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嚥下のしくみ

嚥下のしくみ – 完全攻略ガイド

目次

はじめに

嚥下(えんげ)は食物を口腔から胃へ送り込む一連の運動です。嚥下は3つの相(口腔相・咽頭相・食道相)に分けられ、それぞれ異なる運動様式で進行します。国家試験では各相の特徴と運動様式が頻出です。

詳しい解説

嚥下の3相

名称 運動様式 特徴
第1相 口腔相 随意運動 自分の意思で制御可能
第2相 咽頭相 反射運動 嚥下反射(不随意)
第3相 食道相 蠕動運動 不随意運動

第1相(口腔相)- 随意運動

特徴: 自分の意思でコントロールできる

過程:

  • 口唇が閉じる
  • 下顎が固定される
  • 舌が後上方に引き上げられる
  • 舌が硬口蓋に押し付けられる
  • 食塊が咽頭へ押し込まれる

ポイント: 舌の運動が重要で、舌下神経(XII)が支配

第2相(咽頭相)- 反射運動

特徴: 嚥下反射により不随意的に進行(約1秒で完了)

過程:

  • 軟口蓋が挙上し、咽頭後壁に押し付けられる

→ 咽頭鼻部と咽頭口部の通路が閉じる(鼻腔への逆流防止)

  • 喉頭蓋が後方に倒れて喉頭口を閉鎖

→ 気管への通路が閉じる(誤嚥防止)

  • 舌根が挙上

→ 口腔への逆流防止

  • 咽頭の筋が収縮し、咽頭内圧が上昇
  • 食塊が食道へ送られる

ポイント: 3つの通路(鼻腔・気管・口腔)を閉鎖してから食道へ送る

第3相(食道相)- 蠕動運動

特徴: 食道の蠕動運動により胃へ輸送

過程:

  • 食道の蠕動運動により、食塊は胃に向かって移送される
  • 重力に逆らっても輸送可能(逆立ちしても飲み込める)
  • 約6〜10秒で胃に到達

嚥下に関わる構造の役割

構造 役割
軟口蓋 鼻腔への逆流防止
喉頭蓋 気管への誤嚥防止
舌根 口腔への逆流防止
咽頭筋 食塊を食道へ押し出す

絶対に覚えるべきポイント

  • 第1相(口腔相): 随意運動
  • 第2相(咽頭相): 反射運動(嚥下反射)
  • 第3相(食道相): 蠕動運動
  • 軟口蓋: 鼻腔への逆流を防ぐ
  • 喉頭蓋: 気管への誤嚥を防ぐ

一問一答

Q1. 嚥下の第1相の運動様式は何ですか?

【答え】 A. 随意運動

自分の意思でコントロールできる段階です。

Q2. 嚥下の第2相の運動様式は何ですか?

【答え】 A. 反射運動

嚥下反射により不随意的に進行します。

Q3. 嚥下時に気管への誤嚥を防ぐ構造は何ですか?

【答え】 A. 喉頭蓋

後方に倒れて喉頭口を閉鎖します。

Q4. 嚥下時に鼻腔への逆流を防ぐ構造は何ですか?

【答え】 A. 軟口蓋

挙上して咽頭後壁に押し付けられます。

Q5. 食道相での輸送方法は何ですか?

【答え】 A. 蠕動運動

食道壁の筋肉が収縮して食塊を胃へ送ります。

Q6. 嚥下の3相を順番に答えてください。

【答え】 A. 口腔相→咽頭相→食道相

随意→反射→蠕動の順に進行します。

国家試験対策問題

問題1(選択問題)

嚥下について正しいのはどれか。

a) 第1相は反射運動である

b) 第2相は随意運動である

c) 第3相は蠕動運動である

d) 全ての相が随意運動である

【解答と解説】 正解:c

第1相(口腔相)は随意運動、第2相(咽頭相)は反射運動、第3相(食道相)は蠕動運動です。

問題2(○×問題)

「嚥下時に喉頭蓋は鼻腔への逆流を防ぐ」

【解答と解説】 正解:×

喉頭蓋は気管への誤嚥を防ぎます。鼻腔への逆流を防ぐのは軟口蓋です。

問題3(穴埋め問題)

嚥下の第2相では、(  )が挙上して鼻腔への逆流を防ぎ、(  )が閉鎖して気管への誤嚥を防ぐ。

【解答と解説】 正解:軟口蓋・喉頭蓋

第2相(咽頭相)での閉鎖機構を覚えましょう。

問題4(選択問題)

嚥下の咽頭相について正しいのはどれか。

a) 随意運動である

b) 嚥下反射により進行する

c) 蠕動運動による

d) 約30秒かかる

【解答と解説】 正解:b

咽頭相は嚥下反射(反射運動)により約1秒で完了します。

問題5(選択問題)

嚥下の口腔相で正しいのはどれか。

a) 舌が硬口蓋に押し付けられる

b) 喉頭蓋が閉鎖する

c) 軟口蓋が挙上する

d) 蠕動運動が起こる

【解答と解説】 正解:a

口腔相では舌が硬口蓋に押し付けられながら食塊を咽頭へ押し込みます。喉頭蓋閉鎖と軟口蓋挙上は咽頭相、蠕動運動は食道相です。

まとめ

嚥下の3相 チェックリスト

チェック 項目
第1相(口腔相)= 随意運動
第2相(咽頭相)= 反射運動
第3相(食道相)= 蠕動運動
軟口蓋 = 鼻腔への逆流防止
喉頭蓋 = 気管への誤嚥防止

嚥下の過程

【第1相:口腔相】随意運動

舌で食塊を咽頭へ押し込む

【第2相:咽頭相】反射運動

軟口蓋挙上(鼻腔閉鎖)

喉頭蓋閉鎖(気管閉鎖)

食塊が食道へ

【第3相:食道相】蠕動運動

食道の蠕動で胃へ輸送

覚え方のコツ

「随・反・蠕(ずい・はん・ぜん)」

  • 口腔相:随意運動
  • 咽頭相:反射運動
  • 食道相:蠕動運動

「軟口蓋は鼻、喉頭蓋は気管」

#解剖学 #消化器系 #国試対策

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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