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特殊心筋と自動能

特殊心筋と自動能 – 完全攻略ガイド

目次

はじめに

心臓が休むことなく規則正しく拍動し続けられるのは、「特殊心筋」という特別な心筋細胞のおかげです。この特殊心筋は「自動能」という驚くべき能力を持っています。今回は、固有心筋と特殊心筋の違い、そして自動能のしくみについて徹底解説します。国家試験でも超頻出のテーマですので、しっかりマスターしましょう!

詳しい解説

固有心筋と特殊心筋の違い

心筋には2種類あります。

固有心筋(普通の心筋)

  • 心臓の壁を構成する通常の心筋細胞
  • 静止電位を持つ(約-90mV)
  • 自動能はない(自分では興奮を起こせない)
  • 刺激を受けて初めて収縮する

特殊心筋

  • 刺激伝導系を構成する特殊な心筋細胞
  • 静止電位を持たない
  • 自動能がある(自発的に興奮できる)
  • ペースメーカー細胞として機能

特殊心筋の自動能のしくみ

特殊心筋には安定した静止電位がありません。代わりに、時間の経過とともに徐々に電位が上昇していきます。これを「緩徐脱分極」といいます。

電位が上昇し続けて閾値に達すると、自動的に活動電位が発生します。これが「自動能」です。外部からの刺激がなくても、自分で興奮を起こすことができるのです。

刺激伝導系の各部位の刺激発生頻度

部位 刺激発生頻度
洞房結節 60〜80拍/分(最も高い)
房室結節 約50拍/分
ヒス束 約40拍/分
プルキンエ線維 30〜40拍/分(最も低い)

刺激伝導の順序

洞房結節房室結節ヒス束左脚・右脚プルキンエ線維

なぜ洞房結節がペースメーカーになるのか

刺激伝導系のすべての部位が自動能を持っていますが、通常は洞房結節がペースメーカーとして心拍のリズムを決定します。

その理由は、上位の特殊心筋ほど刺激発生頻度が高いからです。洞房結節が最も速く興奮を発生させるため、下位の部位は洞房結節からの刺激が到達する前に自分で閾値に達することができません。結果として、心臓全体が洞房結節のリズムに従って拍動します。

絶対に覚えるべきポイント

  • 固有心筋は静止電位を持つが、特殊心筋は静止電位を持たない
  • 特殊心筋は自動能を持つ(自発的に興奮できる)
  • 洞房結節の刺激発生頻度は60〜80拍/分で最も高い
  • プルキンエ線維は30〜40拍/分で最も低い
  • 洞房結節がペースメーカーとして機能する

一問一答

Q1. 静止電位を持つのは固有心筋と特殊心筋のどちらですか?

【答え】 A. 固有心筋

固有心筋は約-90mVの安定した静止電位を持ちます。一方、特殊心筋は静止電位を持たず、緩徐脱分極により自動能を発揮します。

Q2. 自動能を持つのは固有心筋と特殊心筋のどちらですか?

【答え】 A. 特殊心筋

特殊心筋は静止電位を持たないため、時間とともに電位が上昇し、自動的に閾値に達して活動電位を発生させることができます。

Q3. 刺激発生頻度が最も高い刺激伝導系の部位はどこですか?

【答え】 A. 洞房結節(60〜80拍/分)

洞房結節は刺激発生頻度が最も高いため、心臓のペースメーカーとして機能します。

Q4. プルキンエ線維の刺激発生頻度はいくつですか?

【答え】 A. 30〜40拍/分

プルキンエ線維は刺激伝導系の最下位に位置し、刺激発生頻度も最も低くなっています。

Q5. 刺激伝導系の興奮の伝わる順序を答えてください。

【答え】 A. 洞房結節→房室結節→ヒス束→左脚・右脚→プルキンエ線維

この順序で興奮が伝わることで、心房から心室へと効率よく収縮が伝播します。

Q6. 心臓のペースメーカーとして機能するのはどこですか?

【答え】 A. 洞房結節

洞房結節は刺激発生頻度が最も高いため、通常は心拍のリズムを決定するペースメーカーとして機能します。

国家試験対策問題

問題1(選択問題)

特殊心筋について正しいのはどれか。

a. 静止電位を持つ

b. 自動能を持たない

c. 固有心筋より多く存在する

d. 緩徐脱分極を示す

【解答と解説】 正解:d

特殊心筋は静止電位を持たず、時間とともに電位が徐々に上昇する「緩徐脱分極」を示します。これにより自動的に閾値に達し、自動能を発揮します。aは固有心筋の特徴、bは誤り(特殊心筋は自動能を持つ)、cは誤り(特殊心筋は刺激伝導系のみに存在し、固有心筋より少ない)です。

問題2(選択問題)

刺激伝導系の刺激発生頻度について正しいのはどれか。

a. 房室結節は60〜80拍/分である

b. 洞房結節は約50拍/分である

c. プルキンエ線維は30〜40拍/分である

d. ヒス束は最も頻度が高い

【解答と解説】 正解:c

プルキンエ線維の刺激発生頻度は30〜40拍/分で、刺激伝導系の中で最も低くなっています。洞房結節が60〜80拍/分で最も高く、房室結節は約50拍/分、ヒス束は約40拍/分です。

問題3(選択問題)

固有心筋と特殊心筋の違いについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a. 固有心筋は自動能を持つ

b. 特殊心筋は静止電位を持たない

c. 固有心筋は刺激伝導系を構成する

d. 特殊心筋は自発的に興奮できる

【解答と解説】 正解:b、d

特殊心筋は静止電位を持たず(b)、緩徐脱分極により自発的に興奮できます(d)。固有心筋は自動能を持たず(aは誤り)、心臓の壁を構成します(cは誤り、刺激伝導系は特殊心筋が構成)。

問題4(選択問題)

洞房結節が心臓のペースメーカーとして機能する理由はどれか。

a. 心臓の最も下部に位置するから

b. 刺激発生頻度が最も高いから

c. 固有心筋で構成されているから

d. 静止電位が最も高いから

【解答と解説】 正解:b

洞房結節は刺激発生頻度が60〜80拍/分と最も高いため、他の部位が自分で閾値に達する前に洞房結節からの刺激が到達します。これにより、心臓全体が洞房結節のリズムに従って拍動し、ペースメーカーとして機能します。

まとめ

特殊心筋と自動能は心臓の自律的な拍動を理解する上で重要な概念です。固有心筋は静止電位を持ち自動能がない一方、特殊心筋は静止電位を持たず自動能があるという対比をしっかり覚えましょう。また、洞房結節がペースメーカーとして機能する理由(刺激発生頻度が最も高い)も国試頻出です。刺激伝導系の順序と各部位の刺激発生頻度も確実に暗記しておきましょう。

#解剖学 #循環器系 #国試対策

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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