問題
味覚について正しいのはどれか。
- 塩辛いは基本味の一つである。
- 受容器は味雷の基底細胞にある。
- 舌尖は苦みの感受性が高い。
- 舌の前方 2/3 は迷走神経が支配する。
解答: 1(塩辛いは基本味の一つである。)
解説
- 正しい。「塩辛い」(鹹味・塩味)は基本味の一つである。基本味は甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5種類であり、塩味はNa⁺などのイオンが味細胞のイオンチャネルを直接通過することで受容される。旨味はグルタミン酸などのアミノ酸によるもので、池田菊苗が発見した5番目の基本味である。辛味や渋味は基本味に含まれない。
- 誤り。味覚の受容器は味蕾の味細胞(II型・III型味細胞)に存在し、基底細胞は味細胞の前駆細胞(幹細胞)として機能するものであり、味覚の受容には直接関与しない。
- 誤り。苦味の感受性が高いのは舌根部(有郭乳頭周辺)であり、舌尖ではない。舌尖は甘味に対する感受性が比較的高い部位である。
- 誤り。舌の前方2/3の味覚は顔面神経(鼓索神経)が支配する。迷走神経は喉頭蓋周辺の味覚を支配し、舌の前方2/3は支配しない。
ポイント
基本味は甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5種類であり、塩味(鹹味)はその一つである。
- 覚え方のコツ: 基本味5つは「あ(甘味)さ(酸味)し(塩味)に(苦味)う(旨味)まい」で覚える。味覚神経は「前2/3=顔面(鼓索)、後1/3=舌咽、喉頭蓋=迷走」と前から順に覚える。
- 関連知識: 問874(基本味)、問875(甘味の部位)、問876(味覚の神経支配)と共通テーマである。味細胞は約10日で新しい細胞に置き換わるターンオーバーが速い細胞である。
- よくある間違い: 味蕾の「基底細胞」と「味細胞」を混同しやすい。受容機能を持つのは味細胞であり、基底細胞は幹細胞である。また舌の前方2/3の味覚神経を舌下神経や迷走神経と誤答しやすい。
- 教科書では「b.味覚の受容器と伝導路」の範囲に該当する。
| 味覚の神経支配 | 支配領域 | 神経名 |
|---|---|---|
| 顔面神経(鼓索神経) | 舌の前方2/3 | VII |
| 舌咽神経 | 舌の後方1/3 | IX |
| 迷走神経 | 喉頭蓋周辺 | X |
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