胆汁酸による脂質の乳化とミセル形成 – 完全攻略ガイド
はじめに
脂質(トリグリセリド)は水に不溶性のため、そのままでは消化・吸収されにくいです。胆汁酸による乳化→膵リパーゼによる分解→ミセル形成→吸収という過程を理解しましょう。
詳しい解説
脂質消化の問題点
- トリグリセリド(中性脂肪)は水に不溶性なので、そのままでは塊をつくり脂肪を分解する酵素(リパーゼ)が働きにくい
- 胆汁酸の作用により、小さい粒にわけられる → これを乳化という
乳化とミセル形成の過程(国試頻出!)
Step 1: 乳化
- 胆汁酸が脂肪滴に作用
- 大きな脂肪滴を小さな脂肪滴(1〜2μm)に分解
Step 2: リパーゼによる分解
- 膵液中のリパーゼが作用
- トリグリセリドを脂肪酸とモノグリセリドに分解
Step 3: ミセル形成
- 乳化した脂肪滴(1〜2μm)
- モノグリセリドと脂肪酸が胆汁酸の作用を受けてミセルを形成(20〜50nm)
- ミセルは脂肪酸・モノグリセリド・コレステロール・胆汁酸で構成
Step 4: 吸収
- 小腸粘膜表面でミセルが壊れる
- 脂肪酸やモノグリセリド、コレステロールは細胞膜の脂質二重層を通過
- 小腸の吸収上皮細胞内で再びトリグリセリドに合成
- コレステロールも加わりカイロミクロンが合成
- 中心リンパ管に入る
絶対に覚えるべきポイント
- 胆汁酸は脂肪を乳化
- 膵リパーゼで脂肪酸とモノグリセリドに分解
- ミセルを形成して吸収を促進
- 吸収後カイロミクロンに再合成
- 脂質は中心リンパ管に入る
一問一答
Q1. 胆汁酸の脂質消化における役割は?
【答え】 A. 乳化(脂肪滴を小さくする)
膵リパーゼが作用しやすくします。
Q2. 膵リパーゼは何を分解しますか?
【答え】 A. トリグリセリドを脂肪酸とモノグリセリドに
乳化された脂肪滴に作用します。
Q3. ミセルの構成成分は?
【答え】 A. 脂肪酸・モノグリセリド・コレステロール・胆汁酸
吸収されやすい形態です。
Q4. 吸収後に脂質は何に再合成されますか?
【答え】 A. カイロミクロン
トリグリセリドとコレステロールから合成されます。
Q5. カイロミクロンはどこに入りますか?
【答え】 A. 中心リンパ管
門脈ではなくリンパ管に入ります。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
脂質の消化吸収について正しいのはどれか。
a) 胆汁酸は脂肪を分解する
b) 乳化は膵リパーゼの作用である
c) ミセル形成により吸収が促進される
d) 脂質は門脈に吸収される
【解答と解説】 正解:c
胆汁酸は脂肪を乳化し(分解ではない)、膵リパーゼが分解します。ミセル形成により吸収が促進され、脂質は中心リンパ管に吸収されます。
問題2(○×問題)
「脂質は小腸で吸収された後、門脈を経て肝臓に運ばれる」
【解答と解説】 正解:×
脂質は中心リンパ管に吸収され、胸管を経て血液循環に入ります。門脈を経るのは糖質とアミノ酸です。
問題3(穴埋め問題)
胆汁酸により脂肪は( )され、膵( )により脂肪酸と( )に分解される。その後( )を形成して吸収される。
【解答と解説】 正解:乳化・リパーゼ・モノグリセリド・ミセル
脂質消化の流れを覚えましょう。
問題4(選択問題)
カイロミクロンについて正しいのはどれか。
a) 胃で合成される
b) 門脈に入る
c) 中心リンパ管に入る
d) 糖質から合成される
【解答と解説】 正解:c
カイロミクロンは小腸吸収上皮細胞で合成され、中心リンパ管に入ります。
まとめ
脂質消化の流れ チェックリスト
| チェック | 段階 | 内容 |
|---|---|---|
| □ | 乳化 | 胆汁酸が脂肪滴を小さくする |
| □ | 分解 | 膵リパーゼで脂肪酸+モノグリセリド |
| □ | ミセル形成 | 胆汁酸と結合して小さな粒子に |
| □ | 吸収 | 小腸粘膜から吸収 |
| □ | 再合成 | カイロミクロンを形成 |
| □ | 輸送 | 中心リンパ管へ |
乳化とミセルの違い
| 項目 | 乳化脂肪滴 | ミセル |
|---|---|---|
| サイズ | 1〜2μm | 20〜50nm |
| 構成 | トリグリセリド | 脂肪酸・モノグリセリド等 |
覚え方のコツ
「乳化→分解→ミセル→カイロミクロン→リンパ管」
#解剖学 #消化器系 #国試対策







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