も分岐を繰り返しながら肺胞に至ります。各レベルでの構造の変化と、導管域・呼吸域の違いを理解することは、呼吸生理学の基礎となります。この記事では、気管支から肺胞までの階層構造と解剖学的死腔について詳しく解説します。
詳しい解説
気道の階層構造
気道は以下のように分岐していきます。
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| 気管 | 輪状軟骨(C6)〜気管分岐部(T5)まで、約10〜13cm |
| 気管支 | 右は太く短く垂直に近い、左は細く長く水平に近い |
| 葉気管支 | 肺葉は左二右三、葉気管支も左二右三 |
| 区域気管支 | 右肺は10区域、左肺は9区域でS7がない |
| 細気管支 | 気管軟骨が欠如する、クララ細胞出現 |
| 終末細気管支 | 杯細胞が消失、クララ細胞が増える |
| 呼吸細気管支 | 肺胞が出現する |
| 肺胞 | ガス交換の場 |
導管域と呼吸域
| 領域 | 範囲 | 機能 |
|---|---|---|
| 導管域 | 鼻腔〜終末細気管支 | 空気の導管(ガス交換なし) |
| 呼吸域 | 呼吸細気管支〜肺胞 | ガス交換を行う |
解剖学的死腔
鼻腔〜終末細気管支まではガス交換に関与しない導管域の容積を解剖学的死腔といいます。
- 約150ml
- 1回換気量(約500ml)のうち、約150mlは死腔に留まる
- 実際に肺胞に届くのは約350ml
生理学的死腔
循環障害などで血流が還流していない肺胞の空気はガス交換されません。これを生理学的死腔といいます。
- 解剖学的死腔+換気されても血流のない肺胞
- 健常人では解剖学的死腔とほぼ等しい
構造の変化
気管支が分岐するにつれて以下の変化が起こります。
| 変化 | 内容 |
|---|---|
| 軟骨 | 細気管支で消失 |
| 平滑筋 | 相対的に増加 |
| 杯細胞 | 終末細気管支で消失 |
| クララ細胞 | 細気管支から出現 |
絶対に覚えるべきポイント
- 解剖学的死腔は鼻腔〜終末細気管支(約150ml)
- 導管域は鼻腔〜終末細気管支
- 呼吸域は呼吸細気管支〜肺胞
- 軟骨は細気管支で消失
- 肺区域は右10区域、左9区域(S7がない)
一問一答
Q1. 解剖学的死腔とは何か?
【答え】 A. ガス交換に関与しない導管域の容積(約150ml)
鼻腔から終末細気管支までの空間です。
Q2. 気管軟骨が消失するのはどこからか?
【答え】 A. 細気管支
細気管支以降は軟骨がありません。
Q3. 呼吸域はどこから始まるか?
【答え】 A. 呼吸細気管支
ここから肺胞が出現し、ガス交換が行われます。
Q4. 左肺に欠如する肺区域は?
【答え】 A. S7(内側肺底区)
右肺は10区域、左肺は9区域です。
Q5. 生理学的死腔とは何か?
【答え】 A. 解剖学的死腔+血流のない肺胞の容積
換気されても血流がなければガス交換されません。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
解剖学的死腔の範囲として正しいのはどれか。
a. 鼻腔〜気管
b. 鼻腔〜細気管支
c. 鼻腔〜終末細気管支
d. 鼻腔〜呼吸細気管支
【解答と解説】 正解:c
解剖学的死腔は鼻腔から終末細気管支までの導管域の容積です。
問題2(○×問題)
気管軟骨は終末細気管支まで存在する。
【解答と解説】 正解:×
気管軟骨は細気管支で消失します。終末細気管支には軟骨はありません。
問題3(選択問題)
左肺に存在しない肺区域はどれか。
a. S5
b. S6
c. S7
d. S8
【解答と解説】 正解:c
左肺にはS7(内側肺底区)がありません。右肺10区域、左肺9区域です。
問題4(穴埋め問題)
肺胞が最初に出現するのは( )である。
【解答と解説】 正解:呼吸細気管支
呼吸細気管支から肺胞が出現し、ガス交換が始まります。
まとめ
気道階層チェックリスト
- [ ] 気道の階層構造を覚えた
- [ ] 導管域と呼吸域の違いを覚えた
- [ ] 解剖学的死腔を理解した
- [ ] 肺区域の数(左9右10)を覚えた
気道の階層まとめ表
| 部位 | 軟骨 | ガス交換 |
|---|---|---|
| 気管〜区域気管支 | あり | なし |
| 細気管支 | なし | なし |
| 終末細気管支 | なし | なし |
| 呼吸細気管支 | なし | あり |
| 肺胞 | なし | あり |
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