心電図 – 完全攻略ガイド
はじめに
心電図(ECG/EKG)は心臓の電気的活動を記録したもので、心疾患の診断に欠かせない検査です。看護師国家試験でも毎年のように出題される超重要テーマです。今回は、心電図の基本波形から虚血性心疾患の心電図変化まで、わかりやすく解説します。
詳しい解説
心電図の基本波形
心電図には3つの基本的な波形があります。
P波
- 心房の興奮(脱分極) を表す
- 洞房結節から発生した興奮が心房全体に広がる過程を反映
- 正常では上向きの小さな波
QRS波
- 心室の興奮(脱分極) を表す
- 心室全体が興奮する過程を反映
- 鋭く大きな波形で、Q波・R波・S波の3成分からなる
T波
- 心室の再分極 を表す
- 心室が興奮から回復する過程を反映
- 緩やかな上向きの波
心電図の間隔
| 間隔 | 意味 | 正常値 |
|---|---|---|
| PQ間隔 | 心房興奮開始から心室興奮開始まで(房室伝導時間) | 0.12〜0.20秒 |
| QRS幅 | 心室の興奮時間 | 0.10秒以下 |
| QT間隔 | 心室興奮開始から再分極終了まで | – |
心電図の正常値
| 要素 | 正常値 |
|---|---|
| 心拍数 | 60〜100回/分 |
| PQ間隔 | 0.12〜0.20秒 |
| QRS幅 | 0.10秒以下 |
虚血性心疾患の心電図変化
虚血性心疾患では、狭心症と心筋梗塞で心電図変化が異なります。
狭心症
- ST低下 が特徴的
- 発作時間は 15分以内 と短い
- 冠動脈の一時的な狭窄による心筋虚血
心筋梗塞
- 異常Q波 – 心筋壊死を反映
- ST上昇 – 急性期の特徴的所見
- 冠性T波(陰性T波) – 虚血を反映
- 30分以上続く痛み が特徴
- 冠動脈の閉塞による心筋壊死
ST変化の覚え方
- ST低下 = 狭心症(一時的な虚血)
- ST上昇 = 心筋梗塞(心筋壊死)
絶対に覚えるべきポイント
- P波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮、T波は心室の再分極
- 狭心症はST低下(発作時間15分以内)
- 心筋梗塞は異常Q波・ST上昇・冠性T波(30分以上続く痛み)
- PQ間隔の正常値は0.12〜0.20秒
- QRS幅の正常値は0.10秒以下
一問一答
Q1. P波は何を表していますか?
【答え】 A. 心房の興奮(脱分極)
P波は洞房結節から発生した興奮が心房全体に広がる過程を反映しています。
Q2. QRS波は何を表していますか?
【答え】 A. 心室の興奮(脱分極)
QRS波は心室全体が興奮する過程を表します。Q波・R波・S波の3成分からなります。
Q3. T波は何を表していますか?
【答え】 A. 心室の再分極
T波は心室が興奮から回復する過程(再分極)を表しています。
Q4. 狭心症の心電図変化の特徴は何ですか?
【答え】 A. ST低下
狭心症では冠動脈の一時的な狭窄により心筋虚血が起こり、ST低下が見られます。発作時間は15分以内です。
Q5. 心筋梗塞の心電図変化を3つ挙げてください。
【答え】 A. 異常Q波、ST上昇、冠性T波
心筋梗塞では冠動脈閉塞による心筋壊死が起こり、これら3つの心電図変化が特徴的です。30分以上続く痛みを伴います。
Q6. PQ間隔の正常値はいくつですか?
【答え】 A. 0.12〜0.20秒
PQ間隔は房室伝導時間を表し、これより長いと房室ブロックが疑われます。
国家試験対策問題
問題1(選択問題)
心電図について正しいのはどれか。
a. P波は心室の興奮を表す
b. QRS波は心房の興奮を表す
c. T波は心室の再分極を表す
d. T波は心房の再分極を表す
【解答と解説】 正解:c
P波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮、T波は心室の再分極を表します。心房の再分極はQRS波に隠れて通常は見えません。
問題2(選択問題)
狭心症発作時の心電図変化で特徴的なのはどれか。
a. ST上昇
b. ST低下
c. 異常Q波
d. 心室細動
【解答と解説】 正解:b
狭心症では冠動脈の一時的な狭窄による心筋虚血が起こり、ST低下が特徴的です。ST上昇や異常Q波は心筋梗塞の所見です。
問題3(選択問題)
急性心筋梗塞の心電図所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
a. ST低下
b. ST上昇
c. 異常Q波
d. PQ間隔短縮
【解答と解説】 正解:b、c
急性心筋梗塞では、ST上昇(急性期の特徴的所見)と異常Q波(心筋壊死を反映)が見られます。ST低下は狭心症の所見、PQ間隔短縮はWPW症候群などで見られます。
問題4(選択問題)
心電図の波形と意味の組み合わせで正しいのはどれか。
a. P波 ─ 心室の興奮
b. QRS波 ─ 心房の再分極
c. T波 ─ 心室の再分極
d. PQ間隔 ─ 心室の興奮時間
【解答と解説】 正解:c
T波は心室の再分極を表します。P波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮、PQ間隔は房室伝導時間を表します。
問題5(選択問題)
狭心症と心筋梗塞の違いについて正しいのはどれか。
a. 狭心症の発作時間は30分以上続く
b. 心筋梗塞ではST低下が特徴的である
c. 狭心症の発作時間は15分以内である
d. 心筋梗塞では冠性T波は見られない
【解答と解説】 正解:c
狭心症は冠動脈の一時的な狭窄によるもので、発作時間は15分以内です。心筋梗塞は冠動脈閉塞による心筋壊死で、30分以上続く痛みとST上昇・冠性T波が特徴です。
まとめ
心電図は心疾患の診断に不可欠な検査です。基本波形の意味(P波=心房興奮、QRS波=心室興奮、T波=心室再分極)をまず覚えましょう。虚血性心疾患では、狭心症はST低下(発作15分以内)、心筋梗塞は異常Q波・ST上昇・冠性T波(30分以上の痛み)という違いが重要です。国試では波形の意味と虚血性心疾患の心電図変化がよく問われます。
#解剖学 #循環器系 #国試対策







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