問題
免疫について正しいのはどれか。
- マクロファージは抗原を提示する。
- ヘルパーT細胞は補体を放出する。
- 好中球は抗原を特異的に認識する。
- サイトカインは抗原と特異的に結合する。
解答: 1(マクロファージは抗原を提示する。)
解説
- 正しい。マクロファージは単球から分化した大型の貪食細胞で、病原体を貪食して分解した後、その抗原ペプチドをMHCクラスII分子に結合させて細胞表面に提示する。この抗原提示によりヘルパーT細胞が活性化され、獲得免疫(液性免疫・細胞性免疫)が誘導される。マクロファージは樹状細胞とともに代表的な抗原提示細胞(APC)である。
- 誤り。ヘルパーT細胞が産生・放出するのはサイトカイン(IL-2、IL-4、IFN-γなど)であり、補体ではない。補体は主に肝臓で産生される血漿蛋白質である。
- 誤り。好中球は自然免疫の貪食細胞であり、病原体を非特異的に認識して排除する。抗原の特異的認識はT細胞(T細胞受容体)やB細胞(B細胞受容体)が行う。
- 誤り。サイトカインは免疫細胞間のシグナル伝達物質(インターロイキン、インターフェロンなど)であり、抗原と特異的に結合する機能は持たない。抗原と特異的に結合するのは抗体(免疫グロブリン)である。
ポイント
マクロファージの三大機能「貪食・抗原提示・サイトカイン産生」のうち、抗原提示は獲得免疫を誘導する橋渡しの役割として極めて重要である。
- 覚え方のコツ: 「マクロファージは食べて(貪食)見せる(抗原提示)細胞」と覚える。抗原を「見せる相手」はヘルパーT細胞である。
- 関連知識: 補体系は約30種類の血漿蛋白からなり、古典経路(抗原抗体複合体で活性化)、副経路(病原体表面で活性化)、レクチン経路の3経路で活性化される。サイトカインは免疫調節の情報伝達物質であり、抗体とは全く異なる。
- よくある間違い: 「サイトカイン」と「抗体」の機能を混同しやすい。サイトカインは細胞間の信号、抗体は抗原に結合して排除する分子であり、役割が異なる。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
| 用語 | 産生細胞 | 機能 |
|---|---|---|
| 抗体(免疫グロブリン) | B細胞(形質細胞) | 抗原と特異的に結合して排除 |
| サイトカイン | T細胞、マクロファージ等 | 免疫細胞間のシグナル伝達 |
| 補体 | 肝臓(血漿蛋白) | オプソニン化、溶菌、炎症促進 |
表: 抗体・サイトカイン・補体の比較
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