問題
視覚について誤っているのはどれか。
- 水晶体の厚みを変えて遠近の調節を行う。
- 瞳孔の大きさを変えて明るさの調節を行う。
- 硝子体の働きによって明暗順応を行う。
- 視細胞は色の識別に関与する。
解答: 3(硝子体の働きによって明暗順応を行う。)
解説
- 正しい。毛様体筋の収縮・弛緩により水晶体の厚みを変えて遠近調節を行う。近見時には水晶体が厚くなり屈折力が増大し、遠見時には薄くなり屈折力が減少する。
- 正しい。虹彩の瞳孔括約筋(副交感神経支配)と瞳孔散大筋(交感神経支配)により瞳孔径を変化させ、網膜に入る光量を調節する。明所では縮瞳、暗所では散瞳が起こる。
- 誤り。明暗順応は網膜の視細胞における感光物質の化学変化によって行われるものであり、硝子体の働きではない。暗順応では杆体細胞のロドプシン(視紅)が暗所で再合成され、光に対する感度が徐々に上昇する。明順応では感光物質が分解され感度が低下する。硝子体は透明なゲル状物質で、眼球の形状維持と光の透過に関与するのみである。
- 正しい。網膜の錐体細胞(赤錐体・緑錐体・青錐体の3種類)が色の識別に関与する。杆体細胞は明暗の識別を担う。
ポイント
明暗順応は網膜の視細胞(特に杆体のロドプシン変化)で起こり、硝子体は無関係である。
- 覚え方のコツ: 「暗がりでロド(ロドプシン)が再合成」→暗順応の本質はロドプシンの再合成である。硝子体は「ガラス体」とも呼ばれ、光を通すだけの透明な物質と覚える。
- 関連知識: 暗順応には約30分を要し、杆体の感度上昇が主役である。ビタミンA欠乏ではロドプシン合成が障害され夜盲症となる(栄養学との接点)。
- よくある間違い: 硝子体と水晶体の機能を混同しやすい。水晶体=焦点調節(厚みが変化)、硝子体=形状維持(変化しない)と区別する。
- 教科書では「a.視覚の性質」の範囲に該当する。
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