問題
骨格筋の収縮について誤っている記述はどれか。
- 筋収縮に従って熱が発生する。
- エネルギー源としてATP を用いる。
- 日常の運動は単収縮によって行われる。
- カルシウムイオンが必要である。
解答: 3(日常の運動は単収縮によって行われる。)
解説
- 正しい。筋収縮に伴いATP加水分解時の化学エネルギーの大部分が熱エネルギーに変換される。この熱産生は体温維持に寄与し、寒冷時のふるえ(シバリング)は積極的な熱産生の例である。
- 正しい。筋収縮の直接的エネルギー源はATPであり、ミオシン頭部のATPase活性によりATPがADPとPiに分解されて架橋運動の駆動力となる。
- 誤り。日常の運動は単収縮ではなく強縮(主に不完全強縮)によって行われる。単収縮は1回の活動電位による瞬間的な収縮で、力が弱く持続時間も短い。実際の随意運動では運動神経から高頻度のインパルスが送られ、単収縮が時間的に加重・融合して滑らかで力強い持続的収縮(強縮)となる。問題762と同テーマの頻出問題である。
- 正しい。筋小胞体から放出されたCa²⁺がトロポニンCに結合し、トロポミオシンの位置を移動させてアクチン上のミオシン結合部位を露出させることで収縮が開始される。
ポイント
日常の運動は単収縮ではなく強縮によって行われるという知識は繰り返し出題される最頻出テーマの一つである。
- 覚え方のコツ: 「日常の運動=強縮」と短く覚える。単収縮は実験室で1回だけ電気刺激を与えたときの人工的な収縮形態である。
- 関連知識: 強縮の張力は収縮の加重によって増大するが、その最大値はサルコメアの長さ(初期張力-長さ関係)にも依存する。最適なサルコメア長で最大張力が発揮される。
- よくある間違い: 問題762、781と同じテーマが繰り返し出題されている。「単収縮」と「強縮」の混同に注意する。
- 教科書では「c.単収縮と強縮」の範囲に該当する。
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