問題
骨格筋の収縮について正しいのはどれか。
- 筋細胞の活動電位は筋収縮と同時に起こる。
- 収縮のエネルギーはADPの分解による。
- 筋小胞体からのカルシウムイオン放出により起こる。
- 日常の運動は単収縮によって行われる。
解答: 3(筋小胞体からのカルシウムイオン放出により起こる。)
解説
- 誤り。筋細胞の活動電位は筋収縮に「先行」して起こる。活動電位がT管を伝わり、筋小胞体からCa²⁺が放出され、トロポニンCへの結合を経て収縮に至る。この一連の過程(興奮収縮連関)には時間差(潜伏期)が存在し、活動電位と収縮は同時ではない。
- 誤り。収縮のエネルギーはATP(アデノシン「三」リン酸)の分解によるものであり、ADP(アデノシン「二」リン酸)の分解ではない。ADPはATPが加水分解された産物であり、エネルギー源としては機能しない。
- 正しい。骨格筋の収縮は筋小胞体からのCa²⁺放出により起こる。活動電位がT管を伝わると筋小胞体のリアノジン受容体が開口し、Ca²⁺が細胞質に放出される。放出されたCa²⁺がトロポニンCに結合してトロポミオシンを移動させ、アクチン上のミオシン結合部位が露出することで架橋形成と筋収縮が起こる。この過程が興奮収縮連関の核心である。
- 誤り。日常の運動は単収縮ではなく強縮(主に不完全強縮)によって行われる。高頻度の神経インパルスにより単収縮が時間的に加重・融合して持続的な収縮が実現される。
ポイント
骨格筋の収縮は筋小胞体からのCa²⁺放出が引き金であるという興奮収縮連関の基本原理が最重要であり、第11章の総合的な復習問題である。
- 覚え方のコツ: 本問の誤選択肢はすべて既出テーマの再確認である。「活動電位は先行(同時ではない)」「エネルギー源はATP(ADPではない)」「日常運動は強縮(単収縮ではない)」の3つの頻出誤り選択肢を確実に見抜く。
- 関連知識: 本問は問題768(活動電位は先行)、784(ATP vs ADP)、762/781(日常運動は強縮)の知識を統合した総合問題である。
- よくある間違い: 「ADP」を「ATP」と読み間違えるケース。国試本番では選択肢の一文字の違いが正誤を分けるため、ATP/ADPの区別は特に慎重に確認する。
- 教科書では「a.筋収縮のエネルギー代謝」の範囲に該当する。
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