2004年 第12回 はり師・きゅう師 (鍼灸師) 国家試験 解剖学 問題15~33 解答
問15 横紋筋線維でできているのはどれか。
1 瞳孔括約筋
2 幽門括約筋
3 尿道括約筋
4 膀胱収縮筋
解答 3
1 × 瞳孔括約筋:平滑筋
虹彩はの内部には輪走する瞳孔括約筋と放射状に走る瞳孔散大筋の2種類の平滑筋があり、眼球に入る光量の調節を行っている。瞳孔括約筋は副交感神経(動眼神経)により、瞳孔散大筋は交感神経によりそれぞれ支配されている。(p.148 視覚器)
2 × 幽門括約筋:平滑筋
胃の筋層は平滑筋よりなり、輪走筋と縦走筋のほかに、斜走する筋が最内層に見られる。幽門では輪走筋が特に発達し厚くなり、幽門括約筋となる。胃の内容物は3~6時間で小腸に送られるが、胃を通過する速さは食物の種類によって異なる。脂肪の多い食べ物は胃に留まる時間が長く、胃もたれの原因になる。(p.78 胃の粘膜)
3 × 尿道括約筋=外尿道括約筋:横紋筋
尿道は膀胱内の尿を体外に排泄する尿路で、長さとその走行は男女で著しく異なる。男性の尿道は約16~18cmと長い。膀胱の内尿道口から始まり、前立腺を貫き下行する(前立腺部)。途中、精液を運ぶ射精管と合流する。続いて尿道は骨盤の底をつくる尿生殖隔膜を貫き(隔膜部)、陰茎の内部を走り(海綿体部)、陰茎の先端で外尿道口に開く。女性の尿道は約3cmで、男性の尿道に比べると短く、ほぼ真っ直ぐに走る。男女ともに、尿生殖隔膜を貫くところに横紋筋でできた尿道括約筋(外尿道括約筋)が発達し、排尿の調節を行う。(p.93 尿道)
4 ○ 膀胱収縮筋=膀胱体筋=排尿筋:平滑筋
膀胱は腎で生成された尿を蓄え排泄するための伸縮性に富む筋性の袋である。その形状は尿の量によって風船が膨らむように変わる。膀胱壁は3層の平滑筋層(排尿筋)よりなる。(生理学 p.127 蓄尿と排尿)
問16 遠位列手根骨はどれか。
1 有頭骨
2 舟状骨
3 三角骨
4 月状骨
解答 1
1 ○ 有頭骨:遠位列
2 × 舟状骨:近位列
3 × 三角骨:近位列
4 × 月状骨:近位列
手根骨
手根骨は、小さな骨が近位に4個、遠位に4個並んだ合計8個の骨からなる。
近位列には、橈側から舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨が並ぶ。豆状骨を除く橈側の3個、舟状骨・月状骨・三角骨は、橈骨手根関節(手関節)に関わる。豆状骨は尺側手根屈筋の種子骨であり、他の手根骨とは発生が異なる。この骨は三角骨とのみ関節をなす。
遠位列には、橈側から大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鉤骨が並ぶ。これら遠位列の骨は中手骨と手根中手関節(CM関節)をなす。(p.182 手の骨)
問17 ラセン関節はどれか。
1 腕尺関節
2 距腿関節
3 肩関節
4 仙腸関節
解答 2
1 腕尺関節:蝶番関節
腕尺関節は、上腕骨滑車が尺骨の滑車切痕とつくる関節で、蝶番関節である。肘関節の屈曲-伸展に関わる。
腕尺関節・腕橈関節 上橈尺関節は、1つの1つの関節腔内にあり、肘関節を形成する。(p.184 肘関節)
2 距腿関節:ラセン関節
距腿関節は足関節とも呼ばれ、下腿と足根骨(距骨)との間にできる蝶番関節(ラセン関節)である。脛骨の下関節面および内果関節面と、腓骨の外果関節面が連続して関節窩をつくり、距骨上部の距骨滑車が骨頭となって構成される。この関節の運動は足首の屈伸運動であり、特に屈曲を底屈、伸展を背屈という。この関節の内側と外側は、側副靱帯として内側靱帯と外側の靱帯群が補強する。(p.195 距腿関節)
3 肩関節:球関節
肩関節は、半球状の上腕骨頭と浅い皿のような肩甲骨の関節窩がつくる球関節である。上腕骨頭を関節窩にあてはめると、骨頭のほうが関節筒よりも大きく、広い関節面を持つことがわかる。これに加えて関節包も緩いので、肩関節の可動性は非常に高い。(p.183 肩関節)
4 仙腸関節:半関節
仙骨の外側面は広く拡大して、寛骨の一部(腸骨)と関節する(仙腸関節)。関節面はL字型の耳状面であり、その後方には仙腸靱帯がつく仙骨粗面がある。仙腸関節は関節面に凹凸があって、さらにその周囲を厚く強固な仙腸靱帯につながれるので、運動性はほとんどない(半関節)。(p.175 仙骨)
問18 大坐骨孔を通らないのはどれか。
1 梨状筋
2 内閉鎖筋
3 陰部神経
4 坐骨神経
解答 2
1 梨状筋:大坐骨孔
仙骨前面から出て外下方に走り、大坐骨孔を通り前方に向かい、大転子につく。大腿を外方にまわす。また外転する。仙骨神経叢の枝をうける。大坐骨孔は梨状筋により梨状筋上孔と梨状筋下孔に分けられる。
2 内閉鎖筋:小坐骨孔
仙骨前面から出て外下方に走り、大坐骨孔を通り前方に向かい、大転子につく。大腿を外方にまわす。また外転する。仙骨神経叢の枝をうける。
3 陰部神経:大坐骨孔より骨盤外に出て、小坐骨孔より再び骨盤腔に入る
会陰には陰部神経が分布する。陰部神経は第2~4仙骨神経前枝から構成され(陰部神経叢)、梨状筋下孔を通って骨盤外に出たのち再び坐骨棘を回って小坐骨孔から会陰部に入る。会陰部では坐骨枝の内面に沿って、内陰部動・静脈とともに陰部神経管(アルコック管)の中を前方に走り、下直腸神経・会陰神経・陰茎背神経(陰核背神経)に分かれる。下直腸神経は外肛門括約筋と肛門周囲の皮膚、会陰神経は浅・深会陰横筋、坐骨海綿体筋、球海綿体筋およびに会陰の皮膚に分布する。陰茎(陰核)背神経は陰茎(陰核)の背面に達する。肛門挙筋および尾骨筋を支配する神経は、陰部神経叢の根部から起こり、筋の内面より進入する。(p.234 会陰の神経)
4 坐骨神経:大坐骨孔 (梨状筋下孔) より出る
L4~S3に由来する人体で最大の神経である。しかし、その実体は神経叢で別々に始まる2本の神経、総腓骨神経(L4~S2) と脛骨神経(L4~S3) が同一の結合組織に包まれて、外見上、太い神経になったものである。梨状筋下孔を出たのち坐骨結節と大転子の中間付近を通って大腿後面に達するまでは両神経が付着し合った太い神経のままである。膝窩の上方で総腓骨神経と脛骨神経が分かれて、さらに下腿と足に分布する。(p.292 仙骨神経叢)
大坐骨孔
大坐骨切痕と仙結節靱帯・仙聴靱帯によって縁取られた大坐骨孔は、貫通する梨状筋によってほとんどふさがれてしまう。ただし、梨状筋の上縁と下縁ではわずかに隙間があり、それぞれ梨状筋上孔と梨状筋下孔という。仙骨神経叢から起こる神経や内腸骨動静脈の枝が寛骨後面・大腿後面・骨盤底に向かう際の通路となる。
梨状筋上孔を通るのは上殿神経および上殿動静脈である。梨状筋下孔を通るのは下殿神経・坐骨神経・後大腿皮神経・陰部神経および下殿動静脈・内陰部動静脈である。(p.285 大坐骨孔)小坐骨孔
小坐骨切痕と仙結節靱帯・仙棘靭帯によって固まれた狭い隙間を小坐骨孔という。小坐骨孔は骨盤後面から骨盤底への連絡通路で、坐骨結節の内側面にある陰部神経管に続く。梨状筋下孔を出た陰部神経と内陰部動静脈は骨盤底に向かう際に小坐骨孔を通る。このほか内閉鎖筋の停止腱もこの孔を通って大転子に向かう。(p.286 小坐骨孔)
問19 脊柱起立筋に含まれないのはどれか。
1 腸肋筋
2 最長筋
3 棘筋
4 板状筋
解答 4
脊柱起立筋は
超ロック最長の曲
(腸肋筋)(最長筋)(棘筋)
第2層(固有背筋)
本来の背筋であって、脊髄神経後枝に支配される。多数の筋からなり、しばしばまとめて固有背筋と総称される。脊柱の両側にあり、仙骨から後頭部まで縦走する筋群で、脊柱と頭を動かし、全体としては脊柱を直立させる。胸・腰部では厚い胸腰筋膜に包まれているので、浅背筋とは明らかに区別される。
板状筋
頭部で僧帽筋の下層にあり、扁平で板状を呈する。頸部と頭部を後屈(頸部の伸展)させ、一側のみが働くとそちらに側屈・回旋する。また、板状筋は他の背筋(最長筋・頭半棘筋)と協力して、頭が重力で前方に傾かないよう保持し、前屈位から復するように働く。停止の違いから、頭板状筋と頸板状筋とが区別される。
脊柱起立筋
最大の背筋で、腸骨、仙骨の後面から上方は側頭骨の乳様突起にまで達する。外側から腸肋筋・最長筋・棘筋が並び、3筋は協力して働き、脊柱を伸展して屈曲を防ぎ、脊柱を起立させる。一側のみが働くと、側屈、回旋する。特に斜走する筋群は、腹壁の筋とともに働いて脊柱を回旋する。
横突棘筋
最深層にある背筋で、いずれも横突起から斜めに上行して上位の棘突起につく筋群(半棘筋・多裂筋・回旋筋)の総称である。半棘筋は頭頸部で発達がよく、脊柱を直立させ、頭を保持するのに重要な筋である。居眠りの場合に頭が前方に落ちるのは、半棘筋が弛緩するためと考えられている。多裂筋、回旋筋と順次筋の長さが短くなり、前者は脊柱の伸展とわずかな回旋、後者は脊柱の回旋を行う。
問20 足関節の内反に働く筋はどれか。
1 後脛骨筋
2 長指伸筋
3 第三腓骨筋
4 長腓骨筋
解答 1
1 後脛骨筋
腓骨、脛骨上部後面から起こり、内果の後方を通り屈筋支帯の下を貫いて前方にまがり足底で腱に分かれて、舟状骨、内側・中間・外側楔状骨、立方骨、第2・第3中足骨底につく。足の内反、底屈を行う。脛骨神経の枝をうける。
2 長指伸筋
腓骨内側面、下腿骨間膜、脛骨の外側顆から起こり、下方に向かい途中で腱となり、伸筋支帯の下で4分して足背に出て、第2~第5指の中節骨と末節骨につく。第2~第5指をのばし、また足の背屈を行う。深腓骨神経の枝をうける。
3 第三腓骨筋
長指伸筋の分かれたもので、前下腿筋間中隔より起こり、伸筋支帯の下を通り、足背に出て第5中足骨底背側につく。足を外反し、また背屈を行う。深腓骨神経の枝をうける。
4 長腓骨筋
腓骨頭、腓骨体上部外側面、下腿筋膜、前下腿筋間中隔から起こり、その腱は外果の後を通り、前方に向かい足底に出てそこを斜めに横切り、第1・第2中足骨底、内側楔状骨につく。足の底屈、外反を行う。浅腓骨神経の枝をうける。
問21 手根管を通らないのはどれか。
1 尺骨神経
2 正中神経
3 長母指屈筋腱
4 深指屈筋腱
解答 1
【手根管を通るもの】
・長母指屈筋
・浅指屈筋
・深指屈筋
(・橈側手根屈筋)
・正中神経
※橈側手根屈筋は屈筋支帯を貫いて途中から屈筋支帯の深層に潜ります。なので手根管を通るものに含める場合と含めない場合があります。鍼灸の第2回国家試験で手根管を通るものとして橈側手根屈筋が選択肢に出されたことがある。(第2回 鍼灸師 問題32)
【手根管を通らないもの】
・尺骨神経, 尺骨動脈:屈筋支帯の浅層の尺骨神経管 (ギヨン管) を通る
・長掌筋:屈筋支帯の浅層(上)を通る
問22 口腔内器官で誤っている記述はどれか。
1 顎下腺管は口腔前庭に開口する。
2 口腔粘膜上皮は重層偏平上皮である。
3 小臼歯は乳臼歯に代わって生える。
4 舌扁桃は分界溝の後方にある。
解答 1
1 顎下腺管は口腔前庭舌下小丘に開口する。
- 顎下腺・舌下腺:舌下小丘に開口・顔面神経支配
- 耳下腺:口腔前庭に開口・舌咽神経支配
2 口腔粘膜上皮は重層扁平上皮である。
消化管の上皮はひと続きの管として考える。始まりと終わりが摩擦や刺激に強い重層扁平上皮、間は分泌と吸収に適した単層円柱上皮だ。
- 口腔〜咽頭〜食堂:重層扁平上皮
- 胃〜小腸〜大腸:単層円柱上皮
- 肛門:重層扁平上皮
3 小臼歯は乳臼歯に代わって生える。
- 乳歯:20本
- 切歯:2×4
- 犬歯:1×4
- 乳臼歯:2×4
- 永久歯:32本
- 切歯:2×4
- 犬歯:1×4
- 小臼歯:2×4
- 大臼歯:3×4
4 舌扁桃は分界溝の後方にある。
- 舌体:舌の前2/3
- 分界溝:舌体と舌根を隔てる。
分界溝の前に有郭乳頭が並ぶ
- 分界溝:舌体と舌根を隔てる。
- 舌根:舌の後ろ1/3。舌扁桃が存在
問23 胆汁の流れが一方向でないのはどれか。
1 小葉間胆管
2 肝管
3 胆嚢管
4 総胆管
解答 3
肝管を流れてくる胆汁は胆嚢管に入って胆嚢に蓄えられ、必要に応じて再び胆嚢管から総胆管をへて十二指腸に放出される。(p.86 胆嚢)
問24 声帯筋が付着するのはどれか。
1 気管軟骨
2 喉頭蓋軟骨
3 輪状軟骨
4 披裂軟骨
解答 4
披裂軟骨の前端から甲状軟骨の後面に、ヒモ状の声帯靱帯とそれに沿う声帯筋が伸びる。(p.66 声帯)
問25 腎小体について誤っているのはどれか。
1 腎臓の皮質に存在する。
2 糸球体とボーマン嚢からなる。
3 尿細管とあわせてネフロンと呼ぶ。
4 血管極から輸出細静脈が出る。
解答 4
1 腎臓の皮質に存在する。
- 皮質:腎小体が存在
- 髄質:ヘンレループが存在
2 糸球体とボーマン嚢からなる。
3 尿細管とあわせてネフロンと呼ぶ。
- 糸球体 + ボーマン嚢 = 腎小体
- 腎小体 + 尿細管 = ネフロン
※ 集合管はネフロンに含まれない。
4 血管極から輸出細静脈が出る。
- 血管極:腎小体の輸入・輸出細動脈側
- 輸入細動脈→糸球体→輸出細動脈
問26 成人において内腔が腹膜腔に直接開口しているのはどれか。
1 精管
2 精巣鞘膜腔
3 卵管
4 子宮
解答 3
- 卵巣は腹膜に覆われた腹膜内臓器
- 排卵は腹膜腔に行われる
- 卵管采は腹膜腔に開口
- 腹膜腔に排卵された卵子は卵管采で捉えられる
問27 肝臓をバイパスし胎児の臍静脈血を下大静脈に導くのはどれか。
1 動脈管
2 静脈管
3 卵円孔
4 肝円索
解答 2
問28 骨盤内臓器を栄養するのはどれか。
1 上腸間膜動脈
2 下腸間膜動脈
3 外腸骨動脈
4 内腸骨動脈
解答 4
問29 脳室系について誤っている記述はどれか。
1 室間孔は第3脳室と第4脳室との間にある。
2 側脳室は大脳半球内にある。
3 第3脳室は間脳の中にある。
4 第4脳室はクモ膜下腔に通じている。
解答 1
問30 毛様体筋を支配するのはどれか。
1 動眼神経
2 滑車神経
3 外転神経
4 顔面神経
解答 1
問31 求心性伝導路に含まれないのはどれか。
1 脊髄網様体路
2 外側脊髄視床路
3 皮質延髄路
4 後索路
解答 3
問32 皮膚について誤っている記述はどれか。
1 メルケル細胞は表皮の中にある。
2 メラノサイトは表皮基底層にある。
3 立毛筋は副交感神経の支配を受ける。
4 爪母基は表皮の一部である。
解答 3
問33 眼球について誤っている記述はどれか。
1 黄斑は結膜の一部である。
2 視神経乳頭は中心窩の内側寄りにある。
3 毛様体小帯は水晶体の周囲に付く。
4 脈絡膜にはメラノサイトが多い。
解答 1













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