問題
骨格筋について正しい記述はどれか。
- 心筋よりも活動電位の不応期が短い。
- 横紋構造は認められない。
- 収縮のエネルギーはADP の分解による。
- 細胞外へのカルシウムイオン放出が収縮の引き金となる。
解答: 1(心筋よりも活動電位の不応期が短い。)
解説
- 正しい。骨格筋の不応期は約1〜3msであり、心筋の不応期(約200〜300ms)よりはるかに短い。この短い不応期により骨格筋では時間的加重(強縮)が可能となり、日常の滑らかな随意運動が実現される。心筋では長い不応期により強縮が防がれ、律動的な拍動が維持される。
- 誤り。骨格筋はアクチンとミオシンの規則的配列により明瞭な横紋構造を持つ横紋筋である。横紋構造がないのは平滑筋である。
- 誤り。筋収縮のエネルギー源はATP(アデノシン「三」リン酸)の分解であり、ADP(アデノシン「二」リン酸)の分解ではない。ADPはATPが分解された後の産物である。
- 誤り。筋小胞体から「細胞質内」へのCa²⁺放出が収縮の引き金となるのであり、「細胞外」への放出ではない。Ca²⁺は筋小胞体内から細胞質に放出されてトロポニンCに結合する。
ポイント
骨格筋の不応期が心筋より短いという事実に加え、誤選択肢(ATP vs ADP、細胞質 vs 細胞外)の微妙な違いを正確に見分けることが最重要である。
- 覚え方のコツ: 「ATP=三(Tri)=3つのリン酸」「ADP=二(Di)=2つのリン酸」→エネルギー源は「3本のリン酸が付いたATP」の方。Ca²⁺は「筋小胞体→細胞質」へ放出と覚える。
- 関連知識: 心筋でのCa²⁺動態は骨格筋と異なり、L型Ca²⁺チャネルからの細胞外Ca²⁺流入がCa²⁺誘発性Ca²⁺放出(CICR)を引き起こすという特徴がある。
- よくある間違い: 「ADP」と「ATP」を読み飛ばして間違えるケース。また「細胞外」と「細胞質内」を混同するケース。選択肢の細かい文言に注意する。
- 教科書では「a.筋収縮のエネルギー代謝」の範囲に該当する。
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