問題
視覚の遠近調節に関与するのはどれか。
- 外眼筋
- 上直筋
- 瞳孔散大筋
- 毛様体筋
解答: 4(毛様体筋)
解説
- 誤り。外眼筋は眼球の運動(上下・左右・回旋)を司る6本の筋(上直筋・下直筋・内側直筋・外側直筋・上斜筋・下斜筋)の総称であり、遠近調節には関与しない。
- 誤り。上直筋は外眼筋の一つであり、眼球の上転と内旋に関与する。動眼神経支配であるが、遠近調節とは無関係である。
- 誤り。瞳孔散大筋は交感神経支配の平滑筋であり、瞳孔の散大(散瞳)に関与する。瞳孔径の調節は行うが、遠近調節(水晶体の厚さの変化)には関与しない。
- 正しい。視覚の遠近調節には毛様体筋が関与する。近くを見るとき、副交感神経(動眼神経の副交感神経成分)の興奮により毛様体筋が収縮し、チン小帯の張力が低下して水晶体が自らの弾性で厚くなり、屈折力が増加する。逆に遠くを見るときは毛様体筋が弛緩し、チン小帯が緊張して水晶体を引き伸ばすため薄くなり、屈折力が減少する。この一連の仕組みが遠近調節(調節反射)である。
ポイント
遠近調節は毛様体筋→チン小帯→水晶体の連動で行われ、毛様体筋の収縮・弛緩が調節の起点となる。
- 覚え方のコツ: 「も(毛様体筋)す(水晶体)こし近づけて」→近見時に毛様体筋が収縮し水晶体が厚くなる。外眼筋は「外を見回す筋」→眼球運動に関与。散大筋は「散大するだけ(瞳孔)」と機能が明確。
- 関連知識: 問893・855・898(遠近調節の仕組み)と繰り返し出題される最頻出テーマである。毛様体筋は副交感神経支配であり、自律神経の章とも関連する。加齢による調節力の低下(老視)は水晶体の弾性低下が原因である。
- よくある間違い: 外眼筋や上直筋を遠近調節に関与すると誤答しやすい。これらは眼球運動(眼位の制御)に関与するが、水晶体の厚さを変える遠近調節とは全く別の機能である。
- 教科書では「a.視覚の性質」の範囲に該当する。
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