体幹後面の動脈 – 完全攻略ガイド
はじめに
体幹の後面には、複数の動脈系統が血液を供給しています。肋間動脈、腰動脈、殿部の動脈など、それぞれの起始動脈を正確に理解することが重要です。今回は、体幹後面の動脈系統について、後面から見た視点で解説します。
詳しい解説
体幹後面の動脈系統
| 系統 | 主な枝 |
|---|---|
| 鎖骨下動脈系統 | 肩甲上動脈、下行肩甲動脈、肩甲回旋動脈 |
| 胸大動脈系統 | 肋間動脈(第3〜11)、肋下動脈 |
| 腹大動脈系統 | 腰動脈(4対) |
| 内腸骨動脈系統 | 上殿動脈、下殿動脈、内陰部動脈 |
| 外腸骨動脈系統 | 下腹壁動脈、浅腹壁動脈 |
| 大腿動脈系統 | 大腿深動脈など |
肋間動脈の由来
肋間動脈は由来が3種類に分かれることが重要です。
| 肋間 | 起始動脈 |
|---|---|
| 第1・2肋間 | 最上肋間動脈(肋頸動脈の枝=鎖骨下動脈系) |
| 第3〜11肋間 | 胸大動脈 |
| 第12肋骨下 | 肋下動脈(胸大動脈の枝) |
第1・2肋間動脈は胸大動脈からではなく、鎖骨下動脈系の最上肋間動脈から分枝することに注意が必要です。
殿部の動脈
殿部には内腸骨動脈から3つの主要な動脈が分布しています。
| 動脈 | 通過部位 | 支配領域 |
|---|---|---|
| 上殿動脈 | 梨状筋上孔 | 中殿筋、小殿筋 |
| 下殿動脈 | 梨状筋下孔 | 大殿筋 |
| 内陰部動脈 | 梨状筋下孔 | 会陰部 |
梨状筋を境に上孔と下孔があり、通過する動脈が異なります。
梨状筋上孔と梨状筋下孔
| 通過部位 | 通過する構造物 |
|---|---|
| 梨状筋上孔 | 上殿動脈・上殿静脈・上殿神経 |
| 梨状筋下孔 | 下殿動脈・下殿静脈・下殿神経、内陰部動脈、坐骨神経など |
絶対に覚えるべきポイント
- 第1・2肋間動脈は最上肋間動脈(鎖骨下動脈系)から分枝
- 第3〜11肋間動脈は胸大動脈から分枝
- 上殿動脈は梨状筋上孔を通過
- 下殿動脈と内陰部動脈は梨状筋下孔を通過
- 腰動脈は4対で腹大動脈から分枝
一問一答
Q1. 第1・2肋間動脈はどの動脈から分枝しますか?
【答え】 A. 最上肋間動脈(肋頸動脈の枝)
第1・2肋間動脈は鎖骨下動脈系の最上肋間動脈から分枝します。胸大動脈からではありません。
Q2. 第3〜11肋間動脈はどの動脈から分枝しますか?
【答え】 A. 胸大動脈
第3〜11肋間動脈は胸大動脈から直接分枝します。
Q3. 上殿動脈はどこを通過しますか?
【答え】 A. 梨状筋上孔
上殿動脈は梨状筋の上方(梨状筋上孔)を通過して殿部に入り、中殿筋・小殿筋を栄養します。
Q4. 下殿動脈はどの筋を栄養しますか?
【答え】 A. 大殿筋
下殿動脈は梨状筋下孔を通過し、大殿筋に分布します。
Q5. 内陰部動脈はどこを通過しますか?
【答え】 A. 梨状筋下孔
内陰部動脈は梨状筋下孔を通過し、会陰部に分布します。
Q6. 殿部の動脈(上殿動脈・下殿動脈)はどの動脈の枝ですか?
【答え】 A. 内腸骨動脈
上殿動脈と下殿動脈はともに内腸骨動脈の枝です。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
第1・2肋間動脈の起始動脈はどれか。
a. 胸大動脈
b. 腹大動脈
c. 最上肋間動脈
d. 内胸動脈
【解答と解説】 正解:c
第1・2肋間動脈は最上肋間動脈(肋頸動脈の枝=鎖骨下動脈系)から分枝します。第3〜11肋間動脈は胸大動脈から分枝します。
問題2(選択問題)
梨状筋上孔を通過する動脈はどれか。
a. 下殿動脈
b. 上殿動脈
c. 内陰部動脈
d. 閉鎖動脈
【解答と解説】 正解:b
上殿動脈は梨状筋上孔を通過します。下殿動脈と内陰部動脈は梨状筋下孔を通過します。
問題3(選択問題)
殿部の動脈について正しいのはどれか。2つ選べ。
a. 上殿動脈は大殿筋を栄養する
b. 下殿動脈は大殿筋を栄養する
c. 上殿動脈は内腸骨動脈の枝である
d. 下殿動脈は外腸骨動脈の枝である
【解答と解説】 正解:b、c
下殿動脈は大殿筋を栄養し(b)、上殿動脈・下殿動脈ともに内腸骨動脈の枝です(c)。上殿動脈は中殿筋・小殿筋を栄養します(aは誤り)。
問題4(選択問題)
肋間動脈について正しいのはどれか。
a. すべて胸大動脈から分枝する
b. 第1・2肋間動脈は最上肋間動脈から分枝する
c. 肋下動脈は腹大動脈から分枝する
d. 腰動脈は胸大動脈から分枝する
【解答と解説】 正解:b
第1・2肋間動脈は最上肋間動脈(鎖骨下動脈系)から分枝します。第3〜11肋間動脈と肋下動脈は胸大動脈から、腰動脈は腹大動脈から分枝します。
まとめ
体幹後面の動脈は複数の系統に由来します。特に肋間動脈の由来(第1・2は最上肋間動脈、第3〜11は胸大動脈)は国試頻出です。殿部の動脈は内腸骨動脈の枝で、上殿動脈は梨状筋上孔、下殿動脈と内陰部動脈は梨状筋下孔を通過します。各動脈の起始と通過部位を正確に覚えましょう。
#解剖学 #循環器系 #国試対策







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