前腕前側の動脈(深層) – 完全攻略ガイド
はじめに
前腕前側深層では、橈骨動脈と尺骨動脈に加えて、それらと併行する神経の関係が重要になります。特に「橈骨動脈と橈骨神経浅枝」「尺骨動脈と尺骨神経」「正中神経と屈筋支帯」の位置関係は国家試験で頻出です。深層の解剖を理解して、臨床的な知識も身につけましょう。
詳しい解説
前腕深層の動脈と神経の併行関係
前腕深層では、動脈と神経が併行して走行します。
| 動脈 | 併行する神経 |
|---|---|
| 橈骨動脈 | 橈骨神経浅枝 |
| 尺骨動脈 | 尺骨神経 |
正中神経は前腕前側中央を走行し、特定の動脈とは併行しません。
橈骨動脈の枝(復習)
- 橈側反回動脈: 肘関節動脈網
- 掌側手根枝: 掌側手根動脈網
- 背側手根枝: 背側手根動脈網
- 浅掌枝: 浅掌動脈弓と吻合
- 背側中手動脈: 手背部
- 母指主動脈: 母指
- 深掌動脈弓: 手掌深層
尺骨動脈の枝(復習)
- 前・後尺側反回動脈: 肘関節動脈網
- 総骨間動脈: 前骨間動脈と後骨間動脈に分岐
- 掌側手根枝: 掌側手根動脈網
- 背側手根枝: 背側手根動脈網
- 深掌枝: 深掌動脈弓と吻合
- 浅掌動脈弓: 手掌浅層
前腕深層の神経
正中神経
- 前腕前側中央を走行
- 屈筋支帯の下(手根管内)を通過
- 手根管症候群で障害される
橈骨神経浅枝
- 橈骨動脈に併行
- 前腕橈側を走行
- 手背の感覚を支配
尺骨神経
- 尺骨動脈と併行
- 前腕尺側を走行
- ギヨン管を通過
前腕深層の筋
- 長母指外転筋: 母指外転
- 浅指屈筋: 第2〜5指屈曲
- 橈側手根屈筋腱: 手関節掌屈
- 屈筋支帯: 手根管の蓋を形成
絶対に覚えるべきポイント
- 橈骨動脈+橈骨神経浅枝: 前腕橈側を併行
- 尺骨動脈+尺骨神経: 前腕尺側を併行
- 正中神経: 屈筋支帯の下(手根管内)を通過
- 手根管症候群: 正中神経の圧迫による障害
一問一答
Q1. 橈骨動脈と併行する神経は?
【答え】 A. 橈骨神経浅枝
橈骨神経浅枝は橈骨動脈と共に前腕橈側を走行し、手背の感覚を支配します。
Q2. 尺骨動脈と併行する神経は?
【答え】 A. 尺骨神経
尺骨動脈と尺骨神経は前腕尺側を併行して走行します。
Q3. 正中神経が通過する構造は?
【答え】 A. 手根管(屈筋支帯の下)
正中神経は屈筋支帯の下にある手根管を通過します。この部位での圧迫が手根管症候群を引き起こします。
Q4. 総骨間動脈が分岐する2本の動脈は?
【答え】 A. 前骨間動脈と後骨間動脈
総骨間動脈は尺骨動脈の枝で、前骨間動脈と後骨間動脈に分かれて骨間膜の前後を走行します。
Q5. 手根管症候群で障害される神経は?
【答え】 A. 正中神経
手根管症候群は正中神経の圧迫により、母指〜環指の感覚障害や母指球筋の萎縮を引き起こします。
Q6. 屈筋支帯は何を形成する?
【答え】 A. 手根管の蓋
屈筋支帯は手根骨と共に手根管を形成し、その中を正中神経と屈筋腱が通過します。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
橈骨動脈と併行して走行する神経はどれか。
a. 正中神経
b. 尺骨神経
c. 橈骨神経深枝
d. 橈骨神経浅枝
e. 筋皮神経
【解答と解説】 正解:d
橈骨動脈と橈骨神経浅枝は前腕橈側を併行して走行します。正中神経は前腕中央を単独で走行し、尺骨神経は尺骨動脈と併行します。
問題2(選択問題)
手根管を通過する構造として正しいものはどれか。
a. 尺骨神経
b. 橈骨神経
c. 正中神経
d. 橈骨動脈
e. 尺骨動脈
【解答と解説】 正解:c
手根管を通過するのは正中神経と屈筋腱(浅指屈筋腱、深指屈筋腱、長母指屈筋腱)です。尺骨神経はギヨン管を通過します。
問題3(選択問題)
前腕前側深層の動脈と神経の組み合わせで正しいものはどれか。
a. 橈骨動脈 – 正中神経
b. 尺骨動脈 – 橈骨神経
c. 橈骨動脈 – 橈骨神経浅枝
d. 尺骨動脈 – 正中神経
e. 前骨間動脈 – 尺骨神経
【解答と解説】 正解:c
橈骨動脈と橈骨神経浅枝、尺骨動脈と尺骨神経がそれぞれ併行して走行します。正中神経は特定の動脈と併行せず、前腕中央を単独で走行します。
問題4(選択問題)
手根管症候群について正しいものはどれか。
a. 尺骨神経が障害される
b. 橈骨神経が障害される
c. 小指の感覚障害が生じる
d. 母指球筋の萎縮が生じる
e. 手背の感覚障害が生じる
【解答と解説】 正解:d
手根管症候群は正中神経の圧迫により、母指〜環指橈側の感覚障害と母指球筋(短母指外転筋など)の萎縮を引き起こします。小指は尺骨神経支配なので障害されません。
まとめ
前腕前側深層では、動脈と神経の併行関係が最重要です。橈骨動脈と橈骨神経浅枝、尺骨動脈と尺骨神経の組み合わせを確実に覚えましょう。また、正中神経が屈筋支帯の下(手根管内)を通過し、その圧迫で手根管症候群が生じることは臨床的にも国試対策としても必須の知識です。
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