問題
免疫系の細胞について正しいのはどれか。
- ヘルパーT 細胞は異物を貪食する。
- キラーT 細胞はB 細胞の分裂を助ける。
- B 細胞は形質細胞に分化する。
- NK 細胞はヒスタミンを分泌する。
解答: 3(B 細胞は形質細胞に分化する。)
解説
- 誤り。ヘルパーT細胞は異物を貪食しない。ヘルパーT細胞はサイトカインを産生して他の免疫細胞(B細胞、キラーT細胞、マクロファージなど)を活性化する司令塔的役割を担う。貪食は好中球やマクロファージの機能である。
- 誤り。キラーT細胞はB細胞の分裂を助けるのではなく、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞をパーフォリン・グランザイムにより直接攻撃・破壊する細胞傷害性の細胞である。B細胞の増殖・分化を助けるのはヘルパーT細胞(CD4+T細胞)である。
- 正しい。B細胞は抗原刺激を受けるとヘルパーT細胞の補助により活性化され、形質細胞(プラズマ細胞)に分化する。形質細胞は粗面小胞体が高度に発達しており、大量の抗体(免疫グロブリン)を産生・分泌して液性免疫の中心的役割を果たす。一部のB細胞はメモリーB細胞となり、二次免疫応答に備える。
- 誤り。NK細胞はヒスタミンではなく、パーフォリンやグランザイムを用いて標的細胞を攻撃する。ヒスタミンを分泌するのは肥満細胞(マスト細胞)と好塩基球である。
ポイント
各免疫細胞の機能を正確に区別することが最重要であり、特にヘルパーT細胞(司令塔)・キラーT細胞(殺傷)・B細胞(抗体産生)の三者の混同を避ける。
- 覚え方のコツ: 「ヘルパー=Help(助ける)」「キラー=Kill(殺す)」「B=Body fluid(体液で抗体)」「NK=Natural Killer(生まれつきの殺し屋)」と英語の意味から機能を連想する。
- 関連知識: 問題923(ヘルパーT細胞の貪食の誤り)、問題931(食作用を持たない細胞)と同じ知識が繰り返し出題されている。選択肢の「キラーT細胞がB細胞を助ける」はヘルパーT細胞との混同を狙った典型的なひっかけである。
- よくある間違い: キラーT細胞とヘルパーT細胞の機能を取り違えやすい。「キラー=殺す」「ヘルパー=助ける」という名前の通りの機能であることを意識する。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
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