直接路と間接路 – 完全攻略ガイド
はじめに
大脳基底核の運動制御回路には直接路、間接路、ハイパー直接路の3つの経路があります。直接路は運動を促進(アクセル)、間接路は運動を抑制(ブレーキ)、ハイパー直接路は緊急停止の役割を担います。この機能の違いは国家試験で超頻出です。
詳しい解説
3つの経路の概要
| 経路 | 機能 | 例え |
|---|---|---|
| 直接路 | 運動を「やりやすくする」(開始しやすくする) | アクセルのはたらき |
| 間接路 | 運動を「抑えたり止めたりする」 | ブレーキのはたらき |
| ハイパー直接路 | 「緊急停止」即座に強力なブレーキ | 「危ない!すぐに動きを止めろ!」 |
直接路(運動促進)
| ステップ | 変化 |
|---|---|
| 線条体の活動 | ↑増加 |
| 線条体→淡蒼球内節/黒質網様部への抑制 | ↑増加 |
| 淡蒼球内節→視床への抑制が減少(脱抑制) | ↓減少 |
| 視床の活動 | ↑増加 |
| 結果 | 運動の発現 |
直接路の詳細
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 経路 | 大脳皮質→線条体→淡蒼球内節(GPi)→視床→大脳皮質 |
| 受容体 | D1受容体(ドパミンで興奮) |
| 神経伝達 | 線条体(GABA)→GPi(GABA)→視床(グルタミン酸) |
| 結果 | 脱抑制により視床が興奮、運動発現 |
間接路(運動抑制)
| ステップ | 変化 |
|---|---|
| 線条体の活動 | ↑増加 |
| 線条体→淡蒼球外節への抑制 | ↑増加 |
| 淡蒼球外節→視床下核への抑制が減少 | ↓減少 |
| 視床下核の活動 | ↑増加 |
| 視床下核→淡蒼球内節への興奮 | ↑増加 |
| 淡蒼球内節→視床への抑制 | ↑増加 |
| 結果 | 不必要な運動を抑制 |
間接路の詳細
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 経路 | 大脳皮質→線条体→淡蒼球外節(GPe)→視床下核(STN)→GPi→視床 |
| 受容体 | D2受容体(ドパミンで抑制) |
| 結果 | 視床への抑制が増加、運動抑制 |
ハイパー直接路(緊急停止)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 経路 | 大脳皮質→視床下核(STN)→淡蒼球内節(GPi) |
| 特徴 | 線条体を介さず、直接視床下核を興奮 |
| 機能 | 即座に強力なブレーキ=「緊急停止」 |
| 例 | 信号が赤に変わったときに急に止まる |
直接路と間接路の比較
| 項目 | 直接路 | 間接路 |
|---|---|---|
| 機能 | 運動促進 | 運動抑制 |
| 受容体 | D1受容体 | D2受容体 |
| 中継核 | なし(線条体→GPi) | GPe→STN |
| GPi活動 | 抑制される | 興奮される |
| 視床活動 | 増加(脱抑制) | 減少(抑制) |
絶対に覚えるべきポイント
- 直接路=運動促進(アクセル)=D1受容体
- 間接路=運動抑制(ブレーキ)=D2受容体
- ハイパー直接路=緊急停止
- 淡蒼球内節(GPi)が最終出力核
- 直接路は「脱抑制」で視床を活性化
一問一答
Q1. 直接路の機能は何か?
【答え】 A. 運動促進(アクセル)
直接路は線条体がGPiを抑制し、視床の脱抑制により運動を促進します。
Q2. 間接路の機能は何か?
【答え】 A. 運動抑制(ブレーキ)
間接路はGPeとSTNを介してGPiを興奮させ、視床を抑制して運動を抑えます。
Q3. 直接路に関与するドパミン受容体は?
【答え】 A. D1受容体
D1受容体を発現する線条体ニューロンが直接路を構成します。
Q4. 間接路に関与するドパミン受容体は?
【答え】 A. D2受容体
D2受容体を発現する線条体ニューロンが間接路を構成します。
Q5. ハイパー直接路の経路は?
【答え】 A. 大脳皮質→視床下核→淡蒼球内節
線条体を介さず、直接視床下核を興奮させて緊急停止を行います。
Q6. 直接路で視床が活性化するメカニズムは?
【答え】 A. 脱抑制
線条体がGPiを抑制することで、GPiから視床への抑制が減少(脱抑制)し、視床が活性化します。
国家試験対策問題
問題1
直接路について正しいのはどれか。
a. 運動を抑制する
b. D2受容体が関与する
c. 視床下核を経由する
d. 運動を促進する
e. ハイパー直接路と同じ経路である
【解答と解説】 正解:d
直接路は線条体がGPiを抑制することで視床の脱抑制を起こし、運動を促進します。D1受容体が関与します。
問題2
間接路について正しいのはどれか。
a. D1受容体が関与する
b. 淡蒼球外節を経由しない
c. 運動を促進する
d. 視床下核を経由する
e. 緊急停止に関与する
【解答と解説】 正解:d
間接路は線条体→GPe→STN→GPiの経路で、D2受容体が関与し、運動を抑制します。
問題3
ハイパー直接路について正しいのはどれか。
a. 線条体を経由する
b. 運動を促進する
c. D1受容体が関与する
d. 淡蒼球外節を経由する
e. 緊急停止に関与する
【解答と解説】 正解:e
ハイパー直接路は大脳皮質→視床下核→GPiの経路で、線条体を介さずに即座に運動を停止させます。
問題4
直接路と間接路の違いで正しいのはどれか。
a. 両者とも運動を促進する
b. 直接路はD2受容体、間接路はD1受容体
c. 直接路は運動促進、間接路は運動抑制
d. 両者とも視床下核を経由する
e. 直接路のみ淡蒼球内節を経由する
【解答と解説】 正解:c
直接路は運動促進(アクセル)、間接路は運動抑制(ブレーキ)の機能を持ちます。
まとめ
大脳基底核の運動制御回路には3つの経路があります。直接路(皮質→線条体→GPi→視床)はD1受容体を介して運動を促進し、間接路(皮質→線条体→GPe→STN→GPi→視床)はD2受容体を介して運動を抑制します。ハイパー直接路(皮質→STN→GPi)は線条体を介さず緊急停止を行います。これらのバランスにより滑らかな運動が可能になります。
#解剖学 #神経系 #基底核回路







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