問題
ヒスタミンを遊離する細胞はどれか。
- 単球
- 肥満細胞
- 好中球
- リンパ球
解答: 2(肥満細胞)
解説
- 誤り。単球はマクロファージに分化して貪食作用と抗原提示を行うが、ヒスタミン遊離の主要な細胞ではない。
- 正しい。肥満細胞(マスト細胞)は組織中に広く分布し、細胞内の顆粒にヒスタミンを多量に貯蔵している。アレルゲンがIgE抗体を介して肥満細胞表面のFcε受容体に結合・架橋すると脱顆粒が起こり、ヒスタミンが遊離される。ヒスタミンは血管拡張、血管透過性亢進、気管支平滑筋収縮、かゆみなどのI型アレルギー(即時型)症状を引き起こす。
- 誤り。好中球は細菌の貪食・殺菌を行う自然免疫の主力であるが、ヒスタミン遊離の主要な細胞ではない。
- 誤り。リンパ球は獲得免疫(液性免疫・細胞性免疫)に関与するが、ヒスタミン遊離の主要な細胞ではない。
ポイント
ヒスタミンを遊離する代表的な細胞は肥満細胞(マスト細胞)と好塩基球であり、I型アレルギー反応の主要なメディエーターである。
- 覚え方のコツ: 「肥満細胞は”ヒ”スタミンで”肥”える」と語呂合わせで記憶する。肥満細胞の「肥満」は顆粒が充満して膨らんだ形態に由来する。
- 関連知識: 血液中の好塩基球も同様にヒスタミンを含み、I型アレルギーに関与する。臨床的にはアナフィラキシーショック(全身性のI型アレルギー)の治療にアドレナリンが使用される。抗ヒスタミン薬は花粉症やじんま疹の治療に用いられる。
- よくある間違い: 好塩基球と肥満細胞を混同しやすい。好塩基球は血液中、肥満細胞は組織中に存在する点が異なるが、どちらもヒスタミンを含む。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
| ヒスタミン関連細胞 | 存在部位 | 共通機能 |
|---|---|---|
| 肥満細胞(マスト細胞) | 組織中(皮膚・粘膜) | IgE介在性のヒスタミン遊離 |
| 好塩基球 | 血液中 | IgE介在性のヒスタミン遊離 |
表: ヒスタミンを遊離する細胞の比較
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