問題
皮膚反射でないのはどれか。
- 腹壁反射
- 挙睾筋反射
- 足底反射
- 咬筋反射
解答: 4(咬筋反射)
解説
- 誤り。腹壁反射は腹壁の皮膚を擦ると同側の腹筋が収縮する皮膚反射(表在反射)であり、反射中枢はTh6〜Th12の脊髄に存在する。
- 誤り。挙睾筋反射は大腿内側の皮膚を擦ると同側の挙睾筋が収縮して精巣が挙上する皮膚反射であり、反射中枢はL1〜L2の脊髄に存在する。
- 誤り。足底反射は足底の外側を踵から爪先に向かって擦ると足趾が底屈する皮膚反射である。錐体路障害がある場合は母趾が背屈し他の趾が開扇する(バビンスキー徴候陽性)。
- 正しい。咬筋反射(下顎反射)は下顎を叩打すると咬筋が収縮して閉口する深部反射(伸張反射)であり、皮膚反射ではない。三叉神経の中脳路核が求心路、三叉神経運動核が遠心路を担い、単シナプス性反射として反射弓が構成される。皮膚への刺激ではなく腱・筋への叩打で誘発される点で皮膚反射と明確に区別される。
ポイント
皮膚反射(表在反射)は「皮膚を擦る」刺激、深部反射(腱反射)は「腱を叩く」刺激で誘発される。
- 覚え方のコツ: 「皮膚反射は”擦る”、深部反射は”叩く”」と刺激方法で分類する。皮膚反射の代表は「腹壁・挙睾筋・足底」の3つをセットで覚える。
- 関連知識: 足底反射のバビンスキー徴候は錐体路障害の重要な臨床徴候である。上位運動ニューロン障害の有無を判断するために臨床で頻用される。
- よくある間違い: 咬筋反射を皮膚反射と誤認するケース。咬筋反射は「叩打」による深部反射(伸張反射)であり、脊髄ではなく脳幹(三叉神経核)が反射中枢である。
- 教科書では「a.脊髄レベルでの調節」の範囲に該当する。
| 分類 | 代表例 | 刺激方法 | シナプス |
|---|---|---|---|
| 皮膚反射(表在反射) | 腹壁反射、挙睾筋反射、足底反射 | 皮膚を擦る | 多シナプス |
| 深部反射(腱反射) | 膝蓋腱反射、アキレス腱反射、咬筋反射 | 腱を叩く | 単シナプス |
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