問題
抗体について正しいのはどれか。
- IgA は粘膜表面に分泌される。
- IgE は T 細胞が産生する。
- IgG は再感染で産生量が低下する。
- IgM はアルブミンからなる。□8
解答: 1(IgA は粘膜表面に分泌される。)
解説
- 正しい。IgA(特に分泌型IgA)は唾液・涙液・鼻汁・消化管粘液・母乳などの粘膜表面に分泌され、粘膜免疫の第一線の防御として病原体の侵入を防ぐ。IgAは二量体として分泌片(secretory component)と結合した分泌型IgAの形で粘膜表面に存在し、消化酵素による分解に対して安定性を持つ。
- 誤り。IgEはB細胞から分化した形質細胞が産生する(T細胞ではない)。IgEは肥満細胞のFcε受容体に結合し、I型アレルギー(即時型過敏症)や寄生虫感染防御に関与する。
- 誤り。IgGは再感染時に産生量が増加する(低下ではない)。二次免疫応答ではクラススイッチによりIgG産生が主体となり、一次応答より迅速かつ大量に産生される。
- 誤り。IgMは5量体構造の免疫グロブリンであり、γ-グロブリンに属する蛋白質である。アルブミンとは全く異なる分子である。
ポイント
IgAは粘膜免疫の主役であり、分泌液中に最も多く存在する免疫グロブリンである点が頻出ポイントである。
- 覚え方のコツ: 「IgAのAはAwa(泡=唾液)」「IgEのEはアレルギE」「IgGのGはGreatest(血中最多)」「IgMのMはMost early(最初に産生)」と頭文字で覚える。
- 関連知識: 問題925(血液中で最多のIg=IgG)と対比して覚える。血液中ではIgGが最多、分泌液中ではIgAが最多である。母乳中のIgAは乳児の消化管粘膜保護に重要(初乳に特に多い)。
- よくある間違い: 「全ての抗体はT細胞が産生する」と誤認する受験生がいる。全てのクラスの抗体はB細胞(形質細胞)が産生するものであり、T細胞は抗体を産生しない。
- 教科書では「d.免疫系に働く液性因子」の範囲に該当する。
| 免疫グロブリン | 特徴 | 存在部位 |
|---|---|---|
| IgG | 血中最多(約75%)、胎盤通過性 | 血液中 |
| IgA | 分泌液中に最多、粘膜免疫 | 唾液・涙・母乳・粘液 |
| IgM | 5量体、一次応答で最初に産生 | 血液中 |
| IgE | I型アレルギー、寄生虫防御 | 肥満細胞表面 |
| IgD | B細胞表面の受容体 | B細胞表面 |
表: 免疫グロブリン5クラスの特徴と存在部位
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