問題
抗体について誤っているのはどれか。
- T細胞が産生する。
- γ-グロブリンに属する。
- 抗原特異性が高い。
- 再感染で産生量が増加する。
解答: 1(T細胞が産生する。)
解説
- 誤り。抗体を産生するのはB細胞(形質細胞に分化後)であり、T細胞ではない。T細胞は細胞性免疫を担当し、ヘルパーT細胞はサイトカインを分泌してB細胞の抗体産生を補助し、キラーT細胞はウイルス感染細胞や腫瘍細胞を直接攻撃する。T細胞自身が抗体を産生することはない。
- 正しい。抗体は血漿蛋白のγ-グロブリン分画に属する免疫グロブリンであり、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスが存在する。
- 正しい。抗体は特定の抗原のエピトープ(抗原決定基)を認識する高い抗原特異性を持ち、他の抗原には反応しない。
- 正しい。再感染時には記憶B細胞が迅速に活性化され、一次免疫応答より速く大量の抗体(主にIgG)が産生される(二次免疫応答)。
ポイント
抗体を産生するのはB細胞(形質細胞)であり、T細胞は産生しないという区別が最も頻出する知識である。
- 覚え方のコツ: 「T細胞のTは”たたかう”(細胞性免疫で直接攻撃)」「B細胞のBは”ぼうぎょ”(抗体で体液中の防御)」と役割を分けて覚える。
- 関連知識: 二次免疫応答では一次応答(IgM主体、遅い)に比べ、クラススイッチによりIgGが主体となり、応答速度・抗体産生量ともに大幅に増加する。これがワクチンの原理である。
- よくある間違い: ヘルパーT細胞がB細胞の抗体産生を「補助」するため、「T細胞も抗体を産生する」と混同しやすい。T細胞はあくまでサイトカインによる補助であり、抗体そのものは産生しない。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
| 免疫応答 | 速度 | 主なIgクラス | 産生量 |
|---|---|---|---|
| 一次免疫応答 | 遅い(数日〜2週間) | IgM主体 | 少ない |
| 二次免疫応答 | 速い(1〜3日) | IgG主体 | 大量 |
表: 一次免疫応答と二次免疫応答の比較
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