問題
骨格筋について誤っているのはどれか。
- 一回の活動電位による収縮を単収縮という。
- 持続的収縮を一般的に強縮という。
- 収縮を繰り返した後、刺激しても収縮しなくなることを筋の疲労という。
- 筋の両端を固定した状態で生じる収縮を等張性収縮という。
解答: 4(筋の両端を固定した状態で生じる収縮を等張性収縮という。)
解説
- 正しい。一回の活動電位によって生じる短時間の収縮を単収縮(twitch)という。単収縮は潜伏期・収縮期・弛緩期の3相からなり、骨格筋収縮の最小単位である。
- 正しい。高頻度の刺激により単収縮が時間的に加重し、融合して持続的な収縮となる状態を強縮(tetanus)という。不完全強縮と完全強縮に分類される。
- 正しい。強縮の持続などにより収縮を繰り返した後、刺激しても収縮力が低下し収縮しなくなる状態を筋疲労という。ATP枯渇、乳酸蓄積、グリコーゲン枯渇などが原因となる。
- 誤り。筋の両端を固定した状態で生じる収縮は等尺性収縮(アイソメトリック)であり、等張性収縮ではない。等尺性収縮では筋長は変化せず張力のみが発生する。等張性収縮(アイソトニック)は張力が一定のまま筋長が変化する収縮であり、関節運動を伴う。
ポイント
等尺性収縮は「長さ一定・張力変化」、等張性収縮は「張力一定・長さ変化」であり、名称と定義の対応を正確に覚えることが最重要である。
- 覚え方のコツ: 「尺=長さ」→等尺性=長さが等しい(一定)→筋長不変。「張=張力」→等張性=張力が等しい(一定)→張力不変。漢字の意味から直接対応づけられる。
- 関連知識: 壁を押す動作は等尺性収縮の典型例であり、ダンベルの上げ下げは等張性収縮の典型例である。リハビリテーション医学でも頻出の概念である。
- よくある間違い: 「等尺性」と「等張性」の定義を逆に覚えてしまうケース。漢字の意味に立ち返って整理すると混同を防げる。
- 教科書では「b.等張性収縮と等尺性収縮」の範囲に該当する。
| 収縮様式 | 筋長 | 張力 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 等尺性収縮(アイソメトリック) | 一定(不変) | 変化する | 壁を押す、腕相撲で拮抗 |
| 等張性収縮(アイソトニック) | 変化する | 一定(不変) | ダンベル挙上、歩行 |
表: 等尺性収縮と等張性収縮の比較
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