問題
細菌を貪食するのはどれか。
- 好中球
- 赤血球
- 血小板
- 肥満細胞
解答: 1(好中球)
解説
- 正しい。好中球は白血球の中で最も多く(50〜70%)、血管外に遊走して細菌などの異物を非特異的に貪食・殺菌する自然免疫の第一線の防御細胞である。好中球は活性酸素種やリソソーム酵素を用いて細菌を殺菌する。好中球に加えマクロファージ(単球由来)も強い貪食作用を持つ。
- 誤り。赤血球はヘモグロビンにより酸素・二酸化炭素を運搬する細胞であり、核を持たず貪食作用は持たない。
- 誤り。血小板は巨核球の細胞質断片であり、止血(血栓形成)や血液凝固に関与するが貪食作用は持たない。
- 誤り。肥満細胞(マスト細胞)はIgEを介したI型アレルギー反応でヒスタミンを放出する細胞であり、貪食は主な機能ではない。
ポイント
細菌の貪食を行う代表的な細胞は好中球とマクロファージであり、いずれも自然免疫の食細胞に分類される。
- 覚え方のコツ: 「好中球=細菌のコウ(好)敵手」と覚える。好中球は感染初期に最も早く炎症部位に集まり、細菌を貪食する「先発隊」である。
- 関連知識: 赤血球・血小板・肥満細胞はいずれも貪食能を持たない。細菌感染時には白血球数(特に好中球)が増加し、左方移動(幼若な桿状核好中球の増加)がみられる。膿は好中球の死骸が集まったものである。
- よくある間違い: 肥満細胞が「免疫に関与する細胞」であるため貪食もすると誤認しやすいが、肥満細胞の主な機能はヒスタミン遊離によるアレルギー反応である。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
| 食細胞 | 特徴 | 貪食作用 |
|---|---|---|
| 好中球 | 白血球中最多、短命 | 強い(自然免疫の主役) |
| マクロファージ | 単球由来、組織常在 | 強い(抗原提示も行う) |
| 樹状細胞 | 抗原提示に特化 | あり(抗原取り込み目的) |
表: 食細胞の種類と特徴
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