問題
筋収縮においてアクチンフィラメントとミオシン頭部の結合に必要なイオンはどれか。
- カルシウムイオン
- カリウムイオン
- ナトリウムイオン
- 水素イオン
解答: 1(カルシウムイオン)
解説
- 正しい。筋収縮においてCa²⁺がトロポニンCに結合すると、トロポミオシンの位置が移動してアクチンフィラメント上のミオシン結合部位が露出し、ミオシン頭部がアクチンと結合(架橋形成)して筋収縮が起こる。Ca²⁺はアクチン-ミオシン結合のスイッチ役であり、Ca²⁺なしにはこの結合は起こらない。
- 誤り。K⁺は静止膜電位の維持や活動電位の再分極に関与するが、アクチン-ミオシン結合には直接関与しない。
- 誤り。Na⁺は活動電位の脱分極相(Na⁺チャネル開口による急速な流入)に関与するが、アクチン-ミオシン結合には直接関与しない。
- 誤り。H⁺(水素イオン)は酸塩基平衡やpH調節に関与する。H⁺の蓄積(pH低下)は筋疲労の一因となるが、アクチン-ミオシン結合には関与しない。
ポイント
アクチンとミオシンの結合にはCa²⁺が不可欠であり、Ca²⁺→トロポニンC結合→トロポミオシン移動→結合部位露出→架橋形成という一連の機序が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「Ca²⁺=筋収縮のスイッチ」と覚える。Na⁺とK⁺は「電気信号の担当」、Ca²⁺は「収縮開始の担当」と役割分担を明確にする。
- 関連知識: Na⁺は活動電位の発生(脱分極)、K⁺は静止膜電位の維持と再分極、Ca²⁺は筋収縮の開始と神経伝達物質の放出に関与する。イオンの役割は全章にわたって頻出である。
- よくある間違い: 「Na⁺が活動電位を起こすから筋収縮にも必要」と短絡的に考えるケース。活動電位の発生と筋収縮の開始は別の過程であり、収縮開始にはCa²⁺が必要である。
- 教科書では「a.興奮収縮連関」の範囲に該当する。
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