問題
α運動ニューロンについて誤っている記述はどれか。
- 起始部は脊髄または脳幹にある。
- 軸索は髄鞘に囲まれている。
- 軸索末端部には伝達物質がある。
- 錘内筋を支配する。
解答: 4(錘内筋を支配する。)
解説
- 正しい。α運動ニューロンの細胞体は脊髄前角または脳幹の運動神経核に存在する。脊髄では前角の腹側に位置し、四肢・体幹の骨格筋を支配する。脳幹では脳神経の運動核(例:顔面神経核、舌下神経核)として存在する。
- 正しい。α運動ニューロンの軸索はAα線維に分類され、太い髄鞘(ミエリン鞘)に囲まれている。伝導速度は約70〜120 m/sと神経線維の中で最も速い部類に入る。
- 正しい。軸索末端部(神経筋接合部)にはシナプス小胞が存在し、神経伝達物質としてアセチルコリン(ACh)が蓄えられている。活動電位が到達するとAChが放出され、骨格筋の収縮が惹起される。
- 誤り。α運動ニューロンは錘外筋(骨格筋の主要な筋線維)を支配する大型の運動ニューロンである。錘内筋(筋紡錘内の筋線維)を支配するのはγ運動ニューロンであり、両者の役割は明確に異なる。α運動ニューロンは直接的に骨格筋の収縮力を生み出すのに対し、γ運動ニューロンは筋紡錘の感度を調節する。
ポイント
α運動ニューロン=錘外筋(骨格筋)、γ運動ニューロン=錘内筋(筋紡錘)という支配関係が最頻出である。
- 覚え方のコツ: 「αは大きい(太い・錘外筋)、γは小さい(細い・錘内筋)」とギリシャ文字の順で大→小と覚える。
- 関連知識: 運動単位はα運動ニューロン1個+それが支配する錘外筋線維群で構成される。神経筋接合部の伝達物質AChは第4章(シナプス伝達)とも関連する。
- よくある間違い: α運動ニューロンとγ運動ニューロンの支配対象を逆に覚えてしまうこと。「α=外、γ=内」を確実に区別する。
- 教科書では「d.γ運動ニューロン」の範囲に該当する。
| 項目 | α運動ニューロン | γ運動ニューロン |
|---|---|---|
| 細胞体の大きさ | 大型 | 小型 |
| 支配対象 | 錘外筋 | 錘内筋 |
| 軸索の種類 | Aα線維 | Aγ線維 |
| 主な役割 | 骨格筋の収縮 | 筋紡錘の感度調節 |
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