リボソームのタンパク質合成(翻訳) – 完全攻略ガイド
はじめに
リボソームは「タンパク質の工場」として知られる細胞小器官です。DNAの遺伝情報がmRNAに転写され、そのmRNAをリボソームが読み取ってタンパク質を作る過程を「翻訳」といいます。今回は、翻訳の仕組みについて詳しく解説します。
詳しい解説
翻訳とは
翻訳とは、mRNA上の遺伝暗号(コドン)を読み取り、タンパク質を合成する過程です。mRNAの塩基配列という「言語」を、アミノ酸配列という「言語」に翻訳することからこの名前がつきました。
翻訳に関わる分子
mRNA(メッセンジャーRNA)
- DNAから転写された遺伝情報を持つ
- コドン:3つの塩基の並び(例:AUG、GCU)
- 1つのコドンが1つのアミノ酸を指定
tRNA(トランスファーRNA)
- アミノ酸を運搬する役割
- アンチコドン:mRNAのコドンと相補的な3塩基配列を持つ
- 特定のアミノ酸と結合している
リボソーム
- 大サブユニットと小サブユニットから構成
- mRNAをはさみ込んで翻訳を行う
翻訳の流れ
- 開始:リボソームの大小サブユニットがmRNAをはさみ込む
- コドンの認識:mRNA上のコドンに対するアンチコドンを持つtRNAがやってくる
- アミノ酸の連結:tRNAが運搬してくるアミノ酸が次々とつながる
- ペプチド鎖の伸長:アミノ酸がつながってペプチド鎖を形成
- 終了:終止コドンでリボソームが離れ、タンパク質が完成
遺伝暗号(コドン)
mRNA上のタンパク質の設計情報は、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、U(ウラシル)の4文字で記録されています。
- 3つの塩基の組み合わせ(コドン)で1つのアミノ酸を指定
- 4³ = 64通りのコドンが存在
- 開始コドン:AUG(メチオニンを指定、翻訳開始の合図)
- 終止コドン:UAA、UAG、UGA(翻訳終了の合図)
転写と翻訳の違い
| 過程 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 転写 | 核内 | DNA → mRNA |
| 翻訳 | 細胞質(リボソーム) | mRNA → タンパク質 |
絶対に覚えるべきポイント
- 翻訳:mRNAの情報をもとにタンパク質を合成する過程
- リボソーム:大サブユニットと小サブユニットで構成
- コドン:mRNA上の3塩基配列(アミノ酸を指定)
- アンチコドン:tRNA上の3塩基配列(コドンと相補的)
- tRNA:アミノ酸を運搬する
- 開始コドン:AUG
- 終止コドン:UAA、UAG、UGA
一問一答
Q1. 翻訳とはどのような過程ですか?
【答え】 A. mRNAの遺伝暗号を読み取り、タンパク質を合成する過程
リボソームがmRNAを読み取り、tRNAが運んでくるアミノ酸をつなげてタンパク質を作ります。
Q2. リボソームはどのような構造をしていますか?
【答え】 A. 大サブユニットと小サブユニットから構成される
翻訳時に両サブユニットがmRNAをはさみ込みます。
Q3. コドンとは何ですか?
【答え】 A. mRNA上の3つの塩基配列で、1つのアミノ酸を指定する
例:AUGはメチオニンを指定します。
Q4. tRNAの役割は何ですか?
【答え】 A. アミノ酸を運搬する
tRNAはアンチコドンでmRNAのコドンを認識し、対応するアミノ酸を運びます。
Q5. 翻訳開始を示すコドン(開始コドン)は何ですか?
【答え】 A. AUG
AUGはメチオニンを指定すると同時に、翻訳開始の合図となります。
Q6. mRNAを構成する4種類の塩基は何ですか?
【答え】 A. A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、U(ウラシル)
DNAのT(チミン)がU(ウラシル)に置き換わっています。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
mRNAの情報をもとにタンパク質を合成する過程を何というか。
a. 転写
b. 翻訳
c. 複製
d. 修飾
【解答と解説】 正解:b
翻訳はリボソームでmRNAの遺伝暗号を読み取り、タンパク質を合成する過程です。転写はDNA→mRNAの過程です。
問題2(選択問題)
タンパク質合成においてアミノ酸を運搬するのはどれか。
a. mRNA
b. tRNA
c. rRNA
d. DNA
【解答と解説】 正解:b
tRNA(トランスファーRNA)はアンチコドンでmRNAのコドンを認識し、対応するアミノ酸を運搬します。
問題3(○×問題)
1つのコドンは4つの塩基から構成される。
【解答と解説】 正解:×
1つのコドンは3つの塩基から構成されます(トリプレットコード)。3つの塩基で1つのアミノ酸を指定します。
問題4(選択問題)
翻訳開始を示すコドンとして正しいのはどれか。
a. UAA
b. UAG
c. UGA
d. AUG
【解答と解説】 正解:d
AUGは開始コドンで、メチオニンを指定すると同時に翻訳開始の合図となります。UAA、UAG、UGAは終止コドンです。
問題5(穴埋め問題)
リボソームは( )サブユニットと( )サブユニットから構成される。
【解答と解説】 正解:大、小
翻訳時にリボソームの大小サブユニットがmRNAをはさみ込んで翻訳を行います。
まとめ
翻訳に関わる分子
| 分子 | 役割 |
|---|---|
| mRNA | 遺伝情報を運ぶ、コドンを持つ |
| tRNA | アミノ酸を運搬、アンチコドンを持つ |
| リボソーム | 翻訳の場、大小サブユニット |
翻訳の流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | リボソームがmRNAをはさみ込む |
| 2 | tRNAがアミノ酸を運搬 |
| 3 | コドン-アンチコドンが対合 |
| 4 | アミノ酸が連結(ペプチド結合) |
| 5 | 終止コドンで終了 |
覚え方のポイント
「転写は核内でDNA→mRNA」「翻訳はリボソームでmRNA→タンパク質」と場所と方向をセットで覚えましょう。「AUGで始まり(開始)、UAA/UAG/UGAで終わる(終止)」も重要です。
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