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腋窩部の動脈

腋窩部の動脈 – 完全攻略ガイド

目次

はじめに

腋窩部の動脈は、上肢への血液供給の要となる重要な血管群です。鎖骨下動脈から腋窩動脈へと続く血管の走行と分枝を理解することは、臨床的にも国家試験対策としても非常に重要です。特に「ツナコロッケ」の語呂合わせで覚える鎖骨下動脈の4枝は頻出事項です。

詳しい解説

鎖骨下動脈の枝

鎖骨下動脈は大動脈弓(左)または腕頭動脈(右)から分岐し、第1肋骨の外側縁で腋窩動脈に移行します。その枝は「ツナコロッケ」の語呂で覚えます。

  • 椎骨動脈(ツ): 脳底動脈へ合流し、後大脳動脈やウイリス動脈輪を形成
  • 内胸動脈(ナ): 心膜横隔動脈、前肋間枝、筋横隔動脈、上腹壁動脈を分枝
  • 甲状頸動脈(コ): 下甲状腺動脈、上行頸動脈、頸横動脈、肩甲上動脈を分枝
  • 肋頸動脈(ロッケ): 深頸動脈、最上肋間動脈を分枝

腋窩動脈の枝

腋窩動脈は小胸筋を基準に3部に分けられ、7つの主要な枝を出します。

  • 肩甲下枝: 肩甲下筋へ分布
  • 最上胸動脈: 第1・2肋間へ分布
  • 胸肩峰動脈: 胸筋枝、三角筋枝、肩峰枝、鎖骨枝の4枝に分かれる
  • 外側胸動脈: 前鋸筋と乳房へ分布
  • 肩甲下動脈: 肩甲回旋動脈と胸背動脈に分岐
  • 前上腕回旋動脈: 上腕骨頭前方を走行
  • 後上腕回旋動脈: 腋窩神経と共に外側腋窩隙を通過

胸肩峰動脈の4枝

胸肩峰動脈は腋窩動脈の重要な枝で、以下の4つに分かれます。

  • 胸筋枝: 大胸筋、小胸筋を栄養
  • 三角筋枝: 三角筋を栄養
  • 肩峰枝: 肩峰を栄養
  • 鎖骨枝: 鎖骨下筋を栄養

周囲の重要構造物

腋窩動脈の周囲には、大胸筋(前方)、小胸筋(腋窩動脈の前方)、烏口腕筋(腕神経叢と共に)があり、後上腕回旋動脈は腋窩神経と共に外側腋窩隙を通過する点が臨床的に重要です。

絶対に覚えるべきポイント

  • 鎖骨下動脈の4枝: 「ツナコロッケ」=椎骨・内胸・甲状頸・肋頸動脈
  • 後上腕回旋動脈と腋窩神経: 共に外側腋窩隙を通過(肩関節脱臼で損傷リスク)
  • 胸肩峰動脈の4枝: 胸筋枝・三角筋枝・肩峰枝・鎖骨枝
  • 腋窩動脈の7枝: 肩甲下枝・最上胸動脈・胸肩峰動脈・外側胸動脈・肩甲下動脈・前/後上腕回旋動脈

一問一答

Q1. 鎖骨下動脈の4枝を語呂合わせで覚える方法は?

【答え】 A. ツナコロッケ(椎骨動脈・内胸動脈・甲状頸動脈・肋頸動脈)

椎骨動脈の「ツ」、内胸動脈の「ナ」、甲状頸動脈の「コ」、肋頸動脈の「ロッケ」で覚えます。

Q2. 後上腕回旋動脈と共に外側腋窩隙を通過する神経は?

【答え】 A. 腋窩神経

肩関節脱臼時にこの神経が損傷されやすく、三角筋の麻痺や肩外側の感覚障害を引き起こします。

Q3. 胸肩峰動脈が分かれる4つの枝は?

【答え】 A. 胸筋枝、三角筋枝、肩峰枝、鎖骨枝

それぞれ大胸筋・小胸筋、三角筋、肩峰、鎖骨下筋を栄養します。

Q4. 腋窩動脈の前方に位置する筋は?

【答え】 A. 小胸筋

腋窩動脈は小胸筋を基準に3部に分けられます。

Q5. 肩甲下動脈が分岐する2つの動脈は?

【答え】 A. 肩甲回旋動脈と胸背動脈

肩甲下動脈は腋窩動脈の最大の枝です。

Q6. 鎖骨下動脈はどこで腋窩動脈に名称が変わる?

【答え】 A. 第1肋骨の外側縁

第1肋骨を越えると腋窩動脈と呼ばれるようになります。

国家試験対策問題

問題1(選択問題)

鎖骨下動脈の枝として正しいものはどれか。2つ選べ。

a. 椎骨動脈

b. 肩甲下動脈

c. 胸肩峰動脈

d. 内胸動脈

e. 外側胸動脈

【解答と解説】 正解:a、d

鎖骨下動脈の枝は「ツナコロッケ」で、椎骨動脈・内胸動脈・甲状頸動脈・肋頸動脈の4つです。肩甲下動脈、胸肩峰動脈、外側胸動脈は腋窩動脈の枝です。

問題2(選択問題)

後上腕回旋動脈と共に外側腋窩隙を通過する神経はどれか。

a. 筋皮神経

b. 正中神経

c. 腋窩神経

d. 橈骨神経

e. 尺骨神経

【解答と解説】 正解:c

後上腕回旋動脈は腋窩神経と共に外側腋窩隙(大円筋、小円筋、上腕三頭筋長頭、上腕骨で囲まれる隙間)を通過します。この知識は肩関節脱臼時の神経損傷を理解する上で重要です。

問題3(選択問題)

腋窩動脈の枝でないものはどれか。

a. 最上胸動脈

b. 外側胸動脈

c. 甲状頸動脈

d. 前上腕回旋動脈

e. 肩甲下動脈

【解答と解説】 正解:c

甲状頸動脈は鎖骨下動脈の枝(ツナコロッケの「コ」)です。他の選択肢はすべて腋窩動脈の枝です。

問題4(選択問題)

胸肩峰動脈の枝として誤っているものはどれか。

a. 胸筋枝

b. 三角筋枝

c. 肩峰枝

d. 鎖骨枝

e. 肋間枝

【解答と解説】 正解:e

胸肩峰動脈の枝は胸筋枝、三角筋枝、肩峰枝、鎖骨枝の4つです。肋間枝(前肋間枝)は内胸動脈の枝です。

まとめ

腋窩部の動脈を理解するポイントは、鎖骨下動脈の「ツナコロッケ」4枝と腋窩動脈の7枝をしっかり区別することです。特に後上腕回旋動脈と腋窩神経が外側腋窩隙を通過する関係は、臨床的にも国試対策としても最重要です。胸肩峰動脈の4枝も頻出なので確実に覚えましょう。

#解剖学 #循環器系 #国試対策

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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