問題
死後硬直の原因はどれか。
- ATP 減少
- 乳酸減少
- ピルビン酸増加
- クレアチンリン酸増加
解答: 1(ATP 減少)
解説
- 正しい。死後硬直はATPの減少(枯渇)により生じる。生体ではATPがミオシン頭部に結合することでアクチンとの結合が解離し、筋が弛緩する。死後はATP産生が停止してATPが枯渇するため、ミオシンがアクチンから解離できなくなり、アクチン-ミオシン複合体が永久的に固定された状態となって筋が硬直する。死後数時間で出現し、24〜48時間後にタンパク質の分解により解消される。
- 誤り。乳酸は死後の嫌気的代謝(解糖系の残存活動)により一時的にむしろ増加する。乳酸の減少は起こらない。
- 誤り。ピルビン酸の増加は死後硬直の直接的原因ではない。
- 誤り。クレアチンリン酸は死後にATP再合成のために消費されるため減少する。増加はしない。
ポイント
死後硬直の原因はATP枯渇であり、「弛緩にはATPが必要→ATPがなくなると弛緩できない→硬直」という論理が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「死後=エネルギー工場(ミトコンドリア)停止=ATP枯渇=筋がほどけない=硬直」と因果の連鎖で覚える。
- 関連知識: 死後硬直は法医学における死亡推定時間の重要な指標であり、死後約2〜4時間で出現し、12〜24時間で最大となる。リゴモルティス(rigor mortis)と呼ばれる。
- よくある間違い: 「乳酸が減る」「クレアチンリン酸が増える」という選択肢に惑わされるケース。死後は代謝産物が蓄積(乳酸増加)し、エネルギー貯蔵物質は消費(クレアチンリン酸減少)する。
- 教科書では「a.筋収縮のエネルギー代謝」の範囲に該当する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント