問題
筋の性質について正しい記述はどれか。
- 骨格筋は不随意筋である。
- 骨格筋は機能的合胞体である。
- 心筋は単収縮のみである。
- 平滑筋には横紋構造がみられる。
解答: 3(心筋は単収縮のみである。)
解説
- 誤り。骨格筋は体性運動神経に支配される随意筋であり、意思によって制御できる。不随意筋は心筋と平滑筋である。
- 誤り。骨格筋は個々の筋線維が独立して神経支配を受けており、機能的合胞体ではない。機能的合胞体を形成するのは心筋であり、介在板のギャップ結合を介して興奮が細胞間を伝播する。
- 正しい。心筋は不応期が収縮期間のほぼ全体にわたるため、次の刺激に応答できず強縮を起こさない。したがって心筋は常に単収縮のみを行い、これにより心臓は規則的な拍動(収縮と弛緩の繰り返し)を維持できる。もし心筋が強縮を起こせば心臓はポンプ機能を失い、致命的となる。
- 誤り。平滑筋にはアクチンとミオシンの規則的な配列がなく、横紋構造は認められない。横紋構造を持つのは骨格筋と心筋である。
ポイント
心筋は不応期が長いため強縮が起こらず単収縮のみを行うという性質が、心臓のポンプ機能維持に必須であることが最重要である。
- 覚え方のコツ: 「心筋が強縮=心停止=死」→だから心筋は強縮しない仕組み(長い不応期)を持っていると覚える。
- 関連知識: 心筋の機能的合胞体の概念は循環器分野で頻出である。心房と心室はそれぞれ独立した合胞体として機能し、房室結節を介して興奮が伝わる。
- よくある間違い: 「骨格筋も多核だから合胞体」と考えるケース。骨格筋は構造的には多核であるが、個々の筋線維は独立して支配されるため「機能的合胞体」ではない。
- 教科書では「a.心筋の特徴」の範囲に該当する。
| 特性 | 骨格筋 | 心筋 | 平滑筋 |
|---|---|---|---|
| 横紋構造 | あり | あり | なし |
| 随意/不随意 | 随意筋 | 不随意筋 | 不随意筋 |
| 機能的合胞体 | いいえ | はい(介在板) | 単ユニット型のみ |
| 強縮 | 起こる | 起こらない | 起こりにくい |
表: 3種類の筋の性質比較
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