問題
脊髄における運動調節について誤っている記述はどれか。
- 伸張反射は腱反射とも呼ばれる。
- 腱紡錘は腱の伸張により興奮する。
- 括抗抑制には介在ニューロンが関与する。
- 誘発筋電図でH 波の潜時はM 波の潜時より短い。
解答: 4(誘発筋電図でH 波の潜時はM 波の潜時より短い。)
解説
- 正しい。伸張反射は腱を叩打して筋を伸張させることで誘発されるため、臨床的に「腱反射」とも呼ばれる。膝蓋腱反射やアキレス腱反射が代表例である。
- 正しい。腱紡錘(ゴルジ腱器官)は筋と腱の移行部に位置し、筋の張力増大(腱の伸張)によりIb群求心性線維が興奮する。過度の張力に対して自原抑制を引き起こし、筋を保護する。
- 正しい。拮抗抑制(相反抑制)ではIa群求心性線維からの側枝がIa抑制性介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑制する。これにより主動筋の収縮と拮抗筋の弛緩が協調して起こる。
- 誤り。H波は反射弧(Ia群求心性線維→脊髄→α運動ニューロン→筋)を経由するため潜時が長い。一方、M波は電気刺激が直接運動神経を興奮させて筋に伝わる応答であるため潜時が短い。したがってH波の潜時はM波より長く、問題文の「H波の潜時はM波の潜時より短い」は誤りである。
ポイント
H波(反射弧経由)の潜時はM波(直接応答)の潜時より長い。経路が長いほど潜時は長くなるという原則を理解する。
- 覚え方のコツ: 「H波は反射で”回り道”→潜時が長い、M波は”まっすぐ”筋へ→潜時が短い」と経路の長さで判断する。
- 関連知識: H波はIa群求心性線維を電気刺激して誘発する反射応答であり、伸張反射の電気的等価とみなせる。臨床ではS1神経根障害の診断に利用される。
- よくある間違い: H波とM波の潜時の長短を逆に覚えるケース。「H=反射弧経由=長い」「M=直接=短い」を確実に覚える。
- 教科書では「a.脊髄レベルでの調節」の範囲に該当する。
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