頭頂連合野の障害によって生じる症状 – 完全攻略ガイド
はじめに
頭頂連合野の障害では、失語・失読・失書・失行・失認・半側空間無視など様々な症状が出現します。損傷部位(左頭頂葉か右頭頂葉か)により症状が異なることを理解することは国家試験で超頻出です。
詳しい解説
主要な症状一覧
| 症状 | 定義 | 関連する損傷部位 |
|---|---|---|
| 失語 | 言語の理解・産出の障害 | 左頭頂葉、言語野周辺 |
| 失読・失書 | 文字が読めない・書けない | 左頭頂葉(角回など) |
| 失行 | 運動は可能だが目的ある行為ができない | 頭頂葉 |
| 失認 | 感覚は正常だが認識できない | 頭頂葉 |
| 半側空間無視 | 空間の一側を無視する | 右頭頂葉(劣位半球) |
失語の種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 伝導失語 | 音韻処理の問題、話そうとする内容と実際の発話にずれが生じる |
| 健忘失語 | 物の名前が思い出せない(視覚や知覚には問題なし) |
失読・失書
| 症状 | 詳細 |
|---|---|
| 失読 | 文字の視覚的情報と意味の対応ができない(文字が読めない) |
| 失書 | 文字が書けなくなる |
| 損傷部位 | 左頭頂葉(特に角回) |
失行の種類
| 種類 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 観念失行 | 複数ステップの行為の計画が困難 | マッチとタバコを正しく扱えない |
| 観念運動失行 | 指示された単純動作が正しく行えない | 「手を振って」と言われてもできない |
| 着衣失行 | 服の前後や左右がわからない | 主に右頭頂葉の損傷 |
失認の種類
| 種類 | 詳細 |
|---|---|
| 身体部位失認 | 自分の体の部位を認識・判別できない |
| 特徴 | 感覚入力は正常だが、対象が何であるかを認識できない |
半側空間無視
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 定義 | 空間の一側(主に左側)を無視する |
| 損傷部位 | 右頭頂葉(劣位半球)の損傷 |
| 特徴 | 左側の物体や空間を見落とし、本人も自覚がない |
| 影響 | 生活や安全面に大きな支障が生じる |
損傷部位と症状の対応
| 損傷部位 | 主な症状 |
|---|---|
| 左頭頂葉(優位半球) | 失語、失読、失書、観念失行 |
| 右頭頂葉(劣位半球) | 半側空間無視、着衣失行 |
| 角回 | 失読、失書、計算障害(ゲルストマン症候群) |
絶対に覚えるべきポイント
- 失行=運動は可能だが目的ある行為ができない
- 失認=感覚は正常だが認識できない
- 半側空間無視=右頭頂葉損傷で左側を無視
- 左頭頂葉障害=失語、失読、失書
- 右頭頂葉障害=半側空間無視、着衣失行
一問一答
Q1. 失行とはどのような状態か?
【答え】 A. 運動機能に問題がないにもかかわらず、目的のある行為を正しく遂行できない状態
感覚や運動自体は正常だが、意図した動作ができなくなります。
Q2. 半側空間無視はどちらの半球の障害で起こることが多いか?
【答え】 A. 右半球(右頭頂葉)
右頭頂葉(劣位半球)の障害で、左側の空間を無視します。
Q3. 失読・失書の原因となる損傷部位は?
【答え】 A. 左頭頂葉(角回)
角回の損傷により、文字の認知・処理が障害されます。
Q4. 着衣失行はどちらの半球の障害で起こりやすいか?
【答え】 A. 右頭頂葉
服の前後や左右がわからなくなり、正しく着衣できなくなります。
Q5. 観念失行の特徴は?
【答え】 A. 複数ステップの行為の計画が困難
例えばマッチでタバコに火をつけるなど、一連の動作の順序がわからなくなります。
Q6. 失認とはどのような状態か?
【答え】 A. 感覚入力は正常だが、対象が何であるかを認識できない状態
見えている・聞こえているのに、それが何かわからなくなります。
国家試験対策問題
問題1
半側空間無視について正しいのはどれか。
a. 左頭頂葉の障害で起こる
b. 右側の空間を無視することが多い
c. 患者は症状を自覚している
d. 右頭頂葉の障害で起こる
e. 視覚障害が原因である
【解答と解説】 正解:d
半側空間無視は右頭頂葉(劣位半球)の障害で起こり、左側の空間を無視します。患者本人は症状を自覚していないことが多いです。
問題2
失行について正しいのはどれか。
a. 運動麻痺が原因である
b. 感覚障害が原因である
c. 運動は可能だが目的ある行為ができない
d. 意識障害が原因である
e. 筋力低下が原因である
【解答と解説】 正解:c
失行は運動機能や意識に問題がないにもかかわらず、目的のある行為を正しく遂行できない状態です。
問題3
左頭頂葉(優位半球)の障害で見られる症状はどれか。
a. 半側空間無視
b. 着衣失行
c. 失読
d. 相貌失認
e. 視覚失認
【解答と解説】 正解:c
左頭頂葉(優位半球)の障害では失語、失読、失書、観念失行が見られます。半側空間無視と着衣失行は右頭頂葉の障害で起こります。
問題4
角回の障害で見られる症状の組み合わせはどれか。
a. 失語、失行
b. 失読、失書、計算障害
c. 半側空間無視、着衣失行
d. 相貌失認、視覚失認
e. 観念失行、観念運動失行
【解答と解説】 正解:b
角回の障害では失読、失書、計算障害が見られます。これにさらに手指失認と左右失認が加わるとゲルストマン症候群となります。
まとめ
頭頂連合野の障害では、損傷部位により様々な症状が出現します。左頭頂葉(優位半球)障害では失語・失読・失書・観念失行が、右頭頂葉(劣位半球)障害では半側空間無視・着衣失行が起こります。失行は「運動は可能だが目的ある行為ができない」、失認は「感覚は正常だが認識できない」状態で、両者の違いを理解することが重要です。
#解剖学 #神経系 #高次脳機能障害







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