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細胞膜を介する物質輸送

細胞膜を介する物質輸送 – 完全攻略ガイド

目次

はじめに

細胞は生きていくために、外部から栄養素を取り込み、老廃物を排出する必要があります。この物質の出入りは細胞膜を介して行われますが、その方法は物質の種類によって異なります。今回は、国家試験でも頻出の「細胞膜を介する物質輸送」について詳しく解説します。

詳しい解説

物質輸送の分類

細胞膜を介する物質輸送は、大きく受動輸送能動輸送に分けられます。

輸送の種類 エネルギー 濃度勾配
受動輸送 不要 高濃度→低濃度
能動輸送 必要(ATP) 低濃度→高濃度

受動輸送

1. 単純拡散

脂質二重層をそのまま通過する輸送方法です。

通過できる物質:

  • 水(H₂O)
  • 酸素(O₂)
  • 二酸化炭素(CO₂)
  • 脂溶性物質(ステロイドホルモンなど)

これらの物質は脂質になじみやすいため、特別な仕組みなしに細胞膜を通過できます。

2. 促通拡散

担体タンパク(トランスポーター)を介して通過する輸送方法です。

通過する物質:

  • アミノ酸
  • グルコース

これらの物質は水溶性で脂質二重層を直接通過できないため、専用の担体タンパクが必要です。

能動輸送:イオンポンプ

ATP(エネルギー)を使って濃度勾配に逆らって物質を輸送します。

代表例:ナトリウム-カリウムポンプ(Na⁺-K⁺ポンプ)

  • Na⁺を3つ細胞外へ排出
  • K⁺を2つ細胞内へ取り込む
  • 結果:細胞外はNa⁺が多く、細胞内はK⁺が多い環境がつくられる

イオンチャネル

イオンの通り道で、ゲートによって開閉が制御されています。

1. 電位依存性チャネル

  • 電位の変化を感知してゲートが開く
  • 活動電位の発生に関与

2. リガンド作動性チャネル

  • 神経伝達物質やホルモンが受容体に結合してゲートが開く
  • 水溶性ホルモンや神経伝達物質の作用に関与

絶対に覚えるべきポイント

  • 単純拡散:水、O₂、CO₂、脂溶性物質が脂質二重層を直接通過
  • 促通拡散:アミノ酸、グルコースが担体タンパクを介して通過
  • 能動輸送:ATPを使用、濃度勾配に逆らう
  • Na⁺-K⁺ポンプ:Na⁺3つ出す、K⁺2つ入れる
  • 電位依存性チャネル:電位変化で開く
  • リガンド作動性チャネル:ホルモン・神経伝達物質で開く

一問一答

Q1. 単純拡散で細胞膜を通過できる物質を3つ挙げてください。

【答え】 A. 水、酸素、二酸化炭素(または脂溶性物質)

これらは脂質になじみやすいため、脂質二重層を直接通過できます。

Q2. グルコースはどのような方法で細胞膜を通過しますか?

【答え】 A. 促通拡散(担体タンパクを介して)

グルコースは水溶性のため、GLUT(グルコーストランスポーター)という担体タンパクを介して輸送されます。

Q3. 能動輸送と受動輸送の違いは何ですか?

【答え】 A. エネルギー(ATP)の必要性と濃度勾配の方向

能動輸送はATPを使い濃度勾配に逆らって輸送し、受動輸送はエネルギー不要で濃度勾配に従います。

Q4. Na⁺-K⁺ポンプは何個のNa⁺と何個のK⁺を輸送しますか?

【答え】 A. Na⁺を3個排出し、K⁺を2個取り込む

この不均等な輸送により、細胞内外のイオン分布の偏りが生じ、静止電位が形成されます。

Q5. 電位依存性チャネルは何を感知して開きますか?

【答え】 A. 細胞膜内外の電位の変化

活動電位の発生に関与し、興奮の伝導に重要な役割を果たします。

Q6. リガンド作動性チャネルを開く物質は何ですか?

【答え】 A. 神経伝達物質やホルモン

これらの物質が受容体に結合することでチャネルが開きます。

国家試験対策問題

問題1(選択問題)

単純拡散で細胞膜を通過する物質はどれか。

a. グルコース

b. アミノ酸

c. 酸素

d. ナトリウムイオン

【解答と解説】 正解:c

酸素は脂溶性が高いため、脂質二重層を単純拡散で通過します。グルコースとアミノ酸は促通拡散、ナトリウムイオンはイオンチャネルやポンプを介して輸送されます。

問題2(選択問題)

Na⁺-K⁺ポンプの働きとして正しいのはどれか。

a. Na⁺を2個排出し、K⁺を3個取り込む

b. Na⁺を3個排出し、K⁺を2個取り込む

c. Na⁺を3個取り込み、K⁺を2個排出する

d. ATPを必要としない

【解答と解説】 正解:b

Na⁺-K⁺ポンプはATPのエネルギーを使い、Na⁺を3個細胞外へ排出し、K⁺を2個細胞内へ取り込みます。

問題3(○×問題)

促通拡散ではATPのエネルギーが必要である。

【解答と解説】 正解:×

促通拡散は受動輸送の一種であり、エネルギーは必要ありません。濃度勾配に従って物質が移動します。

問題4(選択問題)

活動電位の発生に関与するイオンチャネルはどれか。

a. リガンド作動性チャネル

b. 電位依存性チャネル

c. 機械刺激感受性チャネル

d. 温度感受性チャネル

【解答と解説】 正解:b

電位依存性チャネルは膜電位の変化を感知して開閉し、活動電位の発生と伝導に関与します。

問題5(穴埋め問題)

グルコースは(   )拡散により、担体タンパクを介して細胞内に取り込まれる。

【解答と解説】 正解:促通

グルコースは水溶性のため脂質二重層を直接通過できず、GLUTなどの担体タンパクを介して促通拡散で輸送されます。

まとめ

物質輸送の分類表

輸送方法 種類 特徴 輸送される物質
受動輸送 単純拡散 脂質二重層を直接通過 水、O₂、CO₂、脂溶性物質
受動輸送 促通拡散 担体タンパクを介する グルコース、アミノ酸
能動輸送 イオンポンプ ATPを使用 Na⁺、K⁺など

イオンチャネルの種類

チャネルの種類 開くきっかけ 関与する現象
電位依存性 電位の変化 活動電位の発生
リガンド作動性 ホルモン・神経伝達物質 シグナル伝達

学習のポイント

単純拡散と促通拡散の違い、能動輸送と受動輸送の違いを明確に理解することが重要です。特にNa⁺-K⁺ポンプの「3対2」の数字は必ず覚えましょう!

#解剖学 #細胞膜 #国試対策

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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